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相手の課題に自分を映し出す

人のことは、よく見える

「Aさんって、いつも部下に細かすぎるんだよなぁ」
「Bさんの会議の進め方、ちょっと非効率じゃない?」

こんなふうに、周囲の人の“課題”って、不思議とよく見えるものです。
とくにリーダーやマネージャーといった立場になると、部下の振る舞いやチームの状況に対して「改善すべき点」が自然と目に入ってくるようになります。

私自身も、かつては研修中に受講される方の「発言が少ない」「リアクションが薄い」といったことが気になっていました。でも、ここに私の課題は隠れていたわけです。
「それって本当に“相手の課題”なんだろうか?」と立ち止まってみると・・・
そこには自分の中にも見えていなかった“課題”が潜んでいました。

そのとき、「なぜ自分はそこに着目するのか」の問いを持つ

相手の行動や言動にモヤっとしたとき、少し立ち止まって考えてみる。「なぜ私はここに反応しているのだろう?」と。
これは、私がファシリテーション研修などでよく使う自分への問いでもあります。

ある管理職研修の場面で、受講者の一人が「部下がどうしても指示待ちで、自分で考えようとしないんです」と語ってくれました。その方の悩みは切実でしたが、対話を重ねていくうちに、実はその方自身が「正解を早く出したくて、部下に考える余白を与えていなかった」という構造が見えてきました。

つまり、「部下の指示待ち=相手の課題」と見えていたものが、「自分が余白を与えることに不安を感じていた=自分の課題」だったわけです。

「なぜそれに反応したのか?」の問いには、驚くほど自分の思考パターンや価値観が映し出されます。これは少し怖くもありますが、同時にリーダーとしての成長のチャンスでもあります。

すなわち、自分がコントロールできる対象は、自己課題の方なのですよね。

自分のフレームが見つかったそのとき

私たちは、無意識のうちに「こうあるべき」「こうすべきだ」という“自分のフレーム(枠組み)”を通して物事を見ています。そして、このフレームがあるからこそ、他人の“課題”が目につくのです。

先ほどの例のように、正解を急ぐ癖や、成果を早く出さなければという焦り、自分の経験が正しいという前提。これらの思い込みに気づいたとき、「ああ、これは“自分の課題”だったんだな」と認めることができるかどうかが大切です。

私自身、研修のファシリテーション中に沈黙が続くと焦ってしまい、「何か話さなきゃ」としゃべり続けてしまうことがあります。でも、それが参加者にとって“考える時間”だったり、“自分のペースで向き合っている証”だったと気づいたとき、自分に「沈黙=悪いもの」というフレームがあることに気づきました。(理解としては、沈黙は相手の考える時間だ、とわかっていたにも関わらず、です)

この“気づき”こそが、グローウィングポイント。

全ては、自分次第

ビジネスの現場では、リーダーが先頭に立って判断し、行動し、組織を導いていく役割が求められます。けれど、相手の課題に目が向いたときこそ、「それって自分の中にもあるのでは?」という問いを持てるかどうかでリーダーシップの質を大きく変えていきます。

もちろん、“自分のせいにする”とか”全てを自分で背負い込むべき”と言っているのではありません。
しかしながら、「他者の行動に対する自分の反応」には、自分自身の無意識のクセが出やすいという視点を持つだけで、コミュニケーションや指導の仕方をぐっと変化させることができます。

心理学では「他者を変えることはできないが、自分の関わり方は変えられる」という趣旨のフレーズをよく耳にします。そうした意味でも、なにごとも“自分次第”なのだと思います。

まずは、日々のやりとりの中で、「なんで今、自分はモヤっとしたんだろう?」と、小さな問いを持ってみること。それが、自己理解を深め、よりよい関係性を築く第一歩になるのではないでしょうか。


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marco

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