
今回は、全8回にわたるシリーズとして、ファシリテーションのイロハをご紹介していきたいと思います。
🔹ファシリテーションとは
ファシリテーションとは、対象となるチーム(グループ)の中で起こっているさまざまな出来事を取り上げ、それを学びとしてチームの活動に活かすよう促す“ファシリテーター”が用いるスキルのことです。
■ 「場づくり」〜なぜ「場づくり」が最初に必要なのか
「このミーティング(以下、MTG)、なんだか発言しづらいな……」
そんな空気を感じたことはありませんか?
会議やワークショップにおいて、参加者が率直に意見を交わせる環境は、成功のカギを握ります。ファシリテーターがまず意識すべきは、まさにその“空気感”の設計です。すなわち、場の雰囲気を整えること。
それは、議論の出発点を温かく包み込み、対話を滑らかにする土台となります。
■ 発言しやすい環境を設計する3つのポイント
【物理的・心理的空間の準備】
机の配置や照明、座る位置など、物理的な要素も、発言のしやすさに影響します。
また、心理的安全性を確保するために、「ここではどんな意見も歓迎です」といった言葉かけが、大きな役割を果たします。
【ファシリテーターの立ち居振る舞い】
無意識の表情や態度が、参加者の心理に影響を与えます。
笑顔やアイコンタクト、うなずきなど、小さなアクションで「あなたの意見を歓迎します」というメッセージを送りましょう。
【最初の5分が勝負】
たとえば、MTGの冒頭で場をどれだけほぐせるかが、その後の議論の深さを左右します。
自己紹介にちょっとした一言を加えるだけでも、雰囲気は和らぎます。
■ 場づくりはファシリテーションの第一歩
コミュニケーションの質は、場の質に大きく依存しています。
参加者が安心して話せる場を整えることこそが、ファシリテーターに求められる最初の、そして最も重要な仕事なのです。
