最近の出来事なのですが、ある方(初対面)と話をする機会がありました。
その方は私よりずっとキャリアの長い大先輩で、どんな話をされるのだろうと少し緊張していたのを覚えています。
ところが、その方は自己紹介の中で、ご自分の失敗談を話してくださいました。若い頃に大きな失敗をした経験や、その時の情けなさや苦しさを、とても正直に、笑いながら語ってくださったのです。その内容が、まるで「失敗を繰り返しながら、そうして成長していくんだよ」と私に言ってくれているように感じました。
気づけば、涙が溢れていました。もしかすると私は、最近の自分の失敗が続いていることや、注意ばかり受けている現状に追い詰められていたのかもしれません。そこまで自覚はしていませんでしたが、涙が出たということは、どこかでストレスを抱え込んでいたのでしょう。その先輩の言葉は、そんな自分を許してもらえたような気持ちにさせてくれました。
失敗を語るリーダーの影響力
この経験から学んだのは、失敗を語ることには人を安心させ、救う力があるということです。特に、リーダーが自分の失敗を隠さず共有することで、部下や後輩に「自分も失敗していいのだ」と思わせる安心感を与えることができます。(うまくいくよう意図しなくて良い、という意味ではない😅)
心理学では、「自己開示」が信頼を築く重要な要素だと言われています。自分の失敗を語ることで、相手との心理的距離を縮め、関係性を深めることができます。リーダーが完璧さだけを追求するのではなく、人間らしさを見せることで、相手が感じるプレッシャーを和らげるのです。
私があの先輩の話を聞いた時、自然と「この方にもこんな時代があったんだ」と思いました。それは、自分一人が苦しんでいるわけではないという安心感とともに、「この人なら信頼できる」と感じさせるものでした。
リーダーの失敗がチームを強くする
失敗を語ることは、リーダーの信頼を損なうどころか、チーム全体に良い影響を与えます。
例えば、部下がプロジェクトで失敗した時、リーダーが「私も同じようなことがあったよ」と言うだけで、相手の気持ちは随分と軽くなります。
以前、ある管理職の方から聞いた話があります。
その方は、新人時代に大きなミスをしてクライアントを怒らせてしまった経験があるそうです。その話を自分の部下に伝えたことで、ミスをした部下が「次は頑張ります!」と前向きな行動を取るようになったと言います。このように、失敗の経験を共有することは、チーム全体の心理的安全性を高め、メンバーが挑戦しやすい環境を作るのだと思います。
失敗を共有する勇気を持つ
時には自分の失敗を話してみる。
それを聞いた部下は、後輩は、そこからいろいろな影響を受けると思います。
もちろん、自分の失敗の披露の際には必要以上に自分を卑下するのではなく、あくまで「学び」の視点で伝えることがポイントであることは言うまでもなさそうです。
例えば、「あの時はこう考えて行動したけど、結果はうまくいかなかった。でも今ならこうするだろう」といった具合に、経験から得た教訓を具体的に語ることで、相手が「自分も次に活かせるかもしれない」と前向きに捉えられるようになるのだと思いました。
失敗を語ること
失敗を語ることは、自分の弱さを見せる勇気であり、同時に相手を信じる行動でもあります。それは、単なるエピソードの共有ではなく、信頼関係を築くための強力な手段でもあると思いました。
私自身、先輩の失敗談に救われたことで、自分の失敗を過度に恐れずに受け入れることの大切さを学びました。その経験が、私を支える力になりました。
先輩の自慢話は、結構(長い場合は)聞くのが大変ですが(すみません🙏)、失敗談は驚きや勇気、そして共感など様々なプラスの影響をいただくことができました。
リーダーであるあなたのあらゆる経験も、きっと誰かを救う力になると思っています。
うまくいかなかったことから得た学びを次の世代に伝える。
実は私は、大きなリーダーシップを発揮する能力は残念ながら不得意ですが、こうした細かな身近で起こる細やかなリーダーシップを積み重ねるのは得意なタイプです。こうした小さめも、やがて大きな力になっていく、リーダーシップの一つの形ではないでしょうか。
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