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ギブ&テイクと「本当に役立つギブ」の見極め方

「あなたの『ギブ』が、相手にとって『負担』になっていませんか?」

ビジネスシーンでは、「ギブ&テイク」が信頼構築に欠かせないとされています。しかし、すべてのギブが相手にとって有益とは限りません。私自身、「ギブの数を増やす」という目標に取り組んだ結果、むしろギブに悩まされ、その内容や目的を深く考えるきっかけを得ました。

今回は、「ギブ&ギブ」を試した経験をもとに、本当に役立つギブとは何かについて思ったこと・感じたことを書いてみます。

ギブの量を増やした結果

かつて私は、個人の目標として「ギブの数を増やす」という課題に取り組んでいました。
ギブ&テイクの考えの下でギブをしていたわけですが、わたしが教えてもらった「ギブ」とは「相手のお困りごとを解決したり、相手のメリットになること」で、つまり相手の価値となることを目的とした「ギブ」でした。

すごくいいじゃん!と思えたわけです。

そこで、できるだけ多くの人に価値を提供しようと、相手のリクエストに応じたり、提案をしたりと努力を続けていました。しかし、その取り組みは想像以上に時間とエネルギーを消費しました。さらに問題だったのは、私のギブの行為に対して、相手の方は何かしら気にかけてくださっていろんな方をご紹介くださった(ギブしてもらった)のですが(わたしにとってはそれがテイクというものでした)、受け取った「ギブ」が必ずしも有益なものでなかったことです。

例えば、ある人が「こんな人を紹介してもいい?こういう接点があるし、仕事に発展するかもよ」とアドバイスをくれたものの、紹介していただいた相手はわたしにセールスをする目的でした。他にも、私の状況には全くフィットしないことも多く、結果としてそのギブが何かに発展することはありませんでした。あえて言えば、わたしが誰かにギブする際の人脈として「知り合いがいるけれど」と言えるものでした。

誤解を恐れずにストレートな表現をさせていただけば、そのギブは差し出した人にとっては「与える行為」だったかもしれませんが、私にとっては「受け取るだけの負担」になるケースが多々あったのです。

この経験を通して、私は「ギブの質」について深く考えるようになりました。
自分がするギブも含め、ギブが単なる行為で終わってしまうと、結果的に双方にとって建設的な関係にはならないことが多いと思ったのです。

ギブ&ギブが生む問題点

ギブ&ギブは、相手に価値を与え続けることを目的とした姿勢を指します。
一見、とても良いビジネス行動のように思えますが注意点があります。それは「相手にとって有益ではないギブが、むしろ負担になりうる」ということです。

例えば、私が受け取ったギブの中には、「相手の自己満足」や「相手自身の目標達成」のための行動が含まれていることがありました。こうしたギブは、相手が意図的に悪いことをしているわけではありません。ただ、相手の視点に偏りすぎており、受け取る側の私にとって有益なものにはなりませんでした。

このようなケースでは、返報性の法則(相手から何かをもらったらお返しをしたくなる心理)は成り立ちにくくなります。つまり、ギブがギブであるためには、「相手の立場に立った具体的なメリットを想像できること」が不可欠なのです。

本当に役立つギブとは何か

では、「建設的なギブ」とはどのようなものでしょうか?
そもそもあるのか?

わたしは「ある」と仮説を立てています。
(いや、結構信じている)
ただ、私がたどり着いた結論は、次の通りです。

相手のメリットを具体的にイメージする
ギブをする際に「相手にとって何が役立つのか」を具体的に考えることが重要です。ただのアドバイスではなく、相手の目標や課題に直結する形での支援が求められます。

相手の立場を尊重する
自分の目標や価値観を押し付けるのではなく、相手がどのような状況にいるのかを理解することが大切です。そのためには、相手に尋ねたり、話を聞く姿勢が必要です。

量より質を重視する
無闇にギブの数を増やすことよりも、一つ一つのギブが相手にとってどれだけ意味のあるものであるかを考えた方が、関係性を深めることができます。

共通項だけはない
共通点があるというだけでギブをしようとしても、情報共有さえできないもの同士のカップリングもあります。大事なのは化学反応が起こり得るかの想像力を働かせたり、困り事等を補完し合えるかどうかではないか、と思っています。

例えば、ビジネスシーンで部下が困っているとします。単に「もっと頑張れ」と声をかけるのではなく、「この部分をこう改善すると効率が上がりそうだよ」といった具体的なアドバイスの方が、部下にとって有益なギブとなるでしょう。

ギブの目的を問い直す

相手にギブをする際には、「これは相手にとって本当に必要なものか」を問い直す癖をつけると良いかもしれません。特に、相手が受け取ることで「行動化」につながるものは、建設的なギブと言えます。一方で、相手の目標達成のためではなく、こちらの満足や達成のためのギブは、実は相手にとってはテイク(受け取る負担)になってしまうこともあります。

ギブ

ギブは素晴らしい行動ですが、その効果は「何をギブと定義するか」によって大きく変わるのではないかと思います。

相手のメリットを具体的に想像し、相手が受け取る価値を最大化することこそが、本当の意味での建設的なギブだと考えています。私たちが日々のビジネスの中で意識的にギブを見直すことは、より良い人間関係と成果をもたらす一歩になるのではないでしょうか。

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marco

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