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相手の気持ちを考慮できない

職場で、こんな場面に出くわしたことはないでしょうか。

「今さら言わなくても分かるでしょ」
「いや、それ、常識ですよね」

言っている本人にとっては、正論かもしれません。
でも、言われた相手にとっては、「存在ごと切り捨てられたような気持ち」になることもあります。

もちろん、意図的に相手を傷つけようとしているわけではないことも多いでしょう。
でも、無意識の一言ほど、人を深く傷つけるものです。

「相手の立場を想像する」ビジネスでも人間関係でも、実はとてもシンプルで効果的な行動です。それができる人と、そうでない人では、周囲との関係に大きな差が生まれます。そしてその“想像力”の欠如が、どんな結果を生むのか、つい先日起きた私自身の出来事をご紹介させてください。

歯医者での事件(わたしから見えた世界)

昨日歯医者に行きました。
歯科医と話をして、インプラントを入れることになりました。
ところが、わたしはある事情があり、とても急いでいました(前歯ってこともあって)。
それを歯科医に伝えました。

歯科医はこたえました。
「それならばインプラント前の洗浄も今日やりましょう。普通は、もう一度来てもらって、洗浄して校内写真を撮ってから、その1週間後くらいにインプラントの手術をするんです。一気に今日やっちゃいましょう!」といってくれました。

よかった、と思いながら
時間をかけての、洗浄や写真撮影。

歯科医は、「あとは手術するだけ。では、手術日の予約をして帰ってください」とのこと。
受付で支払いを済ませ、いよいよ手術日の予約を取ろうとしたら・・・

予約可能日が 週に1回しかない!しかも平日。
月に一度だけ土曜日が予約できる日らしい。
自分の予定と照合したら、2ヶ月先の月末しか予約が取れないことがわかって、2度目のびっくらポン!


わたしは、空いた口が塞がらなかったです。(本当に、口が塞がらないってあるんだ!って感じ)


今日、わざわざ時間をかけて洗浄・何十枚もの口内写真撮影。
急いでインプラントを入れたいという希望。

あれはなんだったのか?
そして、あの話を、どういう気持ちで医師は聞いていたのか。

もちろん、歯科医も悪気があったわけではないことは十分承知です。
ただ、わたしから見えていた世界は、
週に一度、それも平日にしか、インプラントの手術をしていません。
という一言を、なぜ最初に言ってくれなかったのか。
“急いでいる”と明確に伝えたその事情がまったく反映されなかったと、
映ったのです。

まぁ、そこに勤務している人にとっては「うちは金曜日しかインプラントの手術を受け付けていないのは当たり前の決まり事」だったのだろうと思いますが、知らないわたしにとっては青天の霹靂状態。

ってか、一昨年もそこでインプラントを入れたけど、
システムが変わっていたってのもありました。

誰にでも自分の立場からの考えや見解がある

歯科医師は歯科医師として、「やれるところまでは今日進めておこう」と判断したのでしょう(憶測ですが)。後で帰りのバスの中で考えたけど、限られた時間で最善の準備をしてくれたとも受け取れます。

ただ、私の「急ぎたい」という気持ちとは
噛み合っていなかった。

これ、職場でもよくある構図です。

上司は上司の立場から、「今これが最優先だ」と部下にタスクを振る。一方、部下は「昨日言われたことがまだ終わってないのに」と焦りを感じる。でもお互いに、その背景を想像することなく、「なんで伝わらないの?」と不満が募る。

人は誰でも、自分の立場、自分の優先順位、自分のスケジュールで動いています。
だからこそ、“相手の背景を想像すること”が意識的に必要になるのだと思います。
(わたしも歯科医師の背景を想像できなかったわけですが😰)

少し、相手の立場からの想像力を働かせるだけで

「この人、今どんな事情を抱えているんだろう?」
「このタイミングでこれを言ったら、どう受け取るだろう?」

ほんの少しの想像力で、人の反応や関係性は大きく変わります。

ビジネスの現場でも同じ。
「部下がミスをした」と感じたとき、その背景を一瞬でも想像できれば、叱責より先に「どうしてそうなった?」と尋ねる選択ができるかもしれません。

人の立場を完全に理解することはできなくても、「想像する努力」はできます。それがあるかないかで、職場の空気はまるで違うものになります。

私自身も、あの歯医者での体験を通じて、「あの医師の立場だったら、どう判断しただろう」と考え直す機会をもらいました。とはいえ、次の予約は2ヶ月先なので、しばらくはこの口の中に、どんよりとした気持ちが残りそうですけれど。

職場でのコミュニケーションでも、家庭でも、思わずぶつかる瞬間は避けられません。
でも、ちょっとだけ「この人、今どんな景色を見ているんだろう?」と想像してみることで、お互いにやさしい結果が生まれることもあるのではないでしょうか。

日常の小さなズレから、大きな誤解になる前に「想像する習慣」を持ちたいものです

この記事を書いた人

marco

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