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フット・イン・ザ・ドア 一貫性の法則

釣られないための心の余白

久しぶりの方から電話をもらい、嬉しくてワクワクしました。電話の内容は「お久しぶりです。この度独立しました。これからもよろしくお願いします!」でした。

懐かしい声に心が弾みました。以前一緒に仕事をした彼の声は、昔と変わらず明るく、元気に溢れていました。独立という大きな決断をした彼を応援したい気持ちが生まれてくるのがわかりました。

嬉しくて、すぐに返事。

「お久しぶりです!ご連絡ありがとうございます。そして独立、おめでとうございます。いずれ機会を作ってランチでもしましょう。」
と連絡したら、
「ぜひ会いたいです」その後ろに、「今度セミナーします!そのセミナーでお会いできると嬉しいです。」と詳細なセミナー案内が。
最後に、ちょこっと「もちろんランチでも良いですし」と書いてありました。

メッセージを読んだ瞬間、何か引っかかるものを感じました。

フット・イン・ザ・ドア

「ぜひ会いたい」という言葉の後に続いたのは、純粋な再会の約束ではなく、セミナーの案内でした。
主目的はセミナーへの勧誘だったことが見え隠れしていると感じられました。

やりとりをしていると、よくフット・イン・ザ・ドア(一貫性の原理)にハマる感覚に陥ることがあります。今回は特にそれを強く感じました。
そして、とても窮屈な気持ちになりました。

もちろん、わたしも仕事がうまくいっていることをいつも望んで積極的に取り組んではいますが、
久しぶりのやりとりだったこともあり、残念な気持ちも湧いてきました。

さて、この「フット・イン・ザ・ドア(一貫性の原理)」という説得テクニックは、心理学でよく知られています。
一度イエスと言ったらノーと答えにくくなるという心理を活かしたテクニックで、小さなことから相手の「イエス」を積み重ね、「ノー」と言えないようにして、相手の意思でその答えに行き着いたという状況に進めていきます。人は言動と行動に一貫性がある人が信頼のおける人と無意識に思っているからで、その心理が働くのです。

話を元に戻しますが、窮屈さを感じた理由は、純粋な人間関係とビジネス目的がその人との対話の中に混在というか混同されていたからでしょう。
もちろん、彼の独立を心から祝福し、応援したいという気持ちがあったわけですが、対話の内容を通しての感想は、セミナーの勧誘であり、わたしの再会の喜びを分かち合いたいという素直な気持ちが先にあったものとはずれがありました。

初めから、セミナーのお誘いをいただいた方がスッキリしたなぁ、と思ったり。

ここからはひとりごと

仕事がうまくいく
それはとても大事なことですし、人生の中で重要な位置づけたと考えています。とはいうものの、その思考が私生活や人間関係にまで及んだり、24時間いつもそうということになると、わたしは違和感を感じるようです。

しかしながら、彼にとってのわたしは「私生活や人間関係」とみなす対象ではなかったのかもしれません。要するに、集客の対象だったのかもしれないのです。置かれている立場の違いというだけでなく、この辺の認識のずれもあるでしょう。

「自分の中に常にバッファーを持ちながら、人生の中の仕事を見ていきたい」
自分はそれを望んでいるんだな、と改めて自覚しました。だから窮屈さを感じたのでしょう。

ここで使っている「バッファー」は、心の余白の意味で使いました。
常にビジネス100%の力で過ごすのではなく、少し余裕を持った状態で過ごしたい。(これは、価値観のテーマになるので、人ぞれぞれ皆違う、ということだろうと思います)

久しぶりの知人から連絡があった時、私はまず「この人と純粋に会話を楽しみたい」という気持ちが生じる傾向があるようです。自覚できてよかったです。
自覚できると、その価値を大事にできるようになる。ぶれなくなるから。
こうした自分の気持ちを大切にしようと思います。そして、その先に何かビジネスの話があったとしても、それは自然な流れの中で生まれるものだろうな、と思いました。

今回は、自分の経験を通して自分の価値である「心の余白」について触れてみました。

「誰かとの会話の中に、どれだけの余白を持てるか」
人との関わりの中に少しの余白を持つことで、さらに豊かな関係性が生まれるかもしれません。
そしてそれは、思いがけず、ビジネスの成功にもつながっていくように思えてならないのです。

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marco

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