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上手に「考える」

昨日は、「考えているつもり」が必ずしも前に進む思考ではないこと、
と、
反すうが脳の内向きのネットワークに偏った状態であること、
を書いてみました。
では、そこから抜け出し、実際に前へ進む思考とは?

これについては、わたしも実践したくてしたくて、なのですが、
まだ成長中の身です。

中央実行ネットワークと呼ばれる脳の働きがあるそうです。

これは、注意を向ける、判断する、情報を一時的に保持する、行動を選ぶといった、
「脳の司令塔」のような役割を担っているのだとか。

(わたしは脳科学の専門家ではないので、本で読んだり、講演会で聞いた知識なので、正確なところは調べてみてくださいね)

仕事で言えば、
会議室で堂々巡りをしているだけではなく、
最後に「では、これでいきましょう」と決めて動き出す、
そんな機能と言えると思います。
脳にも、その役が必要らしいのです。

健康な人はこの実行機能のネットワークを
比較的安定して維持できる一方で、
抑うつ傾向がある場合は、
その状態が短く、不安定になりやすいと聞きました。

つまり、質の高い思考とは、
単にたくさん考えることではなく、
必要なときに実行機能をしっかり働かせられること。
わたしはこのように解釈しました。

その先の理想的な状態として示されていたのが「フロー」でした。
何かに深く集中し、時間を忘れるように取り組んでいる状態のことです。

スポーツでも、仕事でも、文章を書くときでも起こり得ます。
わたしも、夢中でプログラムを作っているときは、こうしたラーニングハイのような状態に入ります。

うまく乗っているときは、余計な自己批判が入りにくく、
考えと行動が自然につながっていきますよね。
あの状態です。

「今日は妙に手が進む」という日は、
脳内でもそれなりに良いことが起きています。

このとき脳では、
一部の前頭葉の活動が一時的に抑えられる現象が生じる、と考えられているそうです。

自己意識や過度な自己監視が弱まり、
目の前の課題に集中しやすくなるのです。

いつもなら「これで合っているかな」「変に思われないかな」と
横から口を出してくる“脳内の小うるさい係”が、
少し休憩に入るようなものかもしれません。

そのぶん、思考はなめらかになって、
創造性や判断のスピードが高まる、というわけ。

ここで重要だと思ったのは、
「集中」は根性論ではない
ということでした。

集中は、
暴走しやすい内向きの思考から自分を守るための、
生物学的な防衛でもありますから、
反すうに飲み込まれそうなときほど、
目の前の作業に意識を戻すことには意味があります。

ただの気分転換ではなく、
脳のネットワークを切り替える働きがある、というわけ。

では、どうすれば
その切り替えが起こりやすくなるのか?ってことが知りたいわけですが。

ここで役立つのが、
先日書いた
・認知行動療法
・マインドフルネス
だそうです。

自分の考え方の癖に気づき、言葉にし、より現実的な見方へ整えていく認知行動療法、
反すうに傾きやすい状態から、
言語や実行機能に関わるネットワークへの移行が強まりうる
ということです。

「書き出す」「言葉にする」「事実と解釈を分ける」といった作業は、
脳の回路の使い方を変える練習でもあるのですね。
頭の中だけで考えていると、思考は案外すぐに同じところへ戻るものですが、
けれど、言葉として外に出した瞬間に、
別の回路を使い始めるようなのです。
紙に書くだけで少し落ち着くのは、気のせいではないようです。

マインドフルネスも、
呼吸や身体感覚に意識を向ける練習は、
注意を「今ここ」に戻す力を育てます。

わたしは、ビパッサナー瞑想の実践をしますが、
ストレス反応を和らげ、感情に巻き込まれすぎずに
自分を観察する力を養うことにもつながっています。

派手さはありませんが、
こういう地味な積み重ねが、
脳の“足腰”をつくるスクワットみたいな感じなのかもしれません。

要するに、思考にも、基礎体力がいるって話ですね。

考えることは才能ではなく、鍛えられる技術です。
反すうに引っ張られたとき、どの回路を使い直すか。
その選び方は、少しずつ学ぶことができます。

この「考える力」が個人の中だけで完結するものではなく、
教育や社会の中でどう育ち、どう活かされるのか。
明日はそんなテーマで書いてみようと思います。

この記事を書いた人

marco

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