変なタイトルですね😰人のせいにするのはもはやリーダーシップではないのですが…
他方で、大変よく見かけますし、個人的にも「してしまっていた」ので、こんなタイトルにしました。
日常の業務の中で、こういう場面に遭遇したことはありませんか?
「お前たちが指示通りに動かないから!」
「納期に間に合わせようという気がないんだ!」
リーダーが思わず言ってしまうこれらの言葉に、チームはどんな影響を受けるでしょう。
今回のコラムでは、「人のせいにしないリーダーシップ」について、私自身の経験も交えながらお話しします。
リーダーが抱える最大の誤解:「部下は私の手足だ」
「リーダーは指示を出せば、部下はその通りに動く」。
もしもそうした考えがどこかにあれば、それは大きな誤解のひとつでしょう。
かつて私は、その一人でした💦。
メンバーが予定通りに動かないと感じたとき、思わず「どうしてできないの?」と責めてしまったことがあります。しかし、冷静に考えてみると、彼らは自分なりに努力していたし、そもそも指示が曖昧だったことが原因でした。
リーダーの役割は、ただ指示を出すだけではありませんが、「なぜこの指示が必要なのか」「何を目指しているのか」をチーム全体が理解し、納得するプロセスを作ることが求められます。
部下はリーダーの「手足」ではなく、一緒に成果を生み出す「チームの一員」なのです。
部下が動かないのは「やる気のせい」ではない
「やる気がないから動かない」。リーダーがこう考えてしまうのは、とても危険です。
わたしとしては、育成の場面で「やる気」という曖昧な概念(感情)を持ち出すのは危険だという思いもあるので、そうした側面も含めてのテーマですが、
実際のところ、やる気ではなく次のような理由が背景にあって部下が動かないということが考えられます。
- 指示が曖昧で何をすればいいかわからない
- 優先順位が見えず、混乱している
- 過去の経験から「意見を言っても無視される」と感じている
ずいぶん昔ですが、あるプロジェクトでメンバーの動きが遅く、私は「モチベーションが低い」と判断してしまいました。しかし、後で分かったことは、具体的なゴールが不明確で動けない、ということでした。メンバーの行動を表面的に捉えるのではなく、背景にある課題を見つけることの重要性を学びました。
「部下のせい」発言でチームの士気がどう下がるか
〜「責任転嫁」が生む負のスパイラル〜
「お前たちがミスをしたから納期に遅れた」
この一言が、チームの行動意識にどのような影響を与えるか、ぜひ想像してみてください。
確かに、誰かのミスが原因で納期が遅れたという事実はあるかもしれません。しかし、それはあくまで「遅れたきっかけ」にすぎません。本質的には、納期が遅れないように事前に必要な対策を講じていなかったことが問題ではないでしょうか。つまり、「何が起きてもおかしくない状況」で、起こるべきことが起こったに過ぎないとも言えます。
この視点で考えると、「お前たちがミスをしたから納期に遅れた」という発言は、責任を部下に押し付けた「責任転嫁」と捉えてもよいでしょう。
責任転嫁をすると、以下のような負のスパイラルが生まれます。
- 部下が「責められるのが怖い」と感じ、消極的になる
- チームの雰囲気が悪化し、さらにパフォーマンスが低下する
- リーダー自身の信頼も失われる
私もかつて、メンバーのミスを指摘することで責任を押し付けてしまい、結果的にチーム全体の動きが鈍くなった経験があります。そのとき、メンバーから怒りをぶつけられました。いい加減にしてほしい!と。ハッとしました。
リーダーの発言ひとつで、チームの雰囲気が大きく変わることを痛感しました。
部下を責めず、リーダーとして成長するために大切な視点
リーダーとして「人のせいにしない」ためには、どのような視点を持つべきなのでしょうか?ここでは意識しておきたい3つのポイントをご紹介します。
1. 自分の指示や環境を振り返る
部下が思うように動かない場合、まずは自分の指示が曖昧ではなかったか、環境に改善の余地がないかを振り返ることが大切です。明確な指示が不足していたり、必要なサポートが欠けていたりすると、部下が動きづらくなってしまいます。
2. 部下の声に耳を傾ける
部下が抱える課題や障害を、彼らの目線で考える姿勢を持つことが重要です。直接話を聞くことで、「実はこれが原因で進められない」という新たな視点が見つかることがあります。リーダーとして、一方的に判断せず、双方向のコミュニケーションを意識しましょう。
3. 成果を「一緒に」目指す意識を持つ
リーダーは単なる監督者ではなく、チームの一員として共に成果を目指す存在です。この意識を持つことで、部下は「リーダーが一緒に支えてくれる」と感じ、主体的に動きやすくなります。
これら3つの視点を実践することで、リーダーとしての信頼が高まり、チーム全体のパフォーマンスも向上していきます。責任を他者に押し付けるのではなく、自分の行動を見直すことで、リーダー自身の成長にもつながります。
自分の課題に取り組む
リーダーが「部下のせい」「環境のせい」にしている限り、チームは決して成長しません。むしろ、リーダー自身が「どこを改善すればよいのか」を考え、行動することで、チーム全体が前進する道が見えてきます。
私たちは自分がコントロールできることにしか着手することはできません。
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これから先「どうして部下が動かないのだろう」と思ったときは、「自分に何ができるか」を振り返ってみる。それが、リーダーシップだろうと思います。
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