
チームを蝕む消費期限が切れた目標
常に新しい目標を掲げる意義と効果
~次の山を見せ続けることが、成長を止めない鍵になる~
成長を続ける組織には、ある共通点があります。それは、「常に新しい目標を掲げていること」。
目標と聞くと、「年度のはじめに決めるもの」「上から降りてくる数字」といったイメージを持たれる方もいるかもしれません。ですが、本当に機能する目標は、もっと柔軟で、生きたエネルギーを生み出すものです。
日々の業務に追われていると、つい目標が“形だけのもの”になってしまいがちです。だからこそ、あらためて「目標を掲げることの意味」について考えてみたいと思います。
目標がもたらす3つの効果

目標には、大きく3つの効果があると考えています。
- 方向性の明確化
組織やチームが“どこに向かっているのか”を共有できることで、行動に迷いがなくなります。目標は、言わばチームの羅針盤です。 - 前向きなエネルギーの創出
「そこに到達したい」と思える未来があることで、人は自然と力を出したくなるものです。目標には、気持ちを前向きにしてくれる不思議な力があります。 - 成長の機会を生む
少し背伸びをして取り組むからこそ、学びや工夫が生まれます。目標は、新しい挑戦への入口でもあるのです。
「次の山」を見せるということ

私自身、あるプロジェクトの研修プログラムを無事に完成させたあと、しばらく次の目標を示せなかったことで、チームの動きが一時的に鈍ってしまった経験があります。
その時、「人は、達成感のあとの“空白”に弱いんだな」と実感しました。
心理学では「フロー状態」という言葉があります。これは、ちょうど良いレベルの挑戦とスキルのバランスが取れているときに、人は最も集中し、生産性が高まるという状態です。
新しい目標があるということは、このフローを保ちやすくする条件のひとつ。チームが止まらずに進み続けるためには、つねに「次の山」を示し続けることが大切なのです。
効果的な目標を立てるための3つのポイント

では、どんな目標を立てれば良いのでしょうか。私が研修現場でよくお伝えしているのは、次の3点です。
- 達成可能で、かつ挑戦的な目標であること
「頑張れば届く」くらいがちょうどいい塩梅です。簡単すぎても退屈ですし、無理だと感じれば気持ちは離れていきます。 - 具体的で、測定可能であること
「売上アップ」よりも、「第3四半期までに売上を10%上げる」といった明確な数字があると、チームの動きも具体的になります。 - なぜこの目標に取り組むのか、その意味を共有すること
「やらされている」ではなく、「自分ごと」として捉えてもらうには、この“意味”の共有が欠かせません。
山頂からの展望を、あらかじめ描いておく
一つの目標を達成したとき、チームの心が「やり切った!」で終わってしまわないように。
その山の頂上から見える「次の山」を、前もって描いておくことがリーダーの役割です。
私がこのプロセスを「山頂からの展望」と呼んでいるのは、一歩先の景色を見せることで、人は自分の役割や存在意義を再確認できるからです。
組織の成長も、メンバー一人ひとりの成長も、「先を見据える目標設定」が支えになります。
忙しい日々の中でも、ふと立ち止まって「今の私たちは、どの山に登っているんだろう?」「次に見せたい山は何だろう?」と考えてみる。
そんな時間を、ぜひチームに持っていただけたらと思います。
目標は、ただの“数字”や“スローガン”ではありません。
それは、人と組織を前に進める、大きな力を持つ“未来への地図”なのです。

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