営業時間:平日10:00~17:00

070-5054-3110

休業日:土日祝日 年末年始季節休暇

失敗を語る

最近の出来事なのですが、ある方(初対面)と話をする機会がありました。
その方は私よりずっとキャリアの長い大先輩で、どんな話をされるのだろうと少し緊張していたのを覚えています。

ところが、その方は自己紹介の中で、ご自分の失敗談を話してくださいました。若い頃に大きな失敗をした経験や、その時の情けなさや苦しさを、とても正直に、笑いながら語ってくださったのです。その内容が、まるで「失敗を繰り返しながら、そうして成長していくんだよ」と私に言ってくれているように感じました。

気づけば、涙が溢れていました。もしかすると私は、最近の自分の失敗が続いていることや、注意ばかり受けている現状に追い詰められていたのかもしれません。そこまで自覚はしていませんでしたが、涙が出たということは、どこかでストレスを抱え込んでいたのでしょう。その先輩の言葉は、そんな自分を許してもらえたような気持ちにさせてくれました。

失敗を語るリーダーの影響力

この経験から学んだのは、失敗を語ることには人を安心させ、救う力があるということです。特に、リーダーが自分の失敗を隠さず共有することで、部下や後輩に「自分も失敗していいのだ」と思わせる安心感を与えることができます。(うまくいくよう意図しなくて良い、という意味ではない😅)

心理学では、「自己開示」が信頼を築く重要な要素だと言われています。自分の失敗を語ることで、相手との心理的距離を縮め、関係性を深めることができます。リーダーが完璧さだけを追求するのではなく、人間らしさを見せることで、相手が感じるプレッシャーを和らげるのです。

私があの先輩の話を聞いた時、自然と「この方にもこんな時代があったんだ」と思いました。それは、自分一人が苦しんでいるわけではないという安心感とともに、「この人なら信頼できる」と感じさせるものでした。

リーダーの失敗がチームを強くする

失敗を語ることは、リーダーの信頼を損なうどころか、チーム全体に良い影響を与えます。

例えば、部下がプロジェクトで失敗した時、リーダーが「私も同じようなことがあったよ」と言うだけで、相手の気持ちは随分と軽くなります。

以前、ある管理職の方から聞いた話があります。
その方は、新人時代に大きなミスをしてクライアントを怒らせてしまった経験があるそうです。その話を自分の部下に伝えたことで、ミスをした部下が「次は頑張ります!」と前向きな行動を取るようになったと言います。このように、失敗の経験を共有することは、チーム全体の心理的安全性を高め、メンバーが挑戦しやすい環境を作るのだと思います。

失敗を共有する勇気を持つ

時には自分の失敗を話してみる。
それを聞いた部下は、後輩は、そこからいろいろな影響を受けると思います。

もちろん、自分の失敗の披露の際には必要以上に自分を卑下するのではなく、あくまで「学び」の視点で伝えることがポイントであることは言うまでもなさそうです。

例えば、「あの時はこう考えて行動したけど、結果はうまくいかなかった。でも今ならこうするだろう」といった具合に、経験から得た教訓を具体的に語ることで、相手が「自分も次に活かせるかもしれない」と前向きに捉えられるようになるのだと思いました。

失敗を語ること

失敗を語ることは、自分の弱さを見せる勇気であり、同時に相手を信じる行動でもあります。それは、単なるエピソードの共有ではなく、信頼関係を築くための強力な手段でもあると思いました。

私自身、先輩の失敗談に救われたことで、自分の失敗を過度に恐れずに受け入れることの大切さを学びました。その経験が、私を支える力になりました。

先輩の自慢話は、結構(長い場合は)聞くのが大変ですが(すみません🙏)、失敗談は驚きや勇気、そして共感など様々なプラスの影響をいただくことができました。

リーダーであるあなたのあらゆる経験も、きっと誰かを救う力になると思っています。
うまくいかなかったことから得た学びを次の世代に伝える。

実は私は、大きなリーダーシップを発揮する能力は残念ながら不得意ですが、こうした細かな身近で起こる細やかなリーダーシップを積み重ねるのは得意なタイプです。こうした小さめも、やがて大きな力になっていく、リーダーシップの一つの形ではないでしょうか。

ぜひ、ご利用ください。

当研究所では、研修のご導入をご検討の企業担当者の方に向けて
無料相談会を開催しています。

ヒューレット・パッカード社の創業者が残した「人の成長なくして企業の成長はない」というメッセージは、その後リーマンショック等を経て事実上各社で証明され続けている実態があります。こうしたことからも、企業では社員を育成するための様々な研修を企画されていることと思います。

当研究所では、研修のご導入をご検討の企業担当者の方に向けて企業様ごとの個別無料のオンライン相談会を開催させていただいております。お気軽にお問合せ・お申し込みください。

■お問い合わせはこちら■

そのほか、自社の研修を新たに導入することに関するご相談をオンラインでお受けしています。
・現状ではどういった研修を導入すると良いのか
・研修はどの頻度で実施すると良いのか
・フォローアップはどのように進めると効果があがりやすいのか
・階層ごとにどういった教育が必要なのか
・自社の教育体系施策を作成したいが、作り方がわからないし現実的かがわからない
など、従業員育成に関するあらゆるご相談を無料でお受けしております。
ご希望の方は、以下のお申し込みフォームからお申し込みください。
追ってご連絡をいたします。
ぜひ、無料個別相談をご利用ください。

■お問い合わせはこちら■

組織こうどう研究所

この記事を書いた人

marco

関連記事

  • OJT
  • いろいろプロセス
  • リーダーシップ
  • 能力開発
PDCAサイクルの秘密

日々のビジネスシーンでは、目標を掲げながらも試行錯誤の連続に直面することが多いの […]

  • 職場の心理的安全性
管理しなくてよい管理とは何か 2つの観点から

▶︎管理しなくてよい管理 ひとつ前のコラムで管理しなくてよい管理を […]

  • コミュニケーション
  • ハラスメント
  • リーダーシップ
20代30代の職場を思い出す。「やめて!」の心の叫び

リーダーシップについて語る時、私たちはよく「職場は楽しくあるべきだ」といったポジ […]

  • 能力開発
スパインを元気に! それが行動変容に!

スパインという言葉聞いたことがありますか? Wikipediaによると、 「樹状 […]

  • リーダーシップ
  • 能力開発
ギブ&テイクと「本当に役立つギブ」の見極め方

「あなたの『ギブ』が、相手にとって『負担』になっていませんか?」 ビジネスシーン […]

  • コミュニケーション
  • ハラスメント
  • リーダーシップ
ハラスメント相談員養成講座 1日目!

職場でのハラスメント相談員の方のための養成研修をオンラインで実施しています。 1 […]