
リスケとは?―現代ビジネスに欠かせない予定調整力
「リスケ」という言葉、日常的に使われるようになってきましたが、改めて考えてみると、その意味や使い方をちゃんと説明できる方は少ないかもしれません。
リスケとは「リスケジュール(Reschedule)」の略で、予定やスケジュールを組み直すことを意味します。体調不良、急な業務変更、相手都合など、ビジネスの現場では予定変更が避けられない場面も多いものです。
「約束を守る」ことがビジネスマナーの基本ですが、どうしても変更が必要になることもある。そんなときに大切なのが、「リスケ」という選択肢を、ただの延期ではなく、“相手の立場を想像した調整”として行う意識です。
ビジネスシーンでのリスケ活用例
例えば、取引先との会議の予定を、上司からの急な指示で変更せざるを得なくなったとします。そんなとき、「すみません、延期させてください」だけでは、ただの“ドタキャン”と受け取られてしまうかもしれません。逆に「どうしても社内緊急の会議が入りまして、ご迷惑をおかけしますが、〇日または〇日で再調整可能ですか?」と、代替案を添えることで、相手の受け取り方は大きく変わります。
他にも、プロジェクトの締め切りを調整する場面などでは、ただ延期を申し出るのではなく、「今こういう背景で遅れが発生しそうです。ただ、〇日までにはこの部分まで完了できます」と、進捗や意図を共有することが信頼につながります。
仕様変更に伴うスケジュール再調整
ビジネスにおいては、仕様の変更や外的要因により、計画通りにいかないことは日常茶飯事です。問題は「変化」そのものではなく、「そのときにどう対応したか」です。
ここで一度、リスケとドタキャンの違いを整理してみましょう。
- リスケ:予定の変更を事前に、かつ相手の都合や状況に配慮しながら行う行為
- ドタキャン:直前に一方的にキャンセルし、相手への配慮や代替案の提示がない行為
つまり、単に予定をずらしたかどうかではなく、「相手への敬意があるかどうか」が分かれ道だろうとわたしは考えています。リスケは、予定を変えざるを得ない状況でも、関係性を壊さず、むしろ信頼を深めるチャンスになり得る機会にすることもできると思います。
ビジネスマナーとしての違い
私自身、ある会議で「予定変更、仕方ないですね」と言ってもらえたとき、内心ホッとしたことがあります。でもそのとき、「仕方ない」と言ってもらえたのは、前日のうちに連絡し、先方の予定も確認しながら再提案したからこそ。もし黙って当日キャンセルしていたら、その後の関係性は全く違っていたでしょう。
リスケは、予定を変えるという“行為”の話ではなく、「どう変えるか」「相手をどう思いやるか」という“コミュニケーションの質”の問題なのだと感じます。
わたしもかつて、相手の立場を考えた「つもり」でいたんだ、という件がありました。事情を説明し、自分の都合で予定の変更をお願いし、謝罪をしたわけですが、肝心の相手の感情を考えることができておらず、大変怒られたことがあります。この歳になって、強い口調で、時間をかけて、注意を受けるのは、本当に苦い思いをしました。しかし、相手の感情に無頓着だった(不快感を与えたこと)に対して、ひたすら謝るしかできませんでした。
信頼関係は、小さな対応の積み重ねで築かれていきます。
逆に言えば、たった一度で、大切な信頼が揺らぐこともあります。
リスケ依頼時のポイント
さて、ここからは
「どうすれば「リスケ上手」になれるか?」考えてみます。
大事なのは以下の2つの視点です。
- 早めの連絡:気づいた時点で、すぐに相手に連絡すること。時間があるほど、相手の調整もしやすくなります。
- 丁寧な説明と代替案:「申し訳ありません」だけでなく、「何が理由で」「いつなら対応可能か」などを明確に伝えると、相手も受け止めてくれやすくなるでしょう。
また、言葉選びも大切です。
小さいことかもしれませんが、「変更してください」ではなく、「ご都合はいかがでしょうか?」「ご検討いただけないでしょうか」と、相手の予定を尊重する姿勢を見せることも必要です。
リスケは、単なる「予定変更」ではなく、相手との関係を丁寧に繋ぎ直す行為です。
予定を変えること自体は、悪いことではありません。
そのときに、どんな関わり方をするかが、その人の人柄とマナーを表します。
相手を激怒させたわたしは、ダメな例でした😰
もう二度と、あんな思いはしたくないと思っています。
「この人となら、また予定を調整してもいいな」と思ってもらえるようなリスケ。
相手の立場に思いを巡らせながら、信頼を育てていけたらいい仕事に発展できるのだろうと思います。
色々思い出して複雑な気持ちになる、まるこより。
