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最近、「デブリーフィング」という言葉をよく耳にするようになりました。リフレクションとの違いは何だろう?と考えたことはありませんか?今回は、前回の引き続きこの2つの違いについて、分かりやすくお話しして実用的な活用についてより具体的に考えてみたいと思います。
まずは基本的な違いから(まさに、ふりかえってみましょう!)
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リフレクションは、個人やグループで行う一般的なふりかえりの活動です。例えば、「今日の会議はどうだったかな?」「あのプロジェクトで学んだことは?」といった具合に、経験をふりかえり考察する機会のことでしたね。そしてそれは、自己理解を深めるためのもの、とご紹介しました。
一方、デブリーフィングは、事実を整理し、次の行動につなげるためのふりかえり。ですから、より構造化されたふりかえりの手法です。具体的な手順に従って進められます。
なぜデブリーフィングが注目されているのか
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もう25年ほど前の話ですが、実施した研修の経験をお話しします。
リフレクションをしました。
「良かった点、改善点を挙げてください」という問いかけです。
お気づきでしょう。この問いかけは抽象度が高いものです。
様々な側面から自由にふりかえりができる反面、表面的な感想しか出ないこともあります。
すなわち、言語化しにくいのです。
そこでデブリーフィングの手法を取り入れてみると、状況が大きく変わりました。例えば、以下のような段階的な問いかけを行います:
- 「まず、どんなことが起きましたか?」(事実の確認)
- 「その時、どんな気持ちでしたか?」(感情の共有)
- 「なぜそうなったと思いますか?」(原因の分析)
- 「次回に活かせることは何でしょうか?」(教訓の抽出)
これが構造化されたアプローチの例です。
これにより、参加者はふりかえりのポイントがわかり、ふりかえりやすくなって行きました。
その上、具体的な行動改善のコメントにつながりやすくなり、今後のコミットを聞けるようになったのです。
それぞれの特徴と使い分け
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リフレクションは、日々の業務や比較的軽めの振り返りに適しています。例えば、週次のチームミーティングの最後に「今週はどうでしたか?」と問いかけるような場面です。
デブリーフィングは、以下のような場面での活用がおすすめです:
- 大きなプロジェクトの終了時
- 重要な商談や交渉の後
- チーム内で問題が発生した時
- 新しい取り組みにチャレンジした後
実践計画!
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リフレクションを行う際は、自由なコメントが許される場作りが必要です。
デブリーフィングを行う際も同様ですが、さらに「安全」な場づくりも重要です。
「失敗を責めない」「率直に話せる雰囲気づくり」を心がけます。
また、問いかけの順序を守ることで、参加者の思考が整理されやすくなります。
リフレクションでは、定期的に行うことで習慣化を図ることが効果的です。
例えば、毎週金曜日の終業前に15分程度、個人やチームでふりかえる時間を設けるのはいかがでしょうか。
前回もお伝えしたように、
どちらの手法も、経験から学びを得るための大切なツールです。
場面や目的に応じて使い分けたり、ミックスすることで、より効果的なふりかえりが可能になります。日々の実践で、徐々に組織の文化として定着させていくのが良いと思います。
個人的な経験からも、構造化されたふりかえりの重要性を実感しています。
ぜひ、みなさんの組織でも、状況に合わせたふりかえりの方法を探っていただければと思います。
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