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コンテントとプロセス – 優れた場づくりの二つの視点

皆さんは、こんな経験はありませんか?予定されていた議題をすべて終えたのに、なぜか会議後に「今日も時間の無駄だった」とため息をつく参加者。あるいは、研修プログラムの内容は素晴らしかったのに「何か物足りない」と言われてしまう瞬間。私も企業研修の場で、何度もこのようなジレンマに直面してきました。

今日はそんな「内容は良いのに満足度が低い」という状況を打破するヒントとなる「コンテントとプロセス」という考え方についてお話しします。

見えるものと見えないもの

先日、ある上場企業の管理職研修で、参加者からこんな本音を聞きました。「うちの部の会議は議題も決まっていて、資料も充実しているのに、なぜかいつも同じメンバーしか発言せず、結局何も決まらない」。

これは典型的な「コンテント(内容)」は整っているのに「プロセス(過程)」が見過ごされている例です。

コンテントとは「何を話し合うか」という目に見える要素。そしてプロセスとは「コンテント以外のすべて」です。例えば、「どのように話し合うか」などがそれで、見えていない、表面化されていない要素です。多くの場合、私たちはコンテントには気を配りますが、プロセスには無自覚なことが多いのです。

「プロセス」を意識した仕事

ある食品メーカーの経営会議を例に挙げましょう。毎回長時間会議だったのが、プロセスを意識した改革後はおよそ半分ほどの時間で終わるようになりました。何が変わったのでしょうか?

変更前:

  • 詳細な資料(コンテント)は用意されていた
  • 発言は役職の高い3人に集中していた
  • 反対意見を言いにくい雰囲気があった
  • 決定事項が曖昧なまま終了することが多かった

変更後:

  • 発言していない人にも意見を求めるルールを設けた(最初はルール化し、徹底した)
  • 「反対意見や懸念点」を出す時間を特別に設けた
  • 別途、対象を「自分ごと」として考えるトレーニングを実施した
  • 出てきた意見の問題点を探すのではなく、応用や発展の視点を持ってそのコンテンツを扱うようにした
  • ホワイトボードに決定事項を視覚化した
  • 会議の最後に「今日のプロセスはどうだったか」振り返る時間を設けた

結果として、より多様な視点が集まり、意思決定の質のみならず速さも上がり、参加者の当事者意識も高まったそうです。日頃から仕事について語り合う時間が増えたと言うデータも取れました。

日常に取り入れやすい「プロセス」への目配り

実は、プロセスへの意識は特別なスキルではなく、ちょっとした「目配り」から始められます。私が普段から心がけていることをいくつか紹介します。

事前準備で、

  • 「誰が」「どのように」発言するかまで考える
  • 多様な参加方法を用意する(書く、話す、動くなど)
  • 意思決定の方法を事前に明確にしておく
  • 必要なルールを微細に設計する

その場では、

  • 発言の偏りに気づいたら、フィードバックをしたり「他のご意見もお聞きしますね」と声をかける
  • グループの雰囲気が硬くなったら「少し休憩しましょうか」と提案する
  • 話が脱線したら「本題に戻ってみましょうか、先ほど〜〜の話まで進みましたね」と軌道修正する

終了時には、

  • コンテンツに関すること・プロセスに関することで、気づいたことや学んだことをシェアする
  • 次回への改善点を共有する

こうした小さな工夫が、仕事の質を大きく変えていきます。

プロセスとコンテント

ここで誤解のないように付け加えておきたいのは、コンテント(内容)が重要でないということではありません。むしろ、プロセスとコンテントは車の両輪のようなものです。

優れたコンテント(情報や知識)があっても、それが十分に共有され、理解され、活用されなければ意味がありません。逆に、素晴らしいプロセス(対話の場)があっても、そこで扱われる内容に価値がなければ時間の無駄になってしまいます。

明日から試せる一歩

最後に、明日から試せる小さな一歩を提案します。

次回の会議や1to1、あるいはチームでの対話の場で、内容(コンテント)だけでなく、「どのように話し合われているか」(プロセス)にも意識を向けてみてください。そして、もし気になることがあれば、思い切って「今の話し合い方について、少し振り返ってみませんか?」と切り出してみるのはいかがでしょう。私の経験では、そうした「プロセスへの一言」が、組織の空気を変えるきっかけになることが少なくありません。

業務の生産性を上げて、全員が生き生きと参加できる場をつくるために、
ぜひ「コンテント」と「プロセス」の両方に目を向けてみてください。
組織の対話が変わり始めるのではないでしょうか。

※私のファシリテーション経験および企業研修での観察に基づいています。組織によって最適なアプローチは異なりますので、ぜひ貴社の状況に合わせてアレンジしてみてください。


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