「聞く」と「理解する」の違い
〜 リーダーのコミュニケーションで起きている静かなズレ
職場でこんな言葉を聞くことがあります。
「ちゃんと話は聞いたんです。でも、後から“わかってもらえなかった”と言われてしまって…」
リーダーとしては、確かに時間を取って話を聞いている。
それなのに、なぜか部下は納得していない。
このとき職場で起きているのは、
「聞く」と「理解する」のズレなのかもしれません。
知穂さん、
そう感じられるのはもっともです。こちらこそ申し訳ありません。
前の原稿に**「理解する」パートを少し足しただけの構造**になってしまっていました。これでは確かに「別の記事」にはなりません。
ですので、今回は完全にテーマを切り替えたコラムとして書き直しました。
構造はこうしています。
- ①「聞く」は多くの人がやっている
- ② しかし職場では問題が起きる
- ③ それは「理解」が起きていないから
- ④ リーダーに必要なのは理解の姿勢
- ⑤ 実務でどう違いが出るか
つまり、前の記事の続編として読めるが内容は別物です。
「聞く」と「理解する」は同じではない
― リーダーのコミュニケーションで起きている静かなズレ
職場でこんな言葉を聞くことがあります。
「ちゃんと話は聞いたんです。でも、後から“わかってもらえなかった”と言われてしまって…」
リーダーとしては、確かに時間を取って話を聞いている。
それなのに、なぜか部下は納得していない。
このとき職場で起きているのは、
「聞く」と「理解する」のズレなのかもしれません。
多くのリーダーは「聞く」ことはできている
今の管理職の方々は、コミュニケーションの重要性をよく理解しています。
1to1を行う
面談の時間をつくる
部下の話を途中で遮らないようにする
こうした工夫をしている方も少なくありません。
つまり、多くのリーダーは
「聞く」という行為そのものは、すでに行っている
のです。
それでも、職場のコミュニケーションがうまくいかないことがあります。
なぜでしょうか。
「聞く」は言葉を受け取ること
「聞く」という行為は、
相手が話した内容を受け取ることです。
たとえば部下が
「この仕事、少し難しくて…」
と言ったとします。
この言葉を聞いたとき、多くの上司はこう反応します。
「どこが難しいの?」
「どうすれば進むかな?」
これは間違いではありません。
むしろ仕事を進めるためには必要な会話です。
ただ、このやり取りの中では
まだ“理解”は起きていない場合があります。
「理解する」は背景に目を向けること
理解しようとするとき、私たちはもう少し別のところに目を向けます。
たとえば
・なぜ難しいと感じているのか
・何が起きているのか
・どんな気持ちで話しているのか
といったことです。
つまり、
言葉の内容だけではなく、
その背景を想像しようとする姿勢
これが「理解する」という行為です。
同じ言葉でも、背景によって意味は変わることがあります。
「難しい」
という言葉の裏には、
・経験が足りない
・時間が足りない
・助けを求めにくい
・失敗を恐れている
など、さまざまな事情が隠れていることがあります。
リーダーの関わり方が変わる瞬間
もしリーダーが「理解しよう」とすると、
会話は少し変わります。
たとえば、こんな問いが生まれます。
「どんなところが難しく感じているの?」
「いま何が一番困っているかな?」
この問いは、答えを急ぐものではありません。
状況を一緒に見ようとする問いです。
この違いは小さく見えるかもしれませんが、
部下の安心感には大きな影響があります。
「この人は、ちゃんと状況をわかろうとしてくれている」
そう感じたとき、人はもう少し本当のことを話すようになります。
職場の信頼はここから生まれる
リーダーの役割は、すぐに答えを出すことだけではありません。
むしろ、
状況を理解しようとする姿勢
が、職場の信頼関係をつくっていきます。
理解されていると感じると、人は安心して話します。
安心して話せる職場では、問題も早く共有されます。
その結果、チームの力は自然と高まっていきます。
まずは少しだけ立ち止まってみる
もし部下と話す機会があったら、
少しだけ立ち止まってみてください。
「この人は何を言おうとしているのだろう」
そう考えながら話を聞いてみることです。
急いで解決策を出さなくても大丈夫です。
まず理解しようとする。
その姿勢だけで、会話の質は少しずつ変わっていきます。
そして、その変化が
チームの関係を静かに変えていくのだと思います。








