
今日は、ビジネスシーンでよくある「話のレベルがバラバラ問題」について触れてみたいと思います。
部下を持つ管理職の方や、社内研修を企画する人事担当者の方々にとって、とても身近な話題だと思います。
具体と抽象が混ざっている、リーダーの部下への説明例

ある日のこと。私は仕事の場面で田中さん(仮名)が、新しいプロジェクトについて部下に説明しているのを耳にしました。
「このプロジェクトは、顧客満足度の向上が目的だ。具体的には、まず受付での挨拶を徹底しよう。そして、サービスの質を上げるんだ。最終的には、顧客のロイヤリティを高めたいんだよ」
さて、皆さんはこの説明を聞いてどう感じますか?
何か違和感を覚えませんか?
なぜ、具体的な表現と抽象的な表現が混ざっていると良くないのか

実は、田中さんの説明には「具体」と「抽象」が混在しています。
「受付での挨拶を徹底する」というのは具体的ですが、「サービスの質を上げる」「顧客のロイヤリティを高める」というのは抽象的です。
これって、何が問題なのでしょうか?
理解度にばらつきが出る:具体的な部分は理解できても、抽象的な部分で迷子になる人が出てきます。
行動に移しにくい:抽象的な指示は、どう行動すればいいのか分かりづらいものです。
評価基準が不明確:「サービスの質」って、どう測るの?という疑問が生まれます。
結果として、チーム全体の方向性がバラバラになってしまう可能性が高くなります。
余談ですが、わたしは田中さんの話を理解できず「何を言いたいのかな」とかなり考えました。考えているうちに、話はどんどん展開していてついていけなくなってしまったわけですが・・・😰
具体的な表現と抽象的な表現をうまく使って説明するには

では、どうすれば良かったのでしょうか?
例えば、こんな風に説明してみてはどうでしょうか。
「このプロジェクトの目的は顧客満足度の向上です。具体的には、以下の3つのステップで進めていきましょう。
- 受付での挨拶の徹底:お客様の名前を覚え、笑顔で対応します。
- サービスの質の向上:対応時間を20%短縮し、解決率を10%アップさせます。
- 顧客ロイヤリティの向上:リピート率を現在の70%から80%に引き上げます。
各ステップの詳細は、後ほど資料でお配りします」
いかがでしょうか?抽象的な概念を具体的な行動や数値に落とし込むことで、チーム全員が同じイメージを持ちやすくなります。
話の聞きやすさ

さて、ここまで読んでくださった皆さん。
「なるほど」と思った方もいれば、「うーん、難しそう」と感じた方もいらっしゃるかもしれません。
実は、「話の聞きやすさ」というのは、話し手と聞き手の関係性や、聞き手の知識レベルによっても変わってきます。例えば、長年一緒に仕事をしているチームなら、抽象的な表現でも通じることがあります。逆に、新人さんには具体的すぎるくらいが丁度いいかもしれません。
私自身、質問を受けて答える時に「みんな分かってるだろう」と思って抽象的な回答を出していたことがありました。でも、質問されるくらいだから、抽象的な回答でいいわけありませんよね・・・
あるとき「もう少し具体的に教えてもらえませんか?」と言われて、はっとしました。
いや、もっと早く分かれ! っちゅー話ですが😰
最近では、説明する前に「この話、どのくらい詳しく説明した方がいいですか?」と聞く時もありますし、「どこまでご存知ですか?」と確認してから答える時もあります。
相手のニーズに合わせて、具体と抽象のバランスを調整するわけです。
結局のところ、コミュニケーションって相手あってのもの。
一方的に話すのではなく、相手の反応を見ながら、理解度を確認しながら進めていく。
そんな双方向のやりとりが、実は最も効果的なんだと私は考えています。
皆さんも、明日からの会話で、具体と抽象のバランスを意識してみてはいかがでしょうか?
きっと、チームの一体感が高まり、プロジェクトの成功確率もグッと上がるのではないでしょうか。
いかがでしょうか。
明日からの会話、工夫してみませんか?
一緒に、より良いコミュニケーションを目指していきましょう!

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