なんだかんだ言って、リーダーシップとフォロワーシップの違いがわからないというご質問がよくありますもので、この場をお借りしてご紹介します。
ぶっちゃけてしまうと、
わたしもこの説明はうまくできないことも多くありました(反省😰)。
わかっていても解説しずらい、ってときはまだ腑に落ちていなかったのかも、と今となっては思います。
さて、では
まずは、この基本を知っておかないと両者はこんがらがっちゃうよ、というお話です。
リーダーシップとフォロワーシップは、
いうまでもなく、どちらもチームや組織が目標を達成する上で欠かせない要素です。
そして、両者は概念や本質には微妙な違いがあります。
この違いを理解することで、私たちはチーム内での役割や働き方をより効果的に捉えることができます。
まずはリーダーシップについて
リーダーシップは大きく2つの側面で語られることが多いです。
それが混在すると、理解が難しくなる場面もあります。
そこで、この2つをお示ししてみます。
1、影響行動としてのリーダーシップ
2、役割行動としてのリーダーシップ
1、影響行動としてのリーダーシップ
これはリーダーシップの本質的なものです。
「他者に影響を与える行動」を指しています。
状況に応じて適切な方向性や目標を提示し、周囲にその影響力を伝える力であり、この影響行動は特定の役職や地位に縛られるものではなく、誰もが発揮できるものです。たとえば、チームの一員が新しいアイデアを提案し、その方向にチームを動かすよう働きかけることもリーダーシップの一環です。
誰もが発揮できる、とは?
新人が課題達成機能的なリーダーシップを発揮する例
プロジェクトの進行中に新人が以前のアルバイト経験で学んだ効率的なタスク管理ツールの知識を活かし、「このツールを使えばタスクの進捗を一目で共有できると思います」と提案する場面が挙げられます。さらにその新人が実際にツールの設定方法を説明し、チームが新しい方法を導入できるよう手助けした結果、作業効率が向上し締め切りに間に合うことができました。この場合、新人は役職や経験に関係なく、課題達成のために必要な影響力を発揮し、チームに貢献しています。
ベテランが新人に集団維持機能的なリーダーシップを発揮する例
チームの会議で新人がなかなか意見を発言できない様子に気づいたベテランが、「○○さん、このテーマについてどう思う?あなたの意見を聞いてみたい」と声をかける場面が挙げられます。また、新人が発言した後には「それは良いアイデアだね。具体的にはどう進めると良いと思う?」と質問し、新人の意見をさらに引き出します。その結果、新人は自分の意見が受け入れられたと感じ、チームの一員としての自信と安心感を得ることができました。この行動は、集団の調和を維持し、メンバー間の信頼関係を築くリーダーシップの一例です。
2、役割行動としてのリーダーシップ
役割行動としてのリーダーシップに話を移します。
これは公的に命じられたリーダーとして求められる具体的な行動指針であり、責任のある立場の人が担う役割です。たとえば、部下の育成や目標達成のマネジメント、リスクへの対応などが含まれます。
部下育成の例
例えば、新入社員が業務に慣れるように、リーダーが定期的な面談を実施し、進捗や悩みを聞きながら具体的なアドバイスを行うことが挙げられます。これにより、新入社員は不安を解消しながら成長し、チームに早く貢献できるようになります。
リスクへの対応の例
納期が迫るプロジェクトで予期せぬ問題が発生した際に、リーダーが即座に状況を把握し、優先順位をつけてタスクを再配分することで、納期内の完成を目指す場面もあります。こうした行動は、リーダーとしての責任を果たすと同時に、チーム全体の信頼感を高める一例です。
互いにリードし合うという誰でも主体性を発揮する働きかけと、
リーダーとしての役割が行使する働きかけがあるのですね✨
この2つの側面があるため、リーダーシップという言葉が影響行動と役割行動の両方を指し、結果としてその意味が混同されやすくなります。
そうなのです😩
フォロワーシップは?
フォロワーシップはリーダーシップと対比される概念ですが、その前提が異なります。
フォロワーシップは「役割行動」に焦点を当てたフォロワーの行動指針です。
影響行動ではなく「役割行動に特化し、リーダーが示した方向性や目標を理解し、それを実現するために主体的に行動する力」です。
→結果的に、行動をすれば誰かや何かに影響を与えるので、影響行動じゃないか!と言われるとグウの音も出ないわけですが😰それについては、少し下に登場する青背景部分の記述と同じ視点をお持ちいただくと幸甚です。
フォロワーシップは
・リーダーの意図を受け取り、
・その実現を支援する行動
です。
たとえば、リーダーがチームの方向性を示した際に、「では、この部分は私が担当します」と自ら進んで役割を引き受ける姿勢はフォロワーシップの一例です。
ここで、参考までに!
ここで、「それでは影響関係としてのリーダーシップと同じではないですか?」という指摘があるかもしれません。しかし、影響関係としてのリーダーシップを理解することと、役割行動としてのフォロワーシップを理解することは、そもそも分けて考えましょう!
リーダーにはリーダーとしての行動指針があるように、フォロワーにもフォロワーとしての行動指針があります。それは「チーム目標の実現をサポートする」という大きな枠組みの中で、個々が自らの役割を発揮し、リーダーや他のメンバーと協力する行動です。
リーダーシップが「他者に影響を与える行動」や「リーダーとしての役割行動」を指すのに対し、フォロワーシップは「フォロワーの役割行動」に特化しています。
とはいうものの、
とはいうものの、この2つは相互に補完し合うものであり、どちらか一方が欠けるとチームは機能しません。たとえば、リーダーがビジョンを提示することで(影響行動としてのリーダーシップ)、フォロワーがそのビジョンを理解し行動に移す(役割行動としてのフォロワーシップ)。逆にフォロワーがリーダーにフィードバックを行い、リーダーの役割行動を補強する場面もあります。
ややこしい!😩
リーダーシップという言葉が「影響行動」と「役割行動」の両方を指しているため、リーダーシップは誰もが発揮できると言われるわけですが、それは影響行動に限定されるのか、それとも役割行動も含むのかが曖昧になることがあります。
個人的には、限定されるかどうか、が主要な問題ではなく、影響関係を整理できる概念と、役割行動を整理できる概念、ということなんですが☺️
また、フォロワーシップはリーダーシップを補完するものとされていますが、どの側面(影響行動なのか役割行動なのか)を補完するのかが不明瞭だ、という印象を持ってしまい、混乱を生じやす苦しているようにも思います。
わたしたち、実はリーダーシップの捉え方が、みんなバラバラです😅。
リーダーシップは「影響を与える力」と「役割としての行動」という二つの視点が混在しているため、理解が難しくなりがち、と話をしてきましたが、
言葉を使う私たちも、この区分けを意識することなく捉えているため、フォロワーシップを頭で理解する場面ではこんがらがってしまうというわけですね(と、いう印象を持っております、わたし)。
フォロワーシップは明確に「フォロワーの役割行動」という位置づけです。ここは、ガッツリ押さえておくと良いですね。
このように整理した上で、
リーダーシップは革新や影響力を生む働きかけ、フォロワーシップはその影響を受け止め形にする役割、とより実践的に理解できるのではないでしょうか。
この整理が、チームの中での自分の立ち位置や役割を再確認する助けになれば嬉しいです。
書くのに、結構な日にちがかかったー!このコラム😆
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