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敬語と「長幼の序」が生むビジネスの調和

ビジネスの現場で、部下や後輩に「なぜ敬語を使うべきか?」と問われることがあります。その背景には、「敬語を使うことは堅苦しい」「親しい間柄では必要ない」という感覚があるようです。確かに、フラットな関係性が求められる現代において、「年上だから偉い」「威張っていい」という考え方は時代遅れと感じるかもしれません。しかし、私は敬語や「長幼の序」と呼ばれる考え方が、ビジネスの現場での人間関係を円滑にするために重要な役割を果たしていると考えています。

敬語が生む「相手を大切にする姿勢」

敬語の本質は、相手を大切にする姿勢を言葉で表現することにあります。例えば、部下や後輩と話すときに、あえて敬語を使う上司や先輩がいます。一見、必要以上に丁寧すぎるように感じるかもしれませんが、その背景には「相手の存在を軽視していない」というメッセージが込められています。

以前、研修先で出会ったある管理職の方のエピソードが印象に残っています。その方は、どのような場面でも一貫して敬語を使っていました。部下がプレゼンの途中でミスをした際も、「今のアイデア、もう少しこうしたらどうでしょう?」と丁寧に提案していました。その結果、部下は緊張を和らげ、むしろ意欲的に議論に加わるようになりました。このように、敬語を使うことで、相手に敬意を示しながらも安心感を与える効果があると思います。

敬語の欠如が生む溝:私の経験

実際に、私自身も敬語や言葉遣いの大切さを痛感した経験があります。

と、ある初めての仕事を手掛けたときのことです。
その仕事では、私よりも長いキャリアを持ち、知識も豊富な方々と一緒に取り組む場面がありました。しかし、ある方からタメ口や、それ以下とも思える言葉(「そこ、どいて」「邪魔」)を投げかけられたことで、その日の私はエンジンがかからず、仕事に集中できませんでした。結果として仕事に対する集中力は分散してしまいました。雑音が入ってきた感覚でした。この経験は、「言葉の選び方一つで、相手の気持ちにどれほど影響を与えるのか」を考えさせられる出来事でした。

「長幼の序」とはメンツと歴史を尊重すること

「長幼の序」という言葉には、年齢や地位に応じた振る舞いを求める意味がありますが、私はその核心を「相手の生きてきた歴史を尊重すること」と捉えています。年齢が上だから偉いわけではなく、これまでその人が積み重ねてきた経験や価値観を尊重することで、関係性の調和が生まれるのです。

例えば、あるプロジェクトで若手メンバーが新しい提案を出したときのことです。その場にいた年配の管理職が、「面白い提案ですね。ただ、私が経験してきた中で似たケースがあります。そのときはこういう結果になりました」と語ったのです。単に「昔はこうだった」と押し付けるのではなく、あくまで一つの参考として自分の歴史をシェアしていました。
お互いの経験を尊重し合う姿勢が、年齢や立場を超えた信頼関係を築くと感じました。

ビジネスで「目上」を立てる意味

ビジネスの場では、「目上の人を立てる」ことがしばしば強調されます。しかし、それは単に古い慣習を守るためではない、と思っています。
たとえ後輩や部下であっても、「目上」とされる人を立てる行動は、その場にいる全員の心理的安全を守る役割を果たします。たとえば、クライアントとの打ち合わせで、上司が若手社員の意見を的確に補足したり、フォローしたりする場面を見ると、その上司が「全員の存在を尊重している」と感じられ、場の空気が柔らかくなるのをよく目にします。

実践のヒント:一言の気遣いから始める

こうした考え方を実践するために、まずは日常のコミュニケーションで「一言の気遣い」を意識してみるのがおすすめです。
たとえば、メールの冒頭に「お疲れ様です」を添える、会話の最後に「ありがとうございます」をしっかり伝えるなど、簡単な工夫から始められます。
これらの行動は、相手に敬意を示し、信頼関係を育む第一歩になります。

思うこと

敬語や「長幼の序」という概念は、一見すると形式的で堅苦しいものに感じられるかもしれません。
しかし、その本質は、相手を尊重し、関係性を円滑にするための知恵です。
ビジネスの現場で敬語を使うことや目上の人を立てる行動は、単なるマナーではなく、心理的安全性を高めるための実践的な手段といえます。

私自身もまだまだ発展途上状態ですが、敬語や相手の歴史を尊重する姿勢を心掛けることで、より良い人間関係を築いていきたいと思っています。

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marco

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