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新人を育てる時の落とし穴

新人教育は職場において非常に重要なプロセスです。
特に、最初に教えられたことは、その人の仕事の基礎として長く影響を与えます。
しかし、現場では「正しいルール」と「先輩のやり方」の間で、新人が迷ってしまうことも少なくありません。

例えば、あるレストランで働き始めた新人スタッフが、先輩から「正しいグラスの拭き方」と「私のやり方」の両方を教えられ、結果的に混乱してしまった話を考えてみましょう。新人はどちらの方法を採用すべきかわからず、結果的に店長から叱責されてしまいました。

このようなケースは、どの職場でも起こり得ることです。そこで、新人教育において「組織のルールを伝えること」「守破離の考え方」「先輩の自己流を伝えるタイミング」について考えてみたいと思います。

組織のルールをちゃんと教える

職場にはそれぞれの「決まりごと」があります。それは業務をスムーズに進めるために必要なルールであり、新人に最初にしっかり伝えるべきものです。

レストランの例で言えば、グラスの拭き方に関しても、清潔さや効率を考慮した標準的な方法が存在するはずです。しかし、ここで問題になるのは「ルールが明確に伝わっていなかったこと」です。先輩スタッフが最初に正しい拭き方を伝えたものの、その後で自己流のやり方を示したため、新人は「どちらを選べばいいのか」混乱してしまったのです。

新人は「先輩のいうことを聞かなくては」と思う一方で、正式なルールも無視できません。このギャップが大きなストレスとなり、最悪の場合「自分で判断してしまう」というリスクを生みます。

だからこそ、まずは組織としてのルールを明確にし、それを徹底して伝えることが重要です。「この職場では、この方法が正式なやり方です」と伝え、新人が迷わない環境を整えましょう。

「守破離」守があるから破に進め、離に至ることができる

武道や茶道でよく言われる「守破離」という言葉があります。これは、

  1. :基本をしっかり学ぶ
  2. :応用し、柔軟に適応する
  3. :自分のスタイルを確立する

という学びのプロセスを表したものです。

仕事においても同じことが言えます。最初の段階では、「守」として基本をしっかり覚え、その上で「破」として応用を利かせる。そして、最後には「離」として自分なりのやり方を確立する、という流れが理想的です。

しかし、このレストランのケースでは、「守」の段階がまだ不十分な新人に対して、先輩スタッフが「破」の部分を先に伝えてしまいました。新人はまだ基本をしっかり身につけていないため、応用を求められると混乱してしまうのです。

どんな仕事でも、まずは「基本を徹底的に学ぶ」ことが大切です。基本が身についた上で、ようやく応用を考えたり、個々のスタイルを発展させたりすることができます。

最初から、先輩の自己流を伝えると、新人は混乱する

先輩スタッフとしては、「私のやり方が効率的だから」と思って自己流の方法を教えたのかもしれません。現場では、ルールよりも実践的なノウハウが重視されることもありますし、「経験則」が役立つ場面も少なくありません。

しかし、新人にとっては「何が基本で、何が応用なのか」がまだ整理できていない状態です。そんな中で、複数の方法を示されると、どれが正解なのかわからず迷ってしまいます。その結果、間違った判断をしてしまい、叱られる…という悪循環に陥ってしまうのです。

もしも先輩が、「まずは正式なやり方を身につけてね」と伝えた上で正式なやり方だけを教える。その時に「慣れてきたら、いろいろ工夫できると思うけれど、今は正式なやり方でね」と補足していたらどうでしょう?

新人は「まずは決まったやり方を守ろう」と安心でき、その後で「応用」として先輩の方法を参考にするために教えてほしい、とリクエストを出すことができます。これなら混乱することなく、スムーズに成長できるでしょう。

最初は、とても肝心

新人教育では、「教え方」ひとつで、その後の成長スピードが大きく変わります。
特に最初の段階では、「守破離」の考え方を意識し、まずは基本をしっかり教えることが大切です。

先輩スタッフの工夫や効率化のアイデアは、新人が基本を身につけた後で伝える方が効果的です。新人が最初に戸惑わず、自信を持って業務に取り組める環境を整えることが、チーム全体の成長につながるのではないでしょうか。

さて、あなたの職場では、どのように新人教育をしていますか?
「守」の部分がしっかり伝わっているか、改めて見直してみるのも良いかもしれません。

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marco

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