「ふりかえりを大事にしよう！」
これは、職場でもよく聞く言葉です。
会議の後、研修の後、プロジェクトが一区切りした後、私たちは何らかの形でふりかえりを行います。
でも、ふりかえりにも種類があることをご存じでしょうか？ 例えば「デブリーフィング」と「リフレクション」。どちらも学びを深めるために使われる言葉ですが、それぞれの目的や進め方には違いがあります。
今回は、デブリーフィングとリフレクションの違いを、日常的なシーンを交えながらお伝えしていきます。
デブリーフィングとは？
デブリーフィングは、「特定の出来事のふりかえりを通じて、チームや個人の学びを整理し、次の行動につなげること」を目的とした手法です。
たとえば、こんなシーンを思い浮かべてみてください。
ケース1：チーム会議の後のふりかえり
会議の後に「今日の会議、どうだった？」と話す場面。
「結論が出るまでに時間がかかりすぎたな」
「発言が少なかったけど、もう少し意見を引き出す方法はなかったかな？」
こうやって具体的な出来事を整理し、改善策を考える。これはまさにデブリーフィングです。
ケース2：営業のロールプレイ後
研修で営業トークのロールプレイをしたとき、「どう感じた？」という感想だけでは終わりませんよね。
「提案の流れはよかったけど、最後のクロージングが弱かったね」
「お客様のニーズを引き出す質問がもっと必要かも」
このように、事実をふりかえり、具体的な改善点を考えるのがデブリーフィングの特徴です。
リフレクションとは？
リフレクションは、「経験を内省し、自己理解を深めること」が目的です。
ケース3：1日の終わりのふりかえり
例えば、仕事が終わった後に、こんなことを考えたことはありませんか？
「今日はちょっとミスが多かったな」
「朝の会議での発言、もう少し自信を持って言えばよかったかも」
これはリフレクションの一種です。
デブリーフィングのように「具体的な事実」を分析するというよりも、「自分の気持ちや考え」を整理することがメインになります。
ケース4：キャリアについて考える時間
リフレクションは、長期的な視点でも使われます。
「最近、仕事に対するモチベーションが落ちているけど、何が原因だろう？」
「この1年で成長した部分って何だろう？」
このように、「自分自身の価値観」や「これからどうしたいか」を考えるのも、リフレクションの大切なポイントです。
デブリーフィングとリフレクションの違いを整理すると？
| デブリーフィング | リフレクション | |
|---|---|---|
| 目的 | 事実を整理し、次の行動につなげる | 内省を深め、自己理解を高める |
| 対象 | 特定の出来事や活動 | 日々の経験やキャリア全体 |
| 実施方法 | チームや個人で対話することが多い | 個人でも行える |
| タイミング | 出来事の直後に実施することが多い | 直後〜長期的に行う |
| 内容 | 成功・失敗の要因分析、改善策の検討 | 感情・価値観・気づきの整理 |
デブリーフィングは「次のために学ぶふりかえり」
リフレクションは「自分を深く知るためのふりかえり」
と解釈して良いと思います。
どちらがビジネスの場で有効なのか？
結論から言えば、どちらも必要です。
例えば、企業研修の場では、デブリーフィングを使って「学びを整理し、行動につなげる」ことが大切です。一方で、リーダーや管理職には、リフレクションの習慣を持つことで「自分の価値観やリーダーシップのあり方を考える」ことが求められます。
あくまでも一例ですが、職場での活用例として以下のような使い方があります。
- 研修やプロジェクトのふりかえり → デブリーフィング
- 1to1やコーチングの場 → デブリーフィング＋リフレクション
- 自己成長やキャリア形成 → リフレクション
上手く組み合わせることで、組織の学びが深まり、個人の成長にもつながります。
両方を活用しよう
デブリーフィングとリフレクションは、一見似ているようで目的が異なります。
チームや組織での学びを深めたいなら「デブリーフィング」。
個人の気づきを増やし、成長につなげたいなら「リフレクション」。
どちらか一方だけを取り入れるのではなく、場面に応じて使い分けてみるのがいいかもしれませんね。
私自身、1日の終わりにはリフレクションをすることが多いですが、チームで何かをふりかえりときはデブリーフィングを意識しています。
また、PDCAを回すときは、デブリーフィングをします。
皆さんの職場では、どのようなふりかえりをしていますか？
もし「何となくふりかえりをしているだけかも…」と思ったら、今回の内容をヒントに、ふりかえりの方法を少し見直してみるのもいいかもしれません。
今日の学びが、明日の成長につながりますように！
※明日の投稿も同じテーマで、内容を深めていきます！
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