
こんなこと、ありませんか?
「会議での進捗報告が思わしくなかった時、ついつい「でも」と言い始めてしまう自分がいる。」「締め切りに間に合わなかった時、無意識のうちに言い訳を並べてしまう。」
おそらく多くの方にそうした経験があるのではないでしょうか。
私自身、研修中にファシリテーターとして参加者から厳しい質問を受けた時、つい言い訳めいた説明をしてしまうことがあります。(いや、それはダメでしょ、って話ですが)
実はこれは人間の自然な防衛反応なのです。
上司の質問一つで部下は言い訳を始める

事例です。
「なぜこの案件は遅れているの?」と尋ねると、担当者はすかさず「いえ、でも〇〇部門からの情報が遅れて…」と言い訳を始めました。この瞬間、その場の空気が変わりました。
部長の質問の意図は状況把握だったのに、担当者は無意識に「責められている」と感じ、自己防衛モードの返答でした。
脳科学的に見ると、これは非常に興味深い現象です。
私たちの脳は、自分の社会的立場が脅かされると感じると、瞬時に「闘争・逃走反応」を起こします。これは太古の昔から私たちを守ってきた生存本能なのです。言い訳は、この「逃走」の現代版なのかもしれません。
職場あるある

よく耳にするのが「うちの部署はこういう言い訳が多いんです」という声。
例えば
「今回だけは特別な事情で…」(いつも「今回だけ」と言っている)
「自分は指示通りにやっただけです…」(結果には責任を持たない姿勢)
「忙しすぎて手が回らなかった…」(時間管理の問題を外部要因にすり替え)
興味深いことに、言い訳をする本人は「正当な理由を説明している」と思っていることが多いのです。しかし、それを聞く側にとっては「責任逃れ」と映ることがあります。
この認識のギャップは、職場の人間関係を複雑化する一因に発展するかもしれません。
私自身の経験では、
あるリーダーシップ研修を実施した際に参加者から「なぜこの内容が現場で活かせるのか分からない」という厳しい指摘を受けました。その時、私は「いえ、これは多くの企業で実績のある内容なので…」と言い訳をしてしまいました。
しかし、読んでお分かりの通り、わたしはその方の本当の疑問に答えていません。
目的達成のための良い質問

では、どうすれば言い訳の連鎖を断ち切り、建設的な対話に変えられるでしょうか。
ここでは、「質問の仕方」を変えることをご紹介します。
質問は強力なツールです。
「なぜできなかったのか?」という問いは、相手を防衛モードに陥れがちです。
一方、「どうすれば次はうまくいくと思う?」という質問は、相手の思考を未来の解決策へと向けさせます。
私が研修で実践している質問をシェアします。
「この状況で最も助けになることは何だろう?」
「もし同じことが明日起きたら、どう対応する?」
「今回の経験から学べることはある?」
このような質問は、相手の思考を「言い訳モード」から「思考モード」「解決モード」へとシフトさせる力があります。
個人的に考えていることとしては、
言い訳は思考の習慣であ流、ということ。
そして、それは新しい思考習慣に置き換えることができるということ。
ですから、最初の一歩は、まず自分自身の言い訳パターンに気づくことだと思います。
そして、「でも」と言いたくなった時こそ、一呼吸置いて「では、どうすれば?」と考える。
これを繰り返すと習慣化してくるかもしれません。
職場の関係性は、このような小さな対話の積み重ねで
変わっていくものだなぁと改めて感じる今日この頃です。
今日も、元気にお仕事いたしましょう!
