驚きと想像力が、学びを生み出す
—アインシュタインの経験観の核心—
前回は、経験が知識の始まりであり、
同時に理解を問い返すものでもある、という話を書きました。
今回はもう一歩進んで、
アインシュタインが考えていた
学びの原動力について書いてみようと思います。
概念は経験から自動的に生まれるわけではない
アインシュタインは、
科学の基本概念は経験から機械的に導かれるものではない、
と考えていました。
重力や時間、空間といった概念は、
経験を整理していく中で
人間の精神が自由に創り出したものだ、
という立場です。
彼が「想像力は知識より重要」と語ったのも、
既にある知識の延長ではなく新しい見方を生み出す力を重視していたからだそうです。
思考実験という「拡張された経験」
アインシュタインは思考実験を多く用いていたそうです。
光と一緒に進んだらどう見えるか。
落下するエレベーターの中では何が起きるか。
それは現実には体験できない状況を、
頭の中で経験する試み。
想像力によって経験の範囲を広げる。
ここにも彼の学びの姿勢があります。
こうしたことは、
しようと思ってできる学習方法ではありません(わたしの場合、ですが😰)。
いえ、こうして断言し、壁を作ること自体、彼に言わせれば
愚の骨頂なのかもしれませんが、、、、。
学びは「驚き」から始まる
アインシュタインが子どもの頃、
方位磁針を見て衝撃を受けた話はよく知られています。
触れていないのに針が動く。
見えない力が働いている。
向きを変えても、針の向きは一定を保つ。
この体験は、彼の中にあった世界の理解と衝突しました。
彼にとって驚きとは、
経験が自分の理解の枠組みとぶつかった瞬間でした。
そして人はこの矛盾を解消しようとして、
考え、試し、理解を広げていきます。
驚きは、学びの始まりでもあるのです。
経験とは、能動的な営みである
アインシュタインにとって経験とは、
単なる出来事の受動的な蓄積ではありませんでした。
驚きから始まり、
想像し、概念を創り、
現実に問い返し続ける営み。
極めて能動的な関わりです。
そしてこれは、私たちの日常の学びにも通じています。
経験は起きた出来事そのものではなく、
そこにどう関わったかで意味が変わります。
だからこそ経験は、
知識の始まりであり、
理解を確かめる場でもあり、
そして新しい見方を生み出す源でもあるのだと思います。








