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「叱る」と「怒る」

リーダーシップを発揮する場面では、部下の行動や結果に対して何かしらのフィードバックをする必要があります。その中で、「叱る」と「怒る」という言葉を耳にすることがあると思います。この二つは似ているようで全く異なる行動です。そして、どちらを選ぶかによって部下の成長やチームの雰囲気に大きな影響を与えることもあります。

仕事をする場面では、強く指導しなければならない場面があるのが現実でしょう。そうであれば、「叱る」と「怒る」の違いについて知った上で、
部下が成長できる強い指導ができることが望ましいと思いますので、
両者の効果やリーダーとしての適切な行動について
書いてみようと思います。

何が違うのか?

「叱る」と「怒る」は何が違うのでしょうか。

一言で言えば、
・「叱る」は相手の成長を目的とした行動
・「怒る」は自分の感情を発散する行動

と考えられています。

例えば、ある部下が報告書の提出期限を守らなかったとします。
「怒る」場合、上司は「どうして守れないんだ!」と大声を出し、感情的になりがちです。
この場合、部下にとっては上司の怒りに圧倒されて「怖い」という感情を抱き、それ以上深く考えられなくなることがあります。

一方で「叱る」とは、冷静に具体的な行動を指摘し、次に何をすべきかを伝えることです。
「今回の提出が遅れた理由を話してください。その上で、次回はどうすれば期限を守れるか考えていきましょう」といったセリフが例として 挙げられるでしょう。
こうした「叱る」の場合、部下はなぜ問題が起きたのかを理解し、改善に向けた行動を考えるきっかけになります。

家庭の場面での例

家庭の場面を想像してみてください。

例えば、小学生の子どもが宿題をせずにゲームをしていた場合、親として「怒る」のであれば、「なんで宿題もしないでゲームばっかり!」と感情をぶつける形になるでしょう。

しかし、「叱る」場合は、「宿題を後回しにするとし忘れやすくなるよ。今日はゲームをする前に宿題を終わらせよう」というように、具体的に行動を促す言い方になります。叱ることは、相手が自分の行動を見直し、より良い選択を考える助けになります。

「怒る」のデメリット

「怒る」ことのデメリットは、相手の感情を委縮させるだけでなく、信頼関係を壊してしまうリスクが高い点です。一度失った信頼を取り戻すのは簡単ではありません。特に職場では、部下が上司を恐れるあまり、必要な報告を避けたり、本音を話さなくなることがあります。

「叱る」ことにより得られるもの

「叱る」ことは、信頼関係を保ちながらも相手に考える機会を与える方法です。叱られた側は、「自分の行動を変えよう」と思いやすくなります。結果として、組織全体の成長につながるのです。

具体的な「叱る」行為

  1. 冷静さを保つ
    叱る場面では、感情的にならないことが第一です。感情が高ぶると、相手への伝え方が乱雑になり、本来伝えたい内容がぼやけてしまいます。
  2. 具体的に伝える
    「ここがダメだった」というだけでなく、どのような行動がどういう結果を招いたのかを明確に伝えましょう。「報告書の誤字が多かった」ではなく、「この誤字が原因でクライアントが混乱した」といった具体例が効果的です。
  3. 未来志向で話す
    叱る際には過去のミスを責めるだけではなく、「次はこうしてみては?」と未来の行動を一緒に考える姿勢が重要です。

叱られた経験

自分が新人時代に上司から叱られた経験を思い出します。

当時、あるお客様に対して「へ〜、そんなことあるんですね」(正確な言葉遣いは昔のことなので曖昧ですが😅)と発言してしまったことがありました。その場面を上司が聞いていて、その後、こんなふうに教えてくれたのです。

「お客様の立場になって考えてごらん。敬意をもって話をすること、それが本当の敬語だよ。”そういったことがあるんですね、驚きました”の方が伝わるでしょ。」と、具体的に指摘してくれたのです。

このように具体的なアドバイスをもらえたことで、自分の何が問題だったのかが明確になり、ただ感情的に「これではダメだ」と突き返される場合とは違い、次の仕事にしっかり活かすことができました。

部下を導くリーダーにとって、感情に任せて「怒る」よりも、冷静に「叱る」ことの方が明らかに効果的です。叱ることは一時的に相手を苦しめるものではなく、成長への道を示す行為です。

実践!管理者やリーダーの自己チェック 

部下と向き合う場面では、「私は感情をぶつけていないだろうか?」と自分を振り返るのも良いかもしれません。その上で、具体的なフィードバックを心がけることで、部下との信頼関係も深まり、チーム全体が良い方向に進むと感じます。

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