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第15回目

前回は、M機能(集団維持)を高めるための「聴く技術(アクティブ・リスニング)」についてお話ししました。 しかし、リーダーには「成果を出す(P機能)」という責任があります。

今回は、相手のやる気を削がずに目標へ導くための理論、「パス・ゴール理論」を武器に、私のP機能のスタイルを「指摘」から「問いかけ」へとアップデートします。

リーダーの仕事は「障害物」を取り除くこと

ロバート・ハウスが提唱した「パス・ゴール理論」は、リーダーシップの目的を非常にシンプルに定義しています。

「リーダーの役割は、部下が目標(ゴール)に到達するための道筋(パス)を示し、そこにある障害物を取り除いてあげることである」

映像の中の私は、障害物を取り除くどころか、私自身が「理屈」という障害物を道に撒き散らしていました。「この論理は正しいか?」「定義は明確か?」と検問のよう(は、オーバーですが)に立ちはだかり、場の歩みを止めていたような存在だと思いました。

相手に合わせてスタイルを着替える

パス・ゴール理論の最大の教訓は、「唯一絶対の正解スタイルはない」ということ。部下の成熟度や環境要因に合わせて、4つのスタイルを使い分ける必要があります,。

1. 指示型(Directive): 具体的な手順や期待を明確に伝える。(経験が浅い人向け)
2. 支援型(Supportive): 福利厚生やニーズに配慮し、親しみやすく接する。(ストレスが高い状況向け)
3. 参加型(Participative): 部下から意見を求め、意思決定に反映させる。(自律性が高い人向け)
4. 達成志向型(Achievement-oriented): 高い目標を設定し、全幅の信頼を置く。(意欲も能力も高い人向け)

あの録画の中の私。
一緒にいた仲間は「自律性が高く、能力も高い」人々でした。 それなのに私は、「指示型(定義や手順を細かく指摘する)」のスタイルを適用していたように思います。

とてもわかりやすい表現をすると、
もっと自由で楽しい場でよかったのに!という感じです。

私が選ぶべきは、相手の知見を尊重する「参加型」か、高い視座での議論を求める「達成志向型」で十分だったのです。そうすることで、優秀な人たちと時間を共に過ごせた自分も、楽しめたことでしょう。

「指摘」をやめて「問い」を投げる

では、「参加型」や「達成志向型」のP機能を発揮するには、具体的にどう話せばいいのでしょうか。 答えは、文末を「。(断定)」から「?(問い)」に変えることです。

× 指摘(映像の私に近い感じ): 「この理論の前提はAではなくBです。ここが矛盾しています」 → 相手は「否定された」と感じ、防衛的になる。
○ 問いかけ(コーチングをしている時の私): 「私はBという前提で考えていたのですが、〇〇さんはどう捉えていますか?」 「この矛盾を解消するには、どんなアプローチが有効でしょうか?」 → 相手は「意見を求められた(尊重された)」と感じ、思考を巡らせる。

「問いかけ」は、相手に考える余地(パス)を提供します。
こちらが答えを言うのではなく、相手の中に答えを見つけさせる。
これこそが、熟練者に対する正しいP機能の発揮方法。

つまり、

P機能は「北風」ではなく「太陽」

小久保(2002)の研究でも示されていたように、熟練者に対して一方的な指示(圧力P)は逆効果。 しかし、信頼して任せ、適切な「問い」を投げかけることで、熟練者は自らの力でゴールへの道を切り開いていかれる。わたしの経験ではほとんどの方がそうです。

となると、「理屈」は、相手を裁くために使うのではなく、「良質な問い」を作るために使う。 論理的思考力があれば、「どこに問いを投げれば、相手の思考が深まるか」が見えるはず、とわかります。

私が目指すP機能は、相手を寒さで縮こまらせる「北風(厳しい指摘)」ではなく、自らコートを脱ぎたくなるような「太陽(温かい問いかけ)」のようなリーダーシップなのかもしれません。(ちょっと、例えが突拍子もないかな。)

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marco

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