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リーダーの視点と目標設定

目標設定というと、どうしても「数値目標」や「KPI」のような硬い言葉が思い浮かびがちですが、実際には、リーダーの「語り口」や「目の向け方」ひとつで、メンバーの感じ方や行動の方向性が大きく変わることがあります。

ある研修の中での話ですが、「上司にこう言われてつらかった」という声がいくつか出てきました。たとえば「これじゃダメだよ」「もっと頑張って」など。どうやら“問題点”が強調されているようでした。
一方で、「ここまで来たね、じゃあ次はこうしてみようか」という言葉には、前向きな空気が生まれます。

今回は、「問題意識だけの立場」と「問題意識と希望を持っている立場」という2つの視点から、目標設定とリーダーシップについて考えてみたいと思います。

問題意識だけの立場での目標設定

問題意識は、リーダーとしてとても大切な視点です。
組織を良くしたい、現状を打開したいという思いは、行動の原動力になります。
ただ、そこに「希望」が伴わないと、どうしても指摘や批判のように受け取られやすくなります。

たとえば、「最近の売上、目標に届いていないよね。なんでこんなに落ちてるの?」といった言い方。事実を確認しているだけだとしても、受け取る側は「責められている」と感じやすいものです。

チームの改善点ばかりに目を向けて、「ここができていない」「ここを直して」と伝えれば伝えるほど、メンバーは静まりかえり、何となくギスギスした空気が漂うように…。これ、わたしの経験談です。今思えば、私は「問題を見つけることに酔いしれていた」のかもしれません😰

問題意識と希望を持っている立場での目標設定

一方で、問題を見つけた上で「その先に何を望むか」を伝えるリーダーは、メンバーの心に火を灯します。たとえば、こういう声かけをする、という課長職の方がいました。「売上が少し落ちているね。だけど、ここに力を入れればもっと良くなる気がするよ。せっかくなんで、今日の会議でみんなで一緒に作戦を考えよう」といった声かけ。「問題」にも目を向けつつ、「希望」もちゃんと示していると思いました。

「うん、よく見てるね。これがさらに良くなったら、チーム全体がもっとラクになると思わない?」と、問題はないけど更に未来に向けて語っていたセリフも聞きました。「あぁ、言葉の選び方って大事だな」と思いました。

「希望を語る」とは、楽観的な夢物語を語る意味で使用しているわけではありません。今ここにある現実に目を向けながら、その上で「こうなったらいいね」を描いていく。すなわち「可能性に目を向ける」という意味です。目標設定においてとても大切なのだと感じています。

どちらがよりメンバーの成長を促すリーダーか

問題だけを見るリーダーは、「正しさ」は伝えられます。
(わたし流の表現ですが)希望を語るリーダーは、「力」を引き出します。

正直に言えば、どちらが簡単かというと、問題を指摘する方がずっとラクです。目に見える「足りない部分」を拾っていけばいいからです。でも、それだけでは人は動かなくなってきているのが、いまの時代の特徴ではないでしょうか。

「今のままじゃダメだ」ではなく、「ここからもっと良くなる」と信じる姿勢を、私たちリーダー自身が持ち続けること。その視点が、メンバーの行動を少しずつ変えていき、やがて「自ら目標を描く力」へとつながっていくのだと思います。

わたし自身も、いつもできているわけではなく・・・😰です。つい問題にばかり目が向いて、つい厳しくなってしまうこともあります。それでも、「どんな未来を一緒に見たいのか」を問い直すことが、リーダーとしての原点だと、あらためて思うのです。


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marco

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