
「なんだか忙しいけど、何をしていたか思い出せない」
そんな日が続いたことはありませんか?
一週間をふりかえって「今週、私は何を達成できたんだろう?」と自問したことがありますが、決して怠けていたわけではないのに、充実感が乏しい、と気づき驚愕(?)した経験があります。
何度かそういう経験をしたのち、ある答えに行きつきました。
「タスク化」が曖昧なまま日々を過ごしていた
という事実です。
タスク化とは、「やること」を“見える化”すること。
でも、ただToDoリストに書けばいいという話ではありません。
「いつ」「どこで」「どのくらいの時間がかかるか」まで見通せてこそ、行動に移せる準備が整ったと言えるのだと思います。
たとえば、「資料をつくる」というタスク。
これを「構成を考える(15分)→ 書き出す(15分)→ 音読する(15分)→要点を書き出す(15分)→PowerPointに落とし込む(40分)→過去の資料を確認する(15分)」と細かく書き出すだけで、一歩踏み出すハードルがぐっと下がります。
「やる気」の前に、「やる形」を整えることが、思考と行動の橋渡しになると思います。
習慣化するためのステップ
とはいえ、最初から上手にタスク化できたわけではなく、最初は「いちいち細かく書くのが面倒…」と感じていました。
そこで取り入れたのが、「一日の最初と最後に15分だけ書く」こと。
始業前に「今日やること」、終業前に「やったことと、やれなかったこと」を振り返る時間をつくることで、自然とタスク化の“筋トレ”になっていきました。最初はこの15分も30分かかったり、するのを忘れたりしましたが、当時はスケジュール帳(紙媒体)にその予定を入れて、取り組みました。
特に終業前の15分は、翌日の予定と頭の中を整える大事な時間になります。
自己管理とメモの重要性
タスク化の前提には、「自分の状態を知ること」があることもわかってきました。
たとえば、私の場合、「午後1時半に集中力が切れやすい」という傾向があります。
そこに重たいタスクを入れてしまうと、進まずにモヤモヤする。
だからこそ、あえて軽めの作業や確認業務を午後一番に回すようにして、「自分の集中パターンに合ったスケジューリング」を意識しています。
その気づきのために役立ったのが、手帳に残した“ささいなメモ”でした。
「今日は午前に進んだ」「会議後に集中力が落ちた」など、振り返りのヒントになる記録です。
あと、終わったタスクには、横線を入れて、幾つ完了させたか、一目でわかるようにしました。
ビジネスの世界ではデータ分析が重要と言われますが、自分の行動データこそ最も活用しやすい資源かもしれません。
業務効率化のための改善ポイント
わたしは個人事業者としてずっとやってきたので、タスク化は“自分のため”という意識で思っていましたが、実際には取引先様とのやりとりもありますので、“チームのため”にもなる、と思っています。
たとえば、会社の中では、上司が部下に「来週までにまとめて」と依頼するとき、期日と成果物だけでなく、「途中経過のチェックポイント」も伝えるようにすると、作業の質も進行状況も見えやすくなります。
また、「見通しのないタスク」は、どんな人にとっても心理的な負担になります。
「ゴールまでの階段」を一緒に考えることが、結果的に部下の育成になり得ます。
忙しいときほど「立ち止まって整理する時間」を惜しみがちですが、あえて少しの見取り図を描く時間をとっておくと、結果として遠回りを防げることも多いというのが実感です。
わたし自身も、いまだに「やることの見える化」が不十分な日にはあたふたすることもあります😰。
でも、そんな時は、リスタート!です。
やり直せばいいのです。
「今の自分に合ったタスク化の工夫」、ぜひ探ってみてください。
それが、思考の癖を少しずつ整え、
チームにもよい循環を生み出していく一歩になるのではないでしょうか。
