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「思考」と「反すう」の違い

私たちは毎日、
かなりの時間を「考えること」に使っています。

仕事の段取りを考える。
相手への返事を考える。
これから先のことを考える。

けれども、そのすべてが本当に「考える」という営みになっているかというと、
実は少し怪しいところがあるようです。

というのも、最新の脳科学では、
私たちが「考えている」と思っている時間の一部は、
単なる情報整理ではなく、
過去の出来事や不安を繰り返し思い返すだけの状態であることが
わかってきている、というのです。

これには驚きです。

頭は忙しいのに、前には進まない。
  わたしのことですか、って感じですが・・・
まるで脳内会議だけが長引いて、
誰も結論を出してくれないような状態です。

ここで見直したいのは、
「思考」とは何か、という問いです。

考える、って何?

思考は単なる情報処理ではありません。
脳の中にある複数のネットワークを、どのように切り替え、どのように使うかという
わかりやすくいうと、運転のような感じです。

ですから、

考える力とは、情報量の多さではなく、
脳の働きを主体的に整える力

と言ってもよいと思います。

その鍵になるのが、デフォルトモードネットワークと呼ばれる脳の仕組みです。

例えば、
ぼんやりしているときや、自分のことを振り返っているとき
そんな時に働くネットワーク。

本来は内省や自己理解に役立つ大切な機能ですが、
ここが強くなりすぎると、
出口のない反すうへとつながりやすくなります。
  わたしのことですか、って感じですが・・・

反すうとは、

過去の失敗や自分の欠点、将来への不安などを、
意図に反して何度も繰り返し考えてしまう状態

です。

しかも、その考え方は抽象的で、
「なぜ自分はこうなのだろう」といった問いに留まりやすく、
具体的な対処に進みにくい特徴がある、
と言います。

ってことは、
真面目に考えているようでいて、
実は問題解決から少しずつ離れていってしまう感じではないでしょうか。

抑うつ傾向のある人の脳では、この内向きのネットワークが過度に出現しやすく、長く続きやすいことが示されています。また、外の世界や身体感覚とのつながりを支える働きから、内側の自己参照へと偏っていく傾向も見られます。これは、脳が「今、ここ」から離れ、頭の中のイメージに閉じこもりやすくなっていることを意味します。   隠れマルコフモデルを用いた研究(著者多数)

やっかいなのは、
こうした反すうが、本人には「ちゃんと考えている」「何とかしようとしている」ように感じられることです。

これは必ずしも問題解決の状態ではありません。

むしろ、自分に関するノイズが増幅されているだけで、
行動のためのエネルギーはじわじわと削られていきます。
真面目な人ほど、この罠にはまりやすいのかもしれません。
考えているのに進まないのは、努力不足ではなく、
脳の使う回路が少し偏っているからのようです。

必要なのは「もっと頑張って考えること」ではなくて、
まずは、自分が今どちらの思考モードにいるのかに気づくこと。

これは整理のための思考なのか。
それとも、同じ場所を回り続ける反すうなのか。
その見分けがつくようになるだけでも、
思考の質はかなり変わってきます。

  わたしの場合、気づいても、
  認められない(辞められない、ではなく、認めることができない)時が
  多いのですが、小さく努力を重ねています、もう何年も。
  それは、書き出して、自分で自分の思考内容を論駁するというやり方です。

  あまり参考にならないかもしれないけど・・・

「考える」という行為を美化しすぎると、
私たちはつい、ぐるぐる悩むことまで努力の一部にしてしまいます。

でも脳は、そこまでお人よしではないみたい!
回し方を間違えると、すぐ空回りします。

この反すうのループからどう抜け出し、より生産的な思考へと切り替えていくことについては、明日のコラムで書いてみますね。

この記事を書いた人

marco

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