
皆さんは、日常生活やビジネスの場で、「どうしてこんな対応をされるんだろう?」とモヤモヤした経験はありませんか?今回は、私自身が体験した出来事をもとに、「コミュニケーションの質」について一緒に考えてみたいと思います。
頑張ったけど。

ある日、粗大ごみを出すために市の回収に申し込みをしました。
「回収作業の方が少しでも楽になるように」と思い、私は家具をすべて解体し、紐で丁寧に括り、長さを測って、市のサイトで金額を調べてチケットを購入。指定どおりに貼り付けて、準備万端で電話をかけました。
しかし、電話口に出た職員の方は、最初から少し強めの口調。ちょっと嫌な予感がしましたが、そこは我慢して回収を依頼しました。すると「回収までは10日以上かかります」とのこと。まあ、それだけ忙しいのだろうと納得していたのですが、ここからが問題でした。
質問に答えるたびに、「それは基準外です」「こちらでは対応できません」と、後から後から条件が追加されていくのです。そして最後に、「そのサイズは、解体前の大きさですか?回収申込は、解体前のサイズで測ってください」と言われたときには、さすがに心の中で叫んでしまいました。
「なぜ最初に、それを伝えてくれないのか?」
「後出しルール」が信頼を削る

このような対応は、おそらくマニュアルに沿ったものだったのかもしれません。
しかしながら「決まっているからそう伝えている」という態度が、どれだけこちらの相手に不快感を与えるか、想像が至っていないように感じました。
要するに、別の言い方をする、など工夫はいくらでもできたのでは、ということです。
その上、「では対応してもらえないということですか?」と確認したとき、返ってきた答えは「3日前に申し込みは締め切っています」とだけ。
確かに、言っている内容は理解できます。もう締め切ったのでしょう。
ルールですから、しょうがありません。
わたしが気になったのはこちらの問いにきちんと向き合わなかった(向き合わないと感じさせる言葉のチョイスだった)と感じ、結果として「この方とはこれ以上やり取りしたくない」と思いました。
ルールだけで人は動かない

ルールは必要。
でも、そのルールを「どう伝えるか」「いつ伝えるか」が、
根拠を示しながら伝えられるか。
ここが、提供者の役割でしょう。
組織内のトラブルでも、多くは「伝える内容」ではなく「伝え方」に原因があります。
言葉のタイミングや表情、トーン一つで、相手の受け取り方はまるで変わってしまうのです。
今回の出来事は、単なる市の窓口の話ではありません。どの職場でも、リーダーや同僚とのやり取りの中で、似たような“すれ違い”は起きているのではないでしょうか?
小さな心がけが、大きな信頼を生む

この体験から学んだことを、私なりに整理してみました。
- 先回りの情報提供
相手が迷う前に、必要な情報を伝えておくことで、誤解や手戻りを減らせます。 - 質問の背景をくみ取る
「なぜこの人はこの質問をしているのだろう?」と想像するだけで、答え方は変わってきます。 - 明確な回答を心がける
曖昧な返答は、かえって相手の不安を煽るもの。質問には、正面から答える勇気も必要です。 - 共感の言葉を忘れない
たとえ対応できないとしても、「それはご不便でしたね」「お気持ち、よくわかります」と一言添えるだけで、受け取り方はまったく違ってきます。
「人」がいるからこそ、組織は動く
ルールは人を守るためにあります。
ただし、ルールを運用するのは「人」、受け取るのも「人」。
情報を届けるだけでなく、相手との関係性を築いていくこと。
それこそが、コミュニケーションの本質で職場における信頼や生産性にも直結していくように感じます。
「この伝え方は、相手にどう届いているだろう?」
そのちょっとした想像力が、
不毛なストレスを生産しないことにつながるようにも思えた事案でした。
