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イライラを“センサー”に変えるEQの知恵(1)

「評価」と「立場の明示」を切り分ける

予期せぬイライラとの遭遇

人と一緒に働く場では、予期しないイライラに出会うことがあります。

私自身、つい最近そんな経験をしました。
同じ集まりで日々顔を合わせるAさんです。

その日、私はすでに複数の方々の予定を調整し、微妙な10分のずらしを工夫して「14時10分〜15時10分」というミーティングの時間を確保していました。

さて、その週の月曜日に、わたしはAさんが同じメンバーを集めた会議を15時から入れていることに気づき、「被るので調整してほしい」とお願いしました。

ところが返ってきた言葉は、

「いや、むしろそっちが変えた方がいいんじゃないですか」。

オンラインでのミーティングで10分という休憩を確保したいという気持ちがあった私に対し、Aさんにとっては14:10〜15:10という時間は半端に思えたのかもしれません。

その時、その瞬間、

頭の中でカチンと音がしました。

なぜなら、

後から予定を入れてきたのは相手なのに、こちらが変えるべきだと言われた、と思考をしたからです。関係者の都合を考えて入れた試みと配慮の気持ちを、尊重されていないように感じました。

「ディスカウントされた」ような感覚

今思い起こしてみると、一番嫌だと感じたのは、私の依頼を受け取る余地すらなく、自分の主張だけを返してきたその態度だったように思います。

「こちらの事情を聞こう」という姿勢が見られず、一方的に押し返される感覚。これは、相手からの“ディスカウント”、つまり存在や意見を小さく扱われる経験に近いのかもしれません。

今回の出来事は、積み重ねの延長にあったことも、「とうとう、カチンときた」になったように思います。

結果的に私は、不快な思いのまま、自分の考えを引っ込めることにしました。(私のいつものパターンです・・・)会話の最後には「もういいや」という投げやりな気分になってしまい、自己嫌悪すら感じました。

EQの視点で見直す

こうした相手にどう対応するか。
ここで私は「そうだ!EQを活用しよう」と思いました。

EQではまず、「自分の感情をラベル化して認識すること」が第一歩とされています。

* 不快

* 軽んじられた

* 押し切られた

自分がどの感情を抱いたのかをはっきり言葉にすることで、反応に振り回されにくくなる、と学びました。

私の場合も「これは“軽んじられた感覚”だ」と気づくことで、少し冷静に整理できました。

気づき:「評価」と「立場の明示」は別物

この出来事から強く残った学びがありました。

それは、

「相手から何らかの評価を受けることと、私が今回の調整で立場を示すことは別」

という視点です。

相手から「あなたってそういうところあるよね」とレッテルを貼られたり、評価めいたコメントをされても、それはあくまで「相手の評価」。一方で、自分が守るべきものは「今回の調整はこの時間で行う」という立場だったと思います。

この二つを切り分けて考えられると、相手の評価に揺さぶられることなく、自分の立場を明示できます。

アサーティブに立場を示す

では、どう立場を明示すればよいのでしょうか。

ここで役立つのが「アサーティブ・コミュニケーション」です。

アサーティブとは「相手を尊重しながら、自分の意見も率直に伝える」方法です。

例えばこんなフレーズが使えます。

* 「この時間設定には他の方の事情を踏まえた理由があります。ですので、この時間で進めたいと思います」

* 「ご意見は理解しました。ただ、既に関係者に了承を得ている時間なので、今回はこのまま進めます」

ポイントは、相手を否定したり説得しようとせず、「私はこうします」と自分の意思を表明すること。

説得から「立場の明示」へ

私が陥りやすかったのは「相手を説得してわかってもらおう」とする姿勢でした。けれど、相手が強く主張するタイプであるほど、説得合戦は泥沼になりがちだ、と、私は経験を通して仮説を持っています。この仮説を検証できる場面でもあったなぁ、と思いました。

大事なのは、「説得ではなく立場の明示」に切り替えること。

* 説得は「相手を変えよう」とする行為

* 立場の明示は「自分を守る」行為

方向性が違う。

相手を変えるのは難しくても、自分の線を示すことならできます。
そして、それが協働作業の場でのストレスを減らし、自分の感情を守る力になります。

小さな切り分けが大きな安心に

今回の出来事を通じて、私は改めて「評価と立場は別物」という気づきを得ました。

相手のレッテル貼りに心を乱されず、ただ「私はこうします」と線を示す。

この小さな切り分けが、心の中に大きな安心をもたらしてくれます。

こうした気づきを得たので、

次回、必要性を感じた状況に遭遇したら、
「説得ではなく立場の明示」に切り替える、を試行してみようと決めました!


次回は、議論を無理に続けずに「そう見えるかもしれませんね」で終わらせる工夫についてコラムを書いてみようと思います。

会話を終える勇気も、立派なEQスキル!

この記事を書いた人

marco

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