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部下との信頼を築くための5つの黄金ルール第4回目

日々の小さな積み重ねが信頼を育てる

雑談から始まった信頼関係

これは、わたしが50代になってからの話です。
「平澤さん、週末は何してたんですか?」
ある月曜日の朝、チームメンバーがこう話しかけてきました。


わたしはつい「忙しくてね〜」と素っ気なく答えてしまいそうになりました。

でも、ふと「ちょっと待って、またやってしまうところだった(笑)」と思い直したんです。

そこで正直に「実は苦手な料理に挑戦して、塩辛く仕上げてしまい、がっかりだったのよ😅」と話しました。
するとメンバーの表情がパッと明るくなって、
「私も料理苦手なんです!時には作るけど、うまくいかなくなってやっぱりな、なんて思ったりして。だからわかります、その気持ち!」と笑顔で話してくれたんです。

この何気ない雑談が、その後の仕事のコミュニケーションをぐっと楽にしてくれました。

わたしは「ああ、雑談って本当に大事なんだな」と実感したんです。

(業務の話だけでは、相手の人となりは見えてこないですからね)

日常的なコミュニケーションの大切さ

信頼関係を深めるために特別なことをする必要はありません。

日常的なコミュニケーションこそが、信頼の土台を作ることが大事。

「おはよう」「お疲れさま」といった挨拶。

「この仕事、進んでる?」という声かけ。

「最近どう?」という気遣い。

こうした何気ないやりとりが、相手に「ちゃんと見てもらえている」という安心感を与えます。わたしも以前は、「忙しいから仕事の話だけしっかりすればいい」と思っていました。

でも、それだと相手との距離がどんどん開いていってしまうんですよね。

研修の現場で、参加者の方々から「部下とどう接していいかわからない」という相談をよく受けます。

そのたびに、わたしは「日常の小さなコミュニケーションが、実は一番大切なんです✨」とお伝えしています。

(むしろ、特別なことをしようとすると、かえってぎこちなくなってしまうこともあります)

業務の相互理解を深める方法

相手の仕事内容や進み具合を把握することは、信頼関係を築く上でとても重要です。

わたしの「うまくいかなかった経験」をひとつお話しします。

(※最近は「失敗談」という表現は使わないようにしています)

職場の人が「この資料作成、思ったより時間がかかっていて…」と言ったとき、
わたしは「資料作成なんて、すぐできるでしょ?頑張って」と答えてしまったことがあります。

後でわかったのですが、その資料は複数の部署にヒアリングが必要で、しかもデータの集計も複雑なものだったそうです。

わたしが思っていたよりずっと大変な仕事だったんですね。

メンバーは一人で抱え込んで苦しんでいました。このとき、わたしは「相手の状況を理解しようとしていなかった」と知りました。

わたしには、このように
相手の状況を把握しようとする過程をすっ飛ばしてしまう傾向がよくあります。
そして、悪気はないのですが・・・。むしろ応援の気持ちで「できるよ」「ファイト」などといって、相手を不快にさせたり追い込んだりなどしてしまいます。

一呼吸おいて反応すること。

できれば、相手の様子を聞いてみること。

できるだけそうしようと心がけています。

「具体的にどんな作業が必要なの?」

「どこが一番大変?」

「いつまでに完成させる必要がある?」

そして定期的に「今どんな感じ?」「何か困ってることない?」と声をかけることで、相手の状況を理解できます。こうした積み重ねで、相手も相談してくれるようになったケースもありました。

「相互理解」は一方通行では成り立ちません。
お互いに理解し合おうとする姿勢が必要なんですね。

雑談の力を侮るなかれ

仕事以外の話、つまり雑談は、実は信頼関係を築く強力なツールです。
・コーヒーを飲みながら「最近、何か面白いことあった?」と聞いてみる。

・ランチのときに趣味の話をする。

こうした何気ない会話を通じて、相手の人となりが見えてきます。
わたしはそもそも、誰かとコミュニケーションを取るのは得意な方ではなく、一人で行動することを好む傾向にありますが、時々勇気を出して(勇気を出さないとできない^_^;)、自分の「うまくいかなかった話」をすることがあります😅

わたしのパーソナリティを知っていただくために、です。

こうすることで、相手のパーソナリティも見せていただけることも多くあります。

相手も「実は私も…」と話してくれて、お互いに親近感が湧いたり、など。

人間らしい一面を知り合うことで、身近な人だと感じられます。

むしろ、完璧を装うことで、相手は近づきにくくなってしまうものなのかもしれません。

ただ、ここで一つ注意点があります。

雑談は「相手が話したいときに、話したい内容を」というのが基本です。

こちらから一方的に話し続けたり、相手のプライベートに踏み込みすぎたりしないように気をつけています。(このバランス感覚、難しいんですけどね^_^;)

相手を尊重する態度とは?

相手を尊重するということは、単に丁寧に接するということではありません。

相手のニーズや価値観を理解し、一人の人間として認めることです。
ニーズや価値観を理解する相手が何を大切にしているか、何を求めているか。

これを理解するには、積極的に話を聞くことが必要です。

ある人は「スキルアップして、将来は専門家になりたい」と思っているかもしれません。

別の人は「ワークライフバランスを大切にして、家族との時間を持ちたい」と考えているかもしれません。

一人ひとり、大切にしているものは違います。

わたしは以前、すべての人に同じように「もっとスキルを磨こう!」と言ってしまっていたことがあります。(どこまでも、独りよがり・・・😩)

それでは相手一人ひとりの思いに応えられない・・・。

このことに気づいたのは、コーチングを学んだ頃でしたが、
自分のパターンとして認識できた(=改良しようと取り組めるようになった)のはここ数年の話です(知ってから、挑戦できるようになるまでに25年ほどかかっております・・・)

さて、相手が勇気を出して本音を話してくれたとき、
それを否定せずに受け止めるのも大事にしています。

時々、相手の意見を聞いて「え、そんなふうに感じていたの?」と驚くこともあります。

でも、その驚きも含めて正直に伝えることで、
お互いに理解し合える関係になっていくことも経験できました。

(それなのに、未だコミュニケーションが苦手な症状持ってます😰)

ただ、驚きを隠す必要はない、という経験はその時にできました。

だから、いつもできなくても、時々勇気を出してやっています。
正直な反応が、かえって相手との共感を生んだりすることもあるから不思議。

「そうでしょ!わたしも驚いたんだ」なんて言われたこともあります。

本音で話せる

まだ下手ですが、
本音を言えるように(少しは)なってきました。

ただ、「本音」という言葉について、最近考えることがあります。

本音を言える環境を作ることは大切ですが、
「本音を言わなければならない」と強制してはいけない。

相手が話したいときに、話したいことを話せる。

そういう環境を作ることが、本当の意味での「本音で話せる関係」なのかもしれません。

※これって難しいテーマですが、大切なポイントだと思います。

小さな積み重ねが大きな信頼に特別なことをしなくても、
日々の小さなコミュニケーションの積み重ねが、
やがて大きな信頼関係になります。

日常の当たり前を、当たり前に続けることが何より大切ですね。

・「おはよう」と笑顔で言う

・相手の話を最後まで聞く

・「ありがとう」を忘れない

・雑談の時間を大切にする

ある管理職の方がこう話してくださったことがあります。

「小さなことの積み重ねが、いつの間にか大きな信頼になっていました」と。

わたしは「本当にそうだな」と思いました✨
信頼関係って、ドラマチックな出来事で急に築かれるものではないらしい、とわかりました。ドラマじゃないってことですね🤭

日々の小さな、本当に小さな積み重ねなんです。

地味ですけど、日々の小さな、本当に小さな積み重ね、これが一番確実な方法だと思います、

次回は最終回です。

週末を跨いで、お届けします。

もし信頼を失ってしまったとき、どうやって取り戻せばいいのか。

そして、信頼関係を長く続けていくためのコツについてお話しします。

この「信頼を失った経験」、実はわたしにとって一番辛い話なんですが・・・
でも、お伝えしたいと思います。

この記事を書いた人

marco

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