
■ 質問で場をあたためる
会議や研修で「今日はなんだか発言が少ないな…」と感じる瞬間、ありますよね。シーン…とした空気に耐えるのは、進行役にとってなかなかの試練です。そんなとき頼りになるのが“質問力”。よい問いは、まるでカフェで差し出された温かいコーヒーのように、場をほぐし、発言を引き出してくれます。そして、意見がぶつかったときには、合意形成という次の一手が必要になります。
■ 実践的な質問と合意形成の工夫
1. オープンクエスチョンで空気を揺らす
「どう思いますか?」「気になることはありますか?」
そんな答えが一つに決まらない問いを投げると、参加者の思考が自然に広がります。
沈黙続きの場でも、誰かが「そういえば…」と口火を切ってくれることが多いものです。
2. 具体例を求めてリアルにする
「それはどんな場面で感じましたか?」「たとえば、どういうケースでしょう?」
意見がふわっとした抽象論から、臨場感のあるエピソードに変わり、議論がグッと血の通ったものになったります。
3. フォローアップで会話にリズムを
一度きりの発言で終わらせず、「今のお話を聞いて、他の方はどう感じますか?」と投げかけると、ボールが次々に回っていきやすくなります。すると、「あ、ちゃんと聞いてもらえているんだ」という安心感も広がり、場が少しずつ和やかになっていきます。
4. 合意形成には“共通項探し”を
意見が分かれるのは、むしろ健全なこと。
その上で、そのままでは終われません。
だから、「両者に共通している点は?」「この場の目的に照らすと、どこに落としどころがある?」と視点を切り替えると、対立が“袋小路”から“新しい道”に変わります。
■ 問いで場を動かす
良い問いは、場をあたため、思考を広げ、対話を前に進めます。そして合意形成を意識することで、議論は「ただ話した」から「次につながった」へと変わります。沈黙におじけづく必要はありません。むしろ「よし、ここで一つ投げてみよう」と思えたら、その瞬間からあなたは“沈黙ブレーカー”です。
