営業時間:平日10:00~17:00

070-5054-3110

休業日:土日祝日 年末年始季節休暇

「やらせたい」が「やりたくない」に変わるとき

言葉に潜む“押しつけ”を手放すという選択

「これは本人のためになると思って言ってるんですけどね…」
職場で、よく聞く言葉のひとつです。

たとえば、部下に資格取得を勧める上司。
「キャリアのために必要だ」と繰り返し伝えるものの、本人はまったくその気がない。
しまいには、声をかけるだけで顔が曇るようになってしまった。
そんなケースに出会ったことはありませんか?

このとき、上司の願いが本当に「悪い」わけではありません。
むしろ、部下の成長を願ってのこと。
でもその“善意”が、「やらされ感」や「押しつけられている感じ」として伝わってしまう。
結果、相手は動かなくなる。あるいは、あえて逆の行動をとる。

人って、不思議ですよね。
心の奥で「その通りかも」と思っていても、「そうしろ」と言われると、なぜかやりたくなくなる。

この現象に名前をつけるとしたら、「選択権の剥奪感」。
“自分で決める自由”が奪われたと感じた瞬間に、人はとても敏感に反応します。
それがどんなに小さなことであっても。

だからこそ、大事にしたい視点があります。
「どうやったら、相手が“自分で決めた”と思える関わりができるか?」

この問いを、自分のポケットに入れておくと、人との関わり方が少し変わってきます。

たとえば…

  • 「やってみるとしたら、どこから手をつけたい?」
  • 「いまの自分にとって、そのチャレンジってどう感じる?」
  • 「もし自由に決めていいなら、どんな方法を選ぶ?」

こんなふうに“相手が考える余地”を残す言葉は、その人の中にある小さなスイッチを探し当てるヒントになります。

質問には、“答えを押しつけない勇気”が宿っています。
そして、“あなたの中にちゃんと答えがある”という信頼も。

そして、

人は、言葉で動かされるよりも、
「あ、これならやってみてもいいかも」と思えたときに、静かに一歩を踏み出します。

その一歩を引き出すために、
伝えるより、問いかけてみる。
背中を押すより、そっと横に並んでみる。

そんな関わり方が、誰かの“やりたくない”を“やってみようかな”に変えるきっかけになるかもしれません。

この記事を書いた人

marco

関連記事

  • OJT
  • いろいろプロセス
  • コミュニケーション
  • リーダーシップ
これは実話です。

ちぴぃヒラサワ 社会人一年生の出来事 新人として入社したばかりの頃、私は毎日指導 […]

  • コミュニケーション
  • リーダーシップ
ずるずると不快になる話

「答えを求めること、答えを伝えること」 時折、考えることがあります。 ——「専門 […]

  • いろいろプロセス
  • グループプロセス
  • チームワーク
  • リーダーシップ
  • 仕事のスキル
一見地味なルールづくりとその実践

ビジネスリーダーに必要な「ルールを作り、それを守る力」 企業の管理職として、部下 […]

  • コミュニケーション
  • チームワーク
  • 職場の心理的安全性
心理的安全性を高める!職場コミュニケーションチェックリスト

こんにちは、平澤知穂です。今日は、あなたの職場でどれほど対話ができているかな?を […]

  • コミュニケーション
  • リーダーシップ
心がちょっと楽になる話:「マウントを取る心理」との向き合い方

マウントってなに? 「マウントを取る」とは、誰かに対して「自分の方が上だ」と暗に […]

  • グループプロセス
  • コミュニケーション
  • チームワーク
ストレスフリーな職場を望む人が増えています

同僚との接し方の新しい常識!? 第1回目 職場の人間関係に悩む方が増えています。 […]