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昨日と今日が、一本の線でつながった日

土曜日、私はEQのセミナーを受けていました。
私が学んでいるEQでは、「知る・選ぶ・活かす」というプロセスが語られます。
自分の感情や状態を知り、選択し、それを人生に活かしていく、そんな考え方です。

その中で、以前からずっと引っかかっていた言葉があります。
それが、「ポジティブな選択をしよう」(少し編集しています)という表現でした。

私はもともと、問題点に目が向きやすいタイプです。
機能不全を見つけ、整え、元の機能に戻していく。
私にとってそれは、前向きで、建設的で、確かな手応えのある営みです。
意識して身につけたというより、自然とそうした視点を使ってきました。

けれど、その姿勢はときに、こんなふうに言われることもありました。
「問題ばかり見ていると疲れるでしょう」
「もっと良い面を見ようよ」
「未来を見ようよ」

そう言われるたびに、私は考えていました。
これは本当に“ネガティブ”なのだろうか。
そして、EQで言われる「ポジティブな選択」とは、いったい何を指しているのだろうか、と。

リフレームして視点を動かす、広げる、という意味であれば理解できます。
けれど、「ポジティブ」という言葉そのものが、どうにも曖昧に感じられたのです。

ファーストデーに観た映画

そんな違和感を抱えたまま迎えた日曜日、私は映画館に足を運びました。
ファーストデーだったから、という軽やかな理由で。

観たのは、安楽死特区 という映画です。

物語の結末には、正直、戸惑いも残りました。
けれど、エンドロール後に流れた、実在の女性のインタビューが、強く心に残りました。

彼女は、幼い頃に発症した病気のため、身体が思うように動きません。
安楽死を求めてスイスに渡り、病院に入り、あとは薬を飲むだけ・・・
そこまで進んだそうです。

けれど直前、父親が泣き崩れる姿を見て、彼女はその選択をいったん止めました。

「自分」か、「父」か、という問い

インタビュアーは彼女にこう問いかけます。
「それは、自分の意思よりも、お父さんの意思を選んだということですか?」

彼女は、静かにこう答えていました。

日本には、個人よりも家族や周囲を重んじる文化がある。
その意味では、父の意思を尊重したのは“全体”を選んだとも言える。
けれど同時に、父の思いを受け入れることを、自分自身が選んだとも思っている、と。

そして、インタビューの中で、こんな言葉も残していました。
「安楽死という、後ろ向きな選択も許される社会であってほしい」

「後ろ向き」という言葉に、私は立ち止まった

私は、彼女の言葉を、受け止めるように聞いていました。
ただ、この「後ろ向きな選択」という表現に、強く引っかかりました。

それは、前日のEQセミナーで感じていた違和感と、重なったからです。
ここで書いているのは、彼女の言葉の是非ではなく、
その言葉が、私自身の問いを呼び起こしたという話です。

そもそも、その選択が前向きか、後ろ向きかを決めているのは誰なのか?
その問いが生まれました。

同じ選択でも、
ある人には「前進」に見え、
別の人には「放棄」に見えるのかもしれない。
また別の人には「喪失する」に見えるのかもしれません。

意味づけは、常に、見る側の文脈に依存します。

EQの「ポジティブ」は、ひとつではなかった

私自身、かつてのある時期、
安楽死という選択肢を「いまを、なんとか生きていくための勇気」と感じていたことがありました。

それは、生きることを投げ出すという感覚ではなく、
自分の人生をどう引き受けるか、という問いの延長にあったものです。

もちろん、誰かに勧めたい考えではありません。
ただ、私にとっては、当時の「生き方の一部」でした。

映画を観終えたとき、
前日に感じていたEQへの違和感と、ひとつの線でつながりました。

EQで言われる「選ぶ」。
そして「ポジティブな選択」。

そのポジティブの意味は、誰かが一義的に決めるものではない。
そんなふうに腑に落ちたのです。

EQは、「正しい選択」を教えるものではない。
その人がどう生きるかを、自分で引き受けるための視点なのだと。

選択に、ラベルを貼らなくていい

前向きか、後ろ向きか。
ポジティブか、ネガティブか。

そうしたラベルは便利ですが、人の生を単純化してしまいます。

自分の内側だけで完結するのではなく、
家族や社会、文脈全体を見渡したうえで選ぶ。
そのプロセス自体が、その人にとっての一歩になる。

選択そのものに正解はありません。
意味を与えるのは、いつも、生きている私たち自身です。

そんなことを、静かに考えた一日でした。

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marco

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