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変わりゆくプロセスの地図

TEM(複線径路・等至性モデル)と

「原因は分かった。でも、25年かけて染み付いたこの『理屈っぽい性格』を、どうやって変えていけばいいのか?」←お恥ずかしい告白

前回までは、「理屈っぽさ」を考察し、そのメカニズムの解明にチャレンジし、仮説を立ててみました。

とは言え、心配なのは
理屈(理論)が分かったからといって、すぐに明日から別人のようになれるのか
です。
人は変わるために、時間をかけ、葛藤し、行ったり来たりを繰り返します。

そこで
変容のプロセスをテーマにして、コラムを書いてみます。
この「変わっていく過程」そのものを捉えるための地図として、
今回は質的研究の手法である「TEM(複線径路・等至性モデル)」の観点から。

この地図を手に入れた時、
あの「不愉快な録画」を見た体験、
私の人生における決定的な意味を持っていたことがわかります。

では、勧めてみます。

人生は「非可逆的な時間」の旅

まさにわたしのYouTubeのタイトル「ジャーニー」です。

TEM(Trajectory Equifinality Model:複線径路・等至性モデル):通称テム:は、サトウタツヤ(2009)によって提唱された、個人の経験を時間の流れ(プロセス)とともに描くためのモデルです。

サトウテツヤ(立命館大学・人間科学研究所)は、ご自身の名前を漢字で書くのが面倒:あくまでも最初の理由らしい:で、カタカナなのだそうです。ご本人のコラムやえっせい(←なぜか、カタカナではない)より

このモデルの最大の特徴は、人生や経験を「非可逆的な時間(二度と戻らない時間)」の流れとして捉える点にあります。
私たちは失敗すると、つい「あの時、ああ言わなければよかった」と過去に戻ってやり直したくなります。しかし、時間は決して戻りません。TEMは、「起きてしまったこと」をなかったことにするのではなく、それを一つの通過点として、未来へどう繋げていくかを描くためのツールです。

私の地図に現れた「B(分岐点)」

TEMでは、経験のプロセスを可視化するためにいくつかの記号(概念)を使います。
その一つが「B(Bifurcation Point):分岐点」。
これは、人生の径路(Trajectory)が大きく分かれるポイントを指します。
私にとって、1ヶ月前に見た「あの録画」は、大きな分岐点(B)でした。

径路A(これまでの道): 自分の「理屈っぽさ」に無自覚なまま、知識を武器にマウントを取り続け、周囲を疲弊させる「孤独な人物」への道。
径路B(これからの道): 自分の未熟さを直視し、痛みを感じながらも、論理と共感を統合した「真の支援者(PM型リーダーかな?)」を目指す道。

あの日、再生ボタンを押した瞬間、私は径路Aから強制的に降ろされ、径路Bの入り口に立たされました(これは、「おめでとう🎊🎉!」ってことになるのです)。
それは痛みを伴う体験でしたが、あの分岐点がなければ、私は今ごろ径路Aの先で、誰からも信頼されない裸の王様になっていたでしょう。

ゴール(等至点)への道のりをモデル化

TEMのもう一つの重要な概念が「G(Equifinality Point):等至点」。
これは最終的に到達する結果やゴールのことを指します。
私が目指す等至点(G)は、ひとまず「理屈を手放し、M機能(共感)を兼ね備えたPM型リーダーになること」。

では、分岐点(B)から等至点(G)に至るまでには、何が必要なのでしょうか?

ここで重要になるのが「F(Obligatory Passage Point):必須通過点」です。
ゴールにたどり着くために、避けては通れないプロセスのことです。

岡本ら(2012,応用心理学)の研究によれば、対人葛藤が「和解」という等至点に至るまでには、以下のプロセスを経ることが示されています。

1. 価値観の違いの認知(自分の理屈っぽさに気づく)
2. ネガティブ感情(自己嫌悪や恥ずかしさを感じる)
3. 自分の中で考える(なぜそうなったのかを内省する)
4. 話し合い・行動(新たなコミュニケーションを試みる)

このモデルであの録画のわたしをみると、救われた気持ちになります。
強烈な「不快感」や「自己嫌悪(ネガティブ感情)」は、単なる失敗のダメージではなく、私が変わるために通過しなければならない「必須通過点(F)」ということになるからです。

地図があれば、迷子にならない

「理屈っぽい自分」を変える旅は、まだ始まったばかりです。
これまでは闇雲に反省するだけでしたが、TEMという地図を得たら、
・今自分がどこにいて、
・次に何が起きるのか
を、客観的に捉えられるようになります。

「今、私はネガティブな感情の中にいる。でも、これは『自分の中で考える』という次のステップに進むための必須通過点なんだ」

そう思えるだけで、この苦い経験も、未来へのエネルギーに変わります。

そんなわけで、次回は、この「必須通過点(F)」に焦点を当てます。
なぜ、変わる過程で「ネガティブな感情」を味わわなければならないのか。そ
の意味を深掘りしてみます。

この記事を書いた人

marco

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