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部下のひと言に救われたあの日

意外なタイミングで心に響く“ひと言”はやってくる

忙しい日々の中で、ふとした瞬間に心を打つ言葉をもらうことがあります。
それは、予想もしないタイミングでやってくるものです。

私が忘れられないのは、あるプロジェクトが行き詰まり、私自身も疲れ切っていたときのことです。メンバーも黙々と作業を続け、職場の空気もどこか重くなっていました。

そんなとき、チームの若手メンバーが何気なく言ったんです。
「でも、私たちはここまでこれたのは、まるこさんのおかげです。もう少し頑張ってみますね。」

たったそれだけの言葉でしたが、その瞬間、肩に乗っていた重さがふっと軽くなったように感じました。リーダーとして常に強くいなければと思っていた私が、部下のひと言に支えられた瞬間でした。
ちょっと涙が出るじゃありませんか。

「その言葉がなぜ心に残ったのか?背景にある関係性」

なぜ、その言葉が心に深く残ったのかを振り返ると、そこには普段から築いてきた関係性がありました。私は彼女の成長を楽しみにし、できるだけ受け取りやすいフィードバックを心がけていました。もちろん完璧なリーダーではありませんし、時には厳しいことも言いました。

それでも、日々の小さな対話や、困ったときに支え合った積み重ねがあったからこそ、彼女は私にあの言葉をくれたのだと思います。
その言葉は、ただの励ましではなく、これまでの関わりがあったからこそ心に響く“メッセージ”だったのです。

もしかすると、部下の何気ないひと言に感動する背景には、長い時間をかけて築かれた信頼があるのかもしれません。

「部下の言葉から気づいた、リーダーとしての新しい視点」

この経験から気づいたのは、リーダーだからといって常に“与える側”でなくてもいいということでした。
部下を支えるだけでなく、部下から支えられることもある。リーダーとメンバーの関係は、双方向で支え合うものなのだと感じました。

素直に差し出し、素直に受け取る。そこに豊かさのある関係が生まれるのだと思います。

リーダーは孤独で、常に強くなければならない。そんな思い込みも、あのとき少しずつほどけていきました。

そして改めて思ったのは、メンバーの視点や感性には、リーダーが見落としがちな大切な気づきが詰まっているということです。
メンバー同士のほうが私よりお互いをよく知っている部分もありますし、時には私が示した方向性について、新しい視点をもたらしてくれることもありました。

経験や立場が上だからといって一方的に導くのではなく、互いに学び合う姿勢を忘れないことが大切だと感じました。

「言葉の力を信じる――リーダーも、部下に学び続ける存在である」

部下のひと言が救いになることがあります。
そして、その言葉が心に届くのは、普段からの関係性があるからこそです。

リーダーであっても、完璧である必要はありません。
凸凹の一人の人間が担うリーダーという役割を、同じく凸凹を抱えるメンバーたちと共に進めていく。それがチームの実際の姿なのだと思います。

日々の仕事を通して、リーダーは部下を育てる立場でありながら、同時に部下から育てられる存在でもあります。メンバーからの言葉に耳を傾けることで、自分自身のリーダーシップも少しずつ深まっていくのだと、あの日の経験が教えてくれました。

もしかしたら、あなたのチームにも、今この瞬間、何か大切なひと言を届けようとしている部下がいるかもしれません。その声に、どれだけ耳を澄ませられるでしょうか。

この記事を書いた人

marco

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