
効果的な意思決定を支える行動力とは
「会議で決まったのに、誰も動かないんですよね」
意思決定は「決めること」だけで終わりません。
そこから「動くこと」が伴って、はじめて意味を持ちます。
けれども、実際の現場では「決めたけれど、動かない」または「決めたけど、やっぱり不安でやめてしまう」といった場面もよくあります。
私自身も、「これはいける!」と思って動き始めたものの、途中で思わぬ壁にぶつかって進めなくなった経験があります。(結構、たくさんある😰)そのときに必要だったのは、“勇気”と“再調整する柔軟さ”だったと思います。それが学べてよかったです。少なからず今に生かしています!
つまり、何が言いたいのか、というと
リーダーに求められる行動力とは、「一歩踏み出す勇気」と「軌道修正する柔らかさ」の両方を持っていること。意思決定をただ「通す」ことではなく、「進めながら整えていく」行動の積み重ねが、チームに安心感を与えていくのだと感じます。
リーダーが把握すべき経営環境の変化
経営環境は、「変わらないもの」のように見えて、日々じわじわと変化しています。
最近では、テレワークの普及、若手社員の価値観の変化、さらにはAIによる業務自動化など、10年前とはまったく違う景色が広がっています。
たとえば、以前は「すぐに行動するフットワークの軽さ」が評価されていましたが、今は「情報を集めたうえで、他者との調整ができる人」が評価されるようになってきているように思います。
私が関わったある企業では、ある管理職の方が「昔のやり方」が通用しないことに戸惑い、「指示が通らない」と感じていました。実際には、部下が「なぜそれをやるのか」がわからず、納得できていなかった状態でした。
このようなズレを埋めるには、リーダー自身が“今の組織風土”や“部下世代の価値観”を学び続ける必要があります。「変化をキャッチするセンサー」を持ち続けることが、的確な意思決定の土台をつくると思います。
信頼関係の構築と維持に必要な要素
意思決定や行動には、「信頼」が欠かせません。
どんなに正しい判断でも、「あの人が言うならやってみよう」と思ってもらえなければ、組織は動きません。
私がこれまでに見てきた“信頼されるリーダー”に共通していたものを3つにまとめてみました。
- 決めたことをやり抜く責任感
- ミスや変化に対応する柔軟さ
- 言葉と行動にズレがない一貫性
特に3つ目の「一貫性」はおもいのほかリーダーシップでよく耳にするフレーズです。
そしてこれは、「周囲に見られているもの」です。「部下には“休め”と言っておきながら、上司自身は休まない」ようなケースでは、信頼はなかなか育ちません。
ある企業の研修で、こんな声がありました。
「うちの課長は、ちょっとしたことでも“ありがとう”を欠かさないんです。だからこちらも応えたくなる」このような日々の“見えにくい行動”が、信頼という見えない土台をつくっているのだと思います。実は、この時、わたしも感化されました。それ以来、「ありがとうございます」という感謝の気持ちをその場ですぐに言葉にするようになりました。
リーダーに必要なのは、「決める力」と「動き続ける力」の両方です。
そのためには、「自分の判断の前提が古くなっていないか」「今のチームにはどんな風土があるか」といった“自分を点検する習慣”が役に立ちます。
そしてもう一つ。
行動の力を支えているのは、リーダーとしての「在り方」そのものです。
決して完璧でなくてもいい。
「考えながら動く」「動きながら修正する」
その積み重ねが、部下の信頼を育て、チームを前に進めていく力になるのだと、私は思います。
