
「最近、何か新しいことにチャレンジしましたか?」と聞かれると、思わず言葉に詰まることがあります。特に忙しい日々の中で、失敗を恐れて“いつものやり方”に頼ってしまう気持ちは、誰しもにあるのではないでしょうか。
私が以前に勤めていた会社でも、「とりあえず前例通りで」という空気が蔓延していたことがありました。一見、無難で効率的に思えますが、徐々に自分の中にあったはずの「活気」みたいなものが失われていくのを感じました。徐々に、新しいチャレンジやアイディアを言い出さなくなって、なんだか静かで保守的な日々。挑戦の芽が出る土壌が、いつの間にか固くなっていた感じでした。
挑戦は失敗するかもしれないけれど、成功するかもしれない。
少なくとも、やってみることで自分の世界も、チームの未来も少しだけ前に進む。
そんな前向きな空気がある職場は、自然と人がイキイキと働ける環境に、とても憧れてその会社を飛び出しました。(若かったからかな・・・)
失敗が続いた職場で見えた、挑戦を支える姿勢の欠如
ある部署で、若手社員が自主的に新しい営業手法を提案しました。
最初は「面白いね」と受け止められていたものの、実際に試してみると成果が出ず、上司から「だから言っただろう」と言われてしまったそうです。
その出来事がきっかけで、その若手社員はすっかり気持ちが沈み、次第に「言われたことだけをこなす」姿勢に変わっていったように見えました。
その職場では「挑戦してもうまくいかなければ責められる」という空気があり、アイデアはほとんど出ることはありませんでした(しかし、管理者は「もっとアイディアをだせ」「「元気ないぞ!」と言っていました)。
この話を聞いたとき、私は思わず「もったいない」と感じました。
挑戦した結果がうまくいかなかったとしても、その行動を評価しなければ、次の一歩が出てこなくなります。失敗に対して「だからダメなんだ」と言ってしまうことは、実は挑戦の芽を摘む大きな要因になるのです。
挑戦をするから、結果がわかるのではありませんか!
挑戦を称賛する文化が、チームを最高の結果へ導いた
一方で、こんな例もあります。
ある企業のチームが、社内初のオンライン商談システムの導入に取り組んだときの話です。最初は手探りで、設定ミスや通信トラブルが頻発。しかし、リーダーが「この挑戦を始めてくれてありがとう」と言い続けたことで、チームの士気は高まりました。
特に印象的だったのは、リーダーが失敗を責めるどころか、ミーティングでうまくいかなかった挑戦にも拍手を送っていたこと。これが職場にちょっとした安心感を与えたようです。「やってみよう」雰囲気が生まれていきました。
結果として、そのシステムは半年後に本格運用され、業績向上にもつながりました。
メンバーたちは、声をきっかけにしたようで、「次はこれをやってみよう」と提案するようになったようです。ただ、その職場に限ってというところが、「まだこれからだよ」と言っていたリーダーの言葉にも表れていました。
そのリーダーもまた、「挑戦」ですね。
挑戦を恐れず、未来を拓く組織へ
挑戦には勇気がいります。
そして、その勇気は「応援されている」という安心感があってこそ発揮されるのだと思います。上司やリーダーが「やってみよう」と言ってくれるだけで、どれほど背中を押されるかは、私自身も何度も体感してきました。
完璧でなくていい、うまくいかなくてもいい。
ただ、「新しいことに取り組んでみたい」という気持ちを大切にする。
それが、未来を自ら拓こうとする人材を育て、組織全体に前向きなエネルギーをもたらします。
読んでくださった皆さんの職場にも、きっとそんな挑戦の種があるはずです。それを信じて、今日から「応援する側」としての一歩を踏み出してみませんか。
