仕事を進めるうえで、「PDCAサイクルを回すことが大事!」とよく言われます。
でも、実際には自分一人だけででPDCAを回すのは意外と難しいもの。続かないんだよね、という声も耳にします。
そこで、今回は、上司や先輩であるあなたがサポートすることで、部下の成長をぐっと加速させることができる、というお話をしたいと思います。
そもそもPDCAとは何なのか、
なぜ重要なのか、
そしてどのようにサポートすればいいのか、
の流れで進めていきます。
PDCAサイクルとは何か
PDCAサイクルとは、
Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Act(改善)
を繰り返し、業務を継続的に改善していくプロセス
のことです。
例えば、新人の営業担当が「お客様にうまく提案ができない」と悩んでいるとしましょう。
- Plan(計画)を立てる
顧客への提案内容を事前に整理し、話すポイントを決める - Do(実行)してみる
実際に顧客に計画に沿って提案をしてみる - Check(評価)ふりかえって評価してみる
提案のどこがうまくいったのか、どこが改善点か - Act(改善)行動を進める
改善策を試してみる
このように、PDCAを回すことで、仕事の進め方をどんどん改良発展していくことができます。
PDCAサイクルを回すメリット
PDCAを意識して業務を進めると、次のようなメリットがあると思います。
- 仕事の質が向上する
同じミスを繰り返さず、という堂々巡りではなく、
より良いやり方を見つけられるので、アウトプットが変わってきます。
成果が上がりやすく過程です。 - 成長スピードが速くなる
単に「経験を積む」ではなく、
試行錯誤を繰り返すプロセスなので、
より効率的に成長できます。 - 問題解決力が身につく
「うまくいかなかったら改善する」という思考が身につくと、どんな状況でも柔軟に対応できるようになります。 - 主体性が生まれる
自分で考えて行動し、結果を振り返る習慣ができると、「やらされ仕事」ではなく、「自分ごと」として仕事に取り組む姿勢が生まれます。
このように、PDCAを回すことは、部下自身のスキル向上だけでなく、組織全体の成長にもつながります。
なぜ自分でPDCAサイクルを回しにくいのか?
自分でやってみても、PDCAサイクルを継続するのは難しいと感じる人も多いようです。
そして、後輩のPDCAを回すサポートもうまくいかなかったと感じている人も。
その理由として、次のようなものが考えられます。
- 「計画(Plan)」の立て方がわからない
特に経験の浅い部下は、「何から始めればいいのか」「どんな計画を立てればいいのか」がわからず、最初の一歩が踏み出せません。 - 「評価(Check)」が自己流になりがち
振り返るといっても、何を基準に評価すればいいのかが曖昧だと、的外れな自己評価になってしまうことがあります。 - 「改善(Act)」を考える余裕がない
日々の業務に追われ、「とりあえず次の仕事をこなす」ことが優先されると、改善にまで意識が回らなくなります。 - 好みのプロセスばかりしてしまう。苦手なプロセスを軽く流してしまう。
これが一番多いようですが、得意な部分だけを行うというものです。計画を立てるのは得意、でも実行が苦手。実行はできるけどふりかえりが不得意、など。PDCAサイクルはそのサイクルを一巡させてから二巡目に進むのがポイント。PDだけでも、Dだけでも、DをほとんどせずにCばかりしても、思うような結果を得られないことが多いのです。
こうした理由から、「PDCAを回そうと思っても、気づけばDo(実行)ばかりになっている…」なんてことになったりするのです。そうなると、同じミスを延々と繰り返すリスクも高まりますね。
上司や先輩としてあなたができるPDCAサイクルを回すサポート
では、部下がPDCAをうまく回せるようにするために、あなたはどんなサポートができるのでしょうか?
1. 「Plan(計画)」の精度を上げる手伝いをする
私が研修を担当するようになった初期の頃、ハッとしたのは「目標の立て方や計画の策定の仕方を知らない人が大変多い」ということでした。ここは、教わったほうが効率が良いので、リーダーの方々には意図的にメンバーへの指導を具体的に(できるようになるまで)実施していただけたら、と思っています。
2. 「Do(する)」の監督になる
根付くまでは、「Do」の監督になってあげてください。
行動は誰かが見てくれているほうが、起こしやすいし続きやすいです。
習慣化するまでは、マネジメントでサポートすることをおすすめです。
3、「Check(評価)」を客観的にサポートする
部下が自己流で振り返りをしてしまわないよう、一緒に評価する機会をつくるのも効果的です。
例えば、営業の提案がうまくいかなかったときに、「どこが要因だったと思う?」「君は何に影響を受けやすいことがわかった?」など二人の視点で振り返ると良いでしょう。
そして、「次はこうしよう!」という改善案を一緒に考え、具体的なアクションプランに落とし込むサポートをしましょう。
□ 「次回はこういうアプローチを試してみるのはどう?」
□ 「こんな資料を準備すると、話しやすくなるかもしれないね」
のように具体的だと、次に起こす行動がわかりやすいので、良いですよね。
何ごとも、わかりやすくシンプルなのが一番行動しやすいので、そこは抑えたいところです。
PDCAを回せる部下が育つと、チーム全体が強くなる
チームのメンバーが自分でPDCAを回せるようになると、チームは主体的に動けるようになり、相対的に良い結果を得やすくなります。もちろん、「頑張れ!」と声をかけるだけではなく、ただひたすら「教えてあげる」だけでもありません。適切なサポートをすることが大切です。
➡︎教えたがりのリーダーが陥りがちな状況はこちらのブログを参考にしてみてください。
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