
日本中のリーダーが悩んでいること⑧チームワーク強化
「うちのチーム、もう少しまとまりがあれば…」「会議で発言が少ないのはなぜ?」
そんな悩みを抱えているリーダーの方へ。
個々のスキルは高いのに、チームとしての一体感が生まれない。
あるいは、研修を実施しても、実際の業務でうまく活かされていないように感じる。
こうした悩みを解決するには、単なるスキル研修だけでなく、「チームワーク」を意識したプログラムが必要ではないでしょうか。
チームの結束力を高め、自然にコミュニケーションが活発になって、引いては仕事の効率や成果の向上に繋げるために、どのような研修が効果的なのでしょうか。
今回のテーマは、チームワーク強化のための研修プログラムです。
効果的な研修プログラムの設計

研修を企画する際、多くの企業では「どんなスキルを身につけるか」に注目しがちです。
しかし、チームワークを強化することを目的として「どうすれば学びを実践につなげられるか」を重視する必要があるでしょう。
たとえば、よくある座学中心の研修。
講師の話を聞き、ワークシートを埋めて終了。受講者は「いい話だったな」と思いつつ、翌日には日常業務に追われて忘れてしまう…。これでは、せっかくの研修も効果が半減してしまいます。
そこでおすすめなのが、「体験型」の研修です。
例えば、チームで協力して課題を解決するワークショップを取り入れると、メンバー同士のコミュニケーションが活発になります。ある企業で実施した「制限時間内にモデルと同じブロックを作成する実習」では、最初、意見がバラバラでしたが、役割を明確にしたり、アイデアを共有したりするうちに、徐々にチームの結束力が強まりました。
実際に体を動かしながら「チームで成果を出す体験」をする。
それによって、チームワークの重要性を実感できます。
研修内容を決める際は、「この経験が業務にどう活かせるか?」を意識すると、より実践的なプログラムになるでしょう。
研修後の印象より、効果があったかどうか

研修が終わった後、「いい研修だったね」と満足して終わっていませんか?
研修の印象は直後にコメントできますが、良かったかどうかはある一定の時間が経過してからわかるはずです。なぜならば、効果があった研修はよかった研修だし、効果が得られなかった研修は、よかった研修とは言えないのではないかと思うからです。
では、研修の「効果」をどのように測ればよいのでしょうか。
ポイントは、学んだことが実際の業務で活かされているかを確認することです。例えば、研修後に「研修内容を取り入れた業務改善を1つ実施し、その結果をチームで共有する」といった仕組みを作ると、研修の実践度を把握しやすくなります。
ある企業では、研修終了後に「学んだことを3つチームで実践する」というルールを設けました。さらに、1カ月後には簡単な報告会を実施し、「実践してみてどうだったか」「うまくいったことや課題に感じたこと」を共有する場を設定。この取り組みで、研修参加者の業務への落とし込み意識が高まり、職場での行動が変わったという報告が増えました。
また、フォローアップの方法として、定期的な1to1ミーティングも有効です。
「研修で学んだことを業務で活かせているか」「チーム内でどのような変化があったか」などを、上司やメンバー同士で話し合い、学びを継続的に深めることもできます。
現場での実践を通じたスキル向上

研修で学んだことを「実際の業務で使えるかどうか」は、チームワークも関係しています。具体的には日常の仕事の中で、自然と実践できる仕組みをつくることです。例えば、会議での発言が少ないチームなら、「毎回1人ずつ、最近の気づきをシェアする」というルールを設けてみるのも一つの方法です。最初はぎこちなくても、続けるうちに発言しやすい雰囲気が生まれ、コミュニケーションが活発になります。
チーム内で、お互いの小さな貢献や助け合いを言葉にして伝える場を作るのも効果的です。例えば、「この前の資料作成を手伝ってくれてありがとう!」といった感謝のメッセージをカードやオンラインツールで共有する仕組みを作ると、チームの雰囲気が良くなります。感謝を伝え合うことで、チームの結束力が自然と高まります。
このように、研修だけでなく、日常業務の中に「チームワークを強化する仕掛け」を組み込むことで、より効果的なチームづくりができます。
継続的な取り組みに
チームワークの強化には、言うまでもなく継続的な取り組みが欠かせません。
計画し、実行し、ふりかえる。これを構造化して、日常業務の中で自然と実践できる環境をつくることが大切です。
すぐに取り組める例としては、「どうすれば学びを活かせるか」を意識して「チームで意識的にコミュニケーションを増やす」「定期的に学びを振り返る場をつくる」など、どうでしょうか。

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