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怖い「運動不足」

「運動したほうがいいとは思っているんですけどね」研修や1to1でも、こうした声を耳にすることがあります。

多くの人は、運動が健康や脳に良いことを知っています。
それでも続かない。

これは、単純に「意志が弱いから」なのでしょうか。

社会的促進(social facilitation)

社会心理学には、
「社会的促進(social facilitation)」という概念があります。

人は、誰かの存在によって行動量が変わる、という現象です。

一人では続かなかったことが、
誰かと一緒だと続く。

逆に、周囲に運動習慣がない環境では、
自分だけ始めることに、
どこか気まずさを感じることもあります。

つまり私たちの行動は、
「個人の意思」だけで決まっているわけではなく、
“周囲との関係性”にかなり影響を受けているのです。

これは職場でも似ています。

たとえば、
「早く帰っていいよ」と言われていても、
周囲が残業していると帰りづらい。

「休んでいい」と言われながら、
休暇取得者が少ない職場では、
自分だけ休むことに心理的負担が生まれる。

人は、集団とのズレに敏感です。

社会心理学でも、
人には集団へ同調する傾向があることが知られています。

つまり、
「健康に良いかどうか」だけでは、
人は必ずしも動けない。

“その場で浮かないか”
を無意識に見ていることがあるのです。

すごい!空気の影響力

私は、ハラスメント相談や組織支援の現場で、
この「空気」の影響力を何度も見てきました。

たとえば、
疲弊感が広がっている職場では、
前向きだった人まで徐々に元気を失っていくことがあります。

誰も雑談しない。
ため息が増える。
昼休みも静か。

こうした状態が続くと、
場全体のエネルギーが落ちていく。

ここには、
「情動感染(emotional contagion)」という心理学的な現象も関係していると言われています。

情動感染(emotional contagion)

感情は、知らないうちに周囲へ伝わります。

不安も、
緊張も、
安心感も、
実は“うつる”のです。

だから私は、
運動習慣を考えるときも、
「何分運動するか」だけではなく、
「どんな関係性の中で暮らしているか」
を見ることが大切なのではないか、と感じています。

たとえば、

・一緒に散歩する人がいる
・少し身体を動かすことが自然な空気になっている
・疲れを口にしてもよい雰囲気がある

こうした“行動を支える関係性”は、
行動継続に大きく影響します。

これは研修でも同じです。

セミナー直後は、
「やってみよう」と思う。

しかし職場へ戻ると、
元の空気に引き戻されてしまう。

すると、
学んだ内容以上に、
“集団の規範”のほうが強く作用することがあるのです。

もちろん、
これは私自身の現場経験を通じて感じている部分もあります。
(つまりわたしの経験則、ってわけですね)

ただ少なくとも、
人の行動変容は、
本人の努力だけで説明しきれないことが多いように思います。

だからこそ、
「続かない自分」を責める前に、
“ひとりで頑張る前提”を少し緩めてみる。

それも、一つの方法かもしれません。

人は、
環境や関係性の影響を受けながら生きています。

だからこそ、
人間関係や場の空気を整えることは、
行動継続のための、
とても現実的なアプローチなのだと、
私は感じています。

ま、なんでこんなテーマで書いたか、っていうと
わたしは今、
仕事をしながら、
社会人大学のレポート作成5本と、
6月末の資格試験の取得勉強に追われている身であり、
ついだらけてしまう自分への応援メッセージって意味もあるわけでして😰

この記事を書いた人

marco

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