部下との信頼関係、なぜこんなに大切なの?
あの日の失敗から学んだこと
もう25年ほど前の話になります。
「平澤さん、昨日の件、実は困っていたんです…」
そう打ち明けられたお話をしたいと思います。
話を聞くと、前日、私は彼女の報告を「聞いたつもり」になっていただけで、
彼女が本当に伝えたかった問題点を完全にスルーしてしまっていたようでした。
わたしは「しまった!」と思いました。
「またやってしまった、話をよく聴く、ができていない」ことを、と思ったのです。
これを「いつものおっちょこちょい」で済ませて良いとは、
この頃にはもはや考えていませんでしたので、
自分の課題を突きつけられた気がして、ヒヤリとし、自分にがっかりしてしまいました。
前日のわたしは「あ、それね、大丈夫大丈夫!」とサラリと済ませてしまったんです。
この出来事が、私に「信頼関係」を真剣に考えるきっかけをくれました。
信頼関係が職場にもたらす効果
職場での信頼関係は、
職場の生産性やチームの元気さに直接つながっています。
信頼があると、部下は安心して意見を言えるようになり、
仕事にも前向きに取り組めるようになる、なとの変化が起こって、
結果として、仕事の効率が上がるケースを多く見てきました。
信頼関係がしっかり築けている職場では、コミュニケーションがスムーズで、問題が起きてもみんなで協力して解決できます。
逆に言えば、信頼関係がないと、どんなに優秀な人が集まっていても、チームとしての力が発揮できないということも、研修を積み重ねているうちにわかりました。
私が見てきた多くの職場で、「あのチームは雰囲気がいいよね」と言われるところは、例外なく上司と部下は頻繁にやり取りをしていたし、そのやり取りの内容は表面的なものではなく「問題解決に積極的だ」と感じられる内容をやりとりしていました。
お互いを信じ合える関係の価値/部下が自分の意見を自由に表現できる環境
部下が自分の意見を自由に表現できる環境が整っていると、
創造的なアイデアが生まれやすくなり、仕事の改善にもつながっていくケースもよく見てきました。
同時に、上司と部下がお互いを信頼している職場では、仕事の指示やアドバイスがとてもスムーズに伝わっていました。
上司が部下を信じ、部下も上司を信じる、という関係があるなぁと思いました。
すると、仕事の内容という意味でも、お互いの理解が深まっていました。
これって、キャッチボールみたいだと思いました。
信頼があれば、どんなボールを投げても相手がしっかり受け止めてくれる安心感がある。
でも信頼がないと、ボールを投げるのも受け取るのも怖くなってしまいます。
信頼関係が壊れるとどうなる?
信頼関係が崩れてしまうと、職場の雰囲気が一気に悪くなります。
私も以前、自分のうっかり発言で職場の仲間との信頼を失ったことがあります。
失ったものはなかなか取り返せませんでした。
そのうちに、完全に取り返せないことを悟って、
(一度犯した失敗は、許してもらえないという経験でした)
チームはバラバラ(というより、わたし一人浮いていた)になrました。
その職場で働いていた期間は、結構な地獄(の心境)でした。
そのとき、多くの人が私に対して本音を言わなくなり、
連絡も必要最低限になってしまいました。
「不信感を抱く」と、意見を言わなくなったり、仕事へのやる気が下がったりします。
それがチーム全体に広がって、
みんなのパフォーマンスが落ちて、
最終的には仕事の成果にも悪い影響が出てしまうことを知りました。
わたしが関与しないプロジェクトに関しては、
みなさん一丸となって結果を出していたので、
如実に感じました。
信頼は「一日にしてならず」。
これはよく耳にする言葉です。
他方で、「信頼が崩れるのは一瞬」「一度失った信頼は取り戻せない」わたしは、そう学びました。
(※「一度失った信頼は取り戻せない」については、柔軟な考え方を自分に備えることによって、今は少しずつ変化しています)
信頼関係は職場の土台
さて、このコラムで何を書きたいかというと、
自分の失敗談と、25年間の企業研修で参加者の方々から教えていただいたことを通して、
私が確信していることがあります。
それは「信頼関係は職場の土台」だということ。
どんなに素晴らしい制度や仕組みを作っても、人と人との信頼がなければ、それらは機能しません。
次回からは、具体的にどうやって部下との信頼関係を築いていけばいいのか、私自身の失敗談(たくさんある😰)も交えながらお話ししていきます。
一緒に学んでいきましょう!








