リーダーができること
会議中に批判的な態度をとるメンバーや、プロジェクト中に責任を避ける行動をする人。そんな場面、あなたの職場でもありませんか?「どうもチームワークを乱している」と感じるメンバーがいると、リーダーとしてどう対応するべきか迷うものです。ただ、感情に任せて指摘したり、一方的に責めたりするだけでは、状況はなかなか改善しません。このコラムでは、チームの調和を取り戻すためにできる接し方について考えてみます。
チームワークを乱す行動とは?
「チームワークを乱す」といっても、いろいろな行動のパターンがあると思います。
例えば、
*プロジェクトの進行を妨げるような発言や行動
*他のメンバーへの批判的な態度
*会議中に無関心な様子を見せる
*責任を避けるような行動
こうした行動の背景には、そのメンバー自身の不満やストレス、自己防衛の意識が隠れていることが多いです。ここで重要なのは、「この人はなぜこういう行動をとっているのか?」という視点を持つことです。
接し方の基本は「理解すること」
まず大事なのは、そのメンバーの行動を頭ごなしに否定するのではなく、「背景にある理由」を探る姿勢です。
例えば、あるプロジェクトでメンバーの一人がミーティング中にやる気を感じさせない態度を取っていたとします。その人を直接責めるのではなく、「最近、仕事で何か困っていることはない?」と一声かけてみるだけでも、状況が変わることがあります。相手が「自分の話を聞いてくれる」と感じることで、防御的な態度が和らぐことが多いからです。
批判的な態度が変わった瞬間
過去に関わったプロジェクトで、メンバーの一人が他のメンバーに対して批判的な発言を繰り返す場面がありました。最初はどう接すれば良いかわからず悩みましたが、思い切って「どうしてそう感じるのか、一度教えてもらえる?」と本人に直接尋ねてみたんです。すると、意外にも「自分の意見が軽視されているように感じてイライラしていた」と打ち明けられました。
実をいうと、私もかつて似た経験をしてチームを困らせたことがあるのを思い出しました(思い出した瞬間は本当に冷や汗でした)。
その後、彼の意見をミーティングの場でしっかりと取り上げるようにしたところ、徐々に態度が柔らかくなり、チームとの協調性が生まれました。この経験から、行動の背景を知ることの重要性を強く感じました。
接し方の具体的なステップ
チームワークを乱すメンバーにどう向き合えば良いか、いくつか具体的なステップをご紹介します。
- 冷静に観察する
まずは、相手の行動パターンやその背景を冷静に観察することから始めます。感情的に対応すると、相手もさらに反発しやすくなります。 - 直接のコミュニケーションをとる
遠回しに話すのではなく、個別に、気になっていることがあるようだったら聞かせて欲しい、と直接尋ねるのが効果的です。相手を責めるのではなく、あくまで「聞く」姿勢を大切にします。まずは知ることから、です。 - 行動の具体例を示す
「あなたはこうしている」という断定ではなく、「先日の会議での発言について気になった」と具体的に例を挙げると、相手も話を受け取りやすくなります。 - 解決策を一緒に考える
問題を指摘するだけでなく、「どうすれば良いかを一緒に考える」姿勢を見せると、相手の協力意識が高まります。
チーム全体への影響を意識する
また、チームワークを乱すメンバーの行動が他のメンバーに与える影響も無視できません。たとえば、その行動が原因で他のメンバーが不満を感じ始めたり、士気が低下したりすることもあります。こうした場合は、チーム全体に「どのようなチームを目指すのか」を改めて共有する場を設けるのも良いでしょう。
忙しい時ほど冷静に
リーダーとして一番難しいのは、忙しい時やストレスがかかっている時に、メンバーの問題行動を冷静に捉えることです。しかし、いかなる時も、冷静に捉えることが大事なので、どうすれば自分は冷静になれるかを日頃から考えておくと良いでしょう。いわゆるセルフケアです。
私の場合は、空(上)を見上げることと、深呼吸が定番です。そして、「この人がこうなった理由」を考えてみるのが大切だと思います。
変化を引き出す接し方
チームワークを乱すメンバーに対する対応は簡単ではありません。でも、「この人には何か理由がある」という視点で接するだけで、相手の態度や行動が変わる可能性があります。そして、そうした変化がチーム全体の活気や信頼感を生むきっかけになることも少なくありません。
リーダーとしてできるのは、問題行動をただ「悪い」と見るのではなく、「改善の余地がある」と捉えること。その姿勢が、チームを一歩進める鍵になると私は考えています。
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