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部下との信頼を築くための5つの黄金ルール第5回目

失った信頼を取り戻し、長く育てていくために

わたしが信頼を失ったとき

これは、わたしにとって、とても辛い思い出です。

(正直、今でも思い出すと胸が痛くなります😰)

あるプロジェクトの会議で、チームメンバーが新しい提案をしてくれました。

でもわたしは、その提案の冒頭部分だけ聞いて、早とちりで「それは現実的じゃないよ。今の予算では無理」と却下してしまったんです。

メンバーは「あ、はい…」と小さな声で答えました。
でも後日、別の部署の方から「あの提案、すごく良かったのに。実は予算的にも問題なかったんじゃないですか?」と言われて、わたしは愕然としました。
わたしはちゃんと話を聞かずに、思い込みで決めつけてしまっていたんですね。

(このパターン、わたし本当にくて😩 悔いても悔いても繰り返してしまう・・・)

ここからはおそらく、皆様がお察しの通りです。

その後、そのメンバーはわたしに何も相談しなくなりました。

会議でもあまり発言しなくなりました。

わたしは相手の信頼を失ってしまっていました。
この経験は、わたしの心に深く刻まれています。

「信頼を失うのは一瞬だけど、取り戻すのは本当に大変なんだ」と痛感しました。
(何度も痛感していますが・・・)

信頼を失った理由をふりかえる

信頼を取り戻すための第一歩は、
なぜ信頼を失ってしまったのかを理解すること。

わたしの場合、こんな原因があります。

・相手の話を最後まで聞かなかった

・早とちりで判断した

・自分の経験が全て(自分が正しいと思っている)
・相手の状況を理解しようとしない

・相手の可能性を信じなかった

・思い込みで決めつけてしまった・・・など

自分の行動をふりかえるのは、正直とても辛いです。

「あのとき、なんで最後まで聞かなかったんだろう」

「なんで決めつけてしまったんだろう」

と後悔の念に襲われます。

ただ、自分の改善すべき点は、
ふりかえることでわかりました。

わかれば、行動を改めるチャンスもつかめます。

研修でも「ふりかえることで、自分の課題が見えてきた」と
参加者の方から伺うことがあります。

同感です。

あなたも、もし相手との関係がうまくいっていないと感じたら、まず自分の行動を振り返ってみてはいかがでしょう。

例えば、

「相手に対して、どんな接し方をしていただろう?」というように。

※これって勇気がいることですけど、大切なステップ。

接し方を見直す勇気

相手との接し方を見直すことは、信頼回復において本当に大切です。
わたしは、自分が早とちりしやすく、自分の基準で物事を考えてしまうことを自覚してから、意識的に「ちょっと待って、最後まで聞こう」「相手のことを知ろう」と心がけるようになりました。

具体的には

・相手が話しているとき、途中で口を挟まない

・相手が話し終わるまで待つ

・話を聞きながら、自分の考えをメモしておく

・相手の話が終わってから、一呼吸おいてから自分の意見を伝える

これ、簡単そうで実はとても難しいんです。

わたしは元来あわてんぼうな質で、つい先回りして話してしまいそうになります・・・
でも、相手の話を最後まで聞くことで、相手のことがわかるようになってきたし、相手から「聞いてくれてありがとう」といってもらったこともありました。

さて、

ここで「誠実に謝る勇気」について書いてみたいと思います。

わたしは、(結構時間が経ってしまっていましたが・・・)
先ほどのメンバーに伝えました。

「あの時、あなたの提案を最後まで聞かずに却下してしまって、本当にごめんなさい。後で他の方から、すごく良いアイデアだったのに、と聞きました。わたしの不用意な一言で決めつけて、あなたのアイディアが話し合われなかったこと、本当に申し訳なかったです」

謝るのは、正直とても勇気がいりました。

わたしには「謝る」ことに対しての歪曲した概念や価値観があったのです。

・「謝ったら、相手に舐められるんじゃないか」という不安

・謝ることは「負」を認めること

・自分の未熟さがバレる

など。

ですが、あの時、言えてよかったです。

実は、もう関係が取り戻せなかったのですが、

「自分の過ちを認めて謝る」行為ができたことで、わたしはその後人への関わり方について丁寧さや暖かさが必要なのだという価値観を持てるようになりました。

少しだけ、ホッとしました。

評価とフィードバックを見直す

信頼を取り戻すためには、
相手への評価やフィードバックを見直すことも必要です。

先の例では、関係を取り戻せませんでしたが、
自分の経験を経て意識している「評価とフィードバック」を書き出してみました。

・公正な評価を心がける

・相手の努力や成長をきちんと認める

・良いところも改善点も、バランスよく伝える

・具体的な事実に基づいて伝える

そして、定期的に相手と一対一で話す時間を作るようにしました。

そこで、相手の頑張りを具体的に伝えるようにしています。
・「この前の企画書、本当にわかりやすくまとまっていたよ。特に、データの見せ方が工夫されていて、すごく説得力があった」

・「あのクライアント対応、すごく助かった。あなたの丁寧な説明のおかげで、契約までスムーズに進んだよ」

というように。

「具体的に伝えることが大切」
抽象的な褒め言葉より、具体的な事実を伝える方が、相手に伝わことも、わかりました。

(わたしは抽象的に話す癖があるので、これも意識して取り組んでいます😅)

信頼回復には時間がかかる

正直に言います。

一度失った信頼を取り戻すのは、簡単ではありません。

時間がかかります。取り戻せなかった関係もありました。

メンバーはわたしに対して距離を置いていました。

必要最低限の報告だけで、それ以上の会話はありませんでした。

Facebookで繋がっていましたが、ブロックされてしまいました。

できるだけ、心がけてやっていたこと

(功を奏したかどうかは別にして)

・挨拶を欠かさない

・小さな変化も見逃さず声をかける

・感謝を伝え続ける

・話を聞く機会があるときはとにかく誰の話でも最後まで聞く(これ、特に意識しました)

これまでの経験から学んだことは「信頼回復は一朝一夕にはいかない」ということです。

でも、諦めなければ、必ず道は開けるらしい、とわかりました。

(希望を持って取り組むことが大事ですね🤭わずかですが、回復できたケースもありました)


信頼関係は育て続けるもの

信頼関係は、一度築いたら終わりではありません。

日々、育て続けていくもの。「人の成長なくして企業の成長はない」はわたしのポリシーみたいなものですが、人が成長するためには、信頼関係が絶対に必要。

信頼関係があれば、

・相手は安心して挑戦できる

・うまくいかないことがあっても、また立ち上がれる

・新しいアイデアを出せる

・チーム全体が生き生きと働けるようになる

研修の現場で、多くの管理職の方々とこの「信頼関係を築く」ことをテーマについて話し合ってきました。

みなさん、それぞれの悩みや課題を抱えています。

でも、共通しているのは「部下(相手)との信頼関係を大切にしたい」という思いでした。

最後に、一つお伝えしたいことがあります。
わたしのように自分の基準で物事をジャッジしやすい傾向があったり、おっちょこちょいで、あわてんぼうで、早とちりしてしまう人でも、信頼関係は築けます。

大切なのは、

・誠実であろうと努力を続けること

・誠実ではない行動をとった時に、少しでも早く素直に認めること

相手を一人の人間として尊重すること

一緒に、少しずつ、相手との信頼関係を育てていきましょう。

このコラムが、あなたと相手との関係づくりの一助になれば、これほど嬉しいことはありません。わたしはこれまで多くの方々から学ばせていただきました。

その学びを、このコラムを通じて、少しでもお伝えできていれば幸いです。

信頼関係は、職場の土台。その土台を、共に築いていきましょう✨

それでは、5回シリーズのコラムを最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。あなたの職場に、温かい信頼関係が育っていくことを、心から願っています。

そして、わたし自身も、これからも学び続けていきます。

一緒に頑張りましょう!

この記事を書いた人

marco

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