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フィードバックと私のあいだにあるもの

あるワークショップでファシリテーターを務めたときのことです。
その場で話し合われている内容を十分に把握しきれず、「コンテンツそのもの」を扱うのは難しいと感じていました。

一方で、メンバーの発言の傾向やグループの雰囲気、プログラム全体の流れは理解できていました。
そこで私は、「何が話されているか」よりも、「グループの中で何が起きているか」に焦点を当てて進めることにしました。

これは、私が学んできたファシリテーションの基本に基づく判断です。

たとえば
「沈黙を尊重」すること。

沈黙にはいろいろな意味があります。
考えを深めている時間かもしれないし、言葉を探している時間かもしれない。
だから私は、一定の沈黙を大切にしながら場を進めるよう心がけています。

ところがその日、20秒ほどの沈黙について、こんなフィードバックを受けました。

「会話でつないだほうがよかったのでは」
「迷っているように見えた」

意図を持って選んだ行動への指摘でした。

頭では理解できました。
「なるほど、そういう見え方もあるのか」と。

けれど同時に、少しだけ不快感も残りました。
自分なりに考えて実践してきたことが、違う価値観で評価されたからです。

しかし、ここで私は、ひとつ決めました。

「改善できることは改善しよう」

その日の場が難しかったのは事実です。
だからこそ、自分の課題として受け止めようと思いました。

でも、もうひとつ、止められない気持ちも顔を出します。

それは、
「良いフィードバックをなかなか受け取れない」という感覚です。

これはとても主観的な感覚だとわかっています。
それでも、最近そう感じる経験が続いているのも事実でした。

同じ場で、他の人には温かい言葉が向けられているのに、
自分には厳しい言葉ばかりが返ってくるように感じる・・・。

そんな状況が重なると、どうしても心は揺れます。

「ここは、自分が学んできたファシリテーションとは違う世界なんだ」

そう理解しようとしても、
なかなか気持ちが追いつかないことがあります。

それでも最近、少しだ落ち着きました。

フィードバックは「正しい答え」ではなく、
その人の価値観や期待を映した“ひとつの見方”にすぎないのだ、と
考えるようになったからです。

そう考えると、

  • 受け取るもの
  • 受け流すもの
  • 次に活かすもの

を、もう少し冷静に選べる気がしてきます。

いま、少し疲れているのだと思います。
仕事がしんどいと感じる日が続きます。

そんな中でも仕事ができるのは、
この出来事はきっと、私にとって大切な学びの入り口でもある、
その考えが、たびたび湧くからです。

この点、ファシリテータートレーニングを受けた賜物でもあると思います。

フィードバックに振り回されすぎず、
自分の軸とどう折り合いをつけていくか。

それが、いまの私のテーマです。

皆さんは、「フィードバック」とどんな距離感で付き合っていますか?

私はときどき、こんなふうに聞かれます。
「どうして、そんなふうに考えてしまうの?」

先日、その言葉を思い出すような出来事がありました。

あるワークショップでファシリテーターを務めたときのことです。
その場で話し合われている内容が、正直うまく聞き取れず、理解も十分に深まっていないと感じていました。そのため、「コンテンツそのもの」を扱うのは難しい状況でした。

でも、メンバーの発言のパターンや傾向は見えていました。
プログラムの進行も理解できていました。

だから私は、「何が話されているか」よりも、「グループの中で何が起きているか」に焦点を当ててファシリテーションを進めることにしました。

それは、私がこれまで学んできたファシリテーションの基礎に基づく判断でした。
たとえば
・沈黙を大事にすること。

沈黙には、その組織ごとにさまざまな意味があります。
考えを深める時間かもしれないし、戸惑いの表れかもしれない。
だから私は、ある程度の沈黙を尊重しながら場を進めます。

ところがその日、20秒ほどの沈黙についてこんなフィードバックを受けました。

「会話でつないでいくべきだったのではないか」
「その沈黙は、あなたが迷っている、わかっていない人という印象を与えるよ」

他にもいくつかの指摘を受けました。
いずれも、意味を持つ(意図を持ってしている)やり方に対するフィードバックでした。

その上、結果として、そのワークショップは15分オーバーしてしまいました。

意図を持った行為(ファシリテーション)へのフィードバックに対して、
相手の言わんとすることを受け入れることはできましたが、
不快感が残りました。

そこで私は考えました。

「改善すべき点があるのだろう」と。
それさえ手にすれば、取り組めるから考えるのはやめて取り組みを開始しよう。

こう思えたのは、その日のファシリテーションは
自分でも「難しい場だな」と感じたからです。
私の課題があるのだという視点で考えることにしました。

さて、ここで「止められない考え」が登場します。
それは「毎回この種のフィードバックには悩まされる」ことです。

というのは、今回も私は「良いフィードバック」を受け取ることができないからです。

……いえ、「毎回」は言い過ぎかもしれません。
とても主観的と思います…。

それでも、そう感じざるを得ない経験が最近は続いています。

他の人は褒められるのに、私だけは褒められない。
褒められないどころか、名指しこそされないけれど、明らかに私の行為について「あれは問題だったのではないか」と指摘されることもある。

おそらくそれは、私個人の問題だけでなく、その団体の価値観とも関係しているのでしょう。
(同じ現場でのことなので)
その価値観に合わないファシリテーションをしている私は、評価されにくいのかもしれません。

一方で、「それってファシリテーション?いいの?」と
感じる進め方をした人に対して、
同じ人が
「勇気のある言動だったよ」
「よく言ったね!」
「しっかり引っ張っていたよ」
「素晴らしい」というポジティブな言葉が向けられているのを目にします。

「ここは、自分が学んできたファシリテーションとは違う世界なんだ」
と、認識しようと何度も思いました。でも、正のフィードバックがまったく返ってこない状況に心が引っ張られてしまい、私はどうしても中立に受け止めることができずにいます。

こんな自分は小さい人間なのか。
もっと大人にならなければいけないのか。

そう自問しながらも、
やはり嫌なものは嫌。

こうしたことが重なり、
私は今の仕事に対して少しずつ憤りを感じるようになってしまいました。

私にも原因はあると、頭ではわかっています。

けれど、あまりにもプラスのものを受け取れない日々が続く中で、自己評価はどんどん下がり、負のスパイラルに入り込んでしまいました。

正直に言えば、仕事への意欲を失い、ここからどう這い上がればいいのかという心境です。
それを考えること自体が、また私の大きなテーマなのだと思います。

当面は、ただひとつ。
「この仕事を続けるのがしんどい」という気持ちが強い。

この気持ちをどう切り替えていくか。
いまの私にとって、それが一番大きな課題です。

この記事を書いた人

marco

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