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「相手の気持ちは聞かなければわからない」〜思い込みが生む職場の摩擦〜

先日のこと。チームメンバーから「先週出した企画書、どうでしたか?」と聞かれた私は、内心「あれ?まだ見てなかったっけ」とドキッとしながらも、とっさに「あ、うん、見たよ。あとでじっくり話そう」と答えてしまいました。
実は、まだ目を通していなかったのです。忙しさを理由に後回しにしていた自分を、認められなかった・・・。正直になれば良いものを・・・。

さて、皆さんなら、こんなとき、どう感じるでしょう?
もしあなたがチームメンバーの立場だったら…。

「何か問題があって言いづらいのかな」
「ちゃんと見てもらえてないかも」
「そもそも目を通していないんじゃ?」

このように、私たちは相手の一言や反応から、勝手に「相手の気持ち」を推測します。
でも、その推測は、自分自身の不安やこれまでの経験に強く影響されていることが少なくありません。

特にビジネスシーンでは、この「思い込み」が、関係性の摩擦や誤解を生む大きな要因になることがあります。

先日、あるリーダー向け研修でのこと。
参加していたAさんは、「チームメンバーが私の指示をなかなか実行してくれない」と悩んでいました。
話を深堀りしてみると、Aさんは「伝えたのに動かない=自分が軽視されている」と受け止めていたのです。

しかし、ロールプレイでチームメンバー役を務めた別の参加者がこう語りました。
「実は、指示の意図がよくわからなかったけど、何度も聞くのが怖くて…」

Aさんは、その言葉にハッとしました。
「こんなに明確に伝えたのに、なぜ理解してくれないんだ」
「また質問すると怒られるかも…」

リーダーとメンバー、それぞれの「思い込み」が、結果的にコミュニケーションの断絶を生んでいたのです。

心理学では、これを「マインドリーディング」と呼びます。
つまり、「相手の心を読める」と無意識に思い込んでしまう現象です。
しかし、実際には私たちの解釈は、必ず自分自身の価値観や経験フィルターを通しています。正確に読める保証はどこにもありません。

では、どうしたらこの「思い込みの罠」から抜け出せるのでしょうか。

思い込みの罠から抜け出よう

ひとつ目は、「相手の気持ちは聞かなければわからない」という基本に立ち戻ることです。

基本に立ち戻る

当たり前のようで、忙しい日常ではつい省略しがちです。

私自身も、先ほどの例では
「実はまだ見られていないけど、今日中に確認するね。待たせてごめん」
と素直に伝えるべきだったと大反省!たった一言でも、誠実な対話が信頼関係の土台になります。

ふたつ目は、「自分の解釈を一度疑ってみる」ことです。

自分の解釈を疑う

たとえば「チームメンバーがやる気がない」と感じたとき、本当にそうなのか?
「なぜそう思ったのか?」「他に可能性はないか?」と、自分自身に問いかけてみるのです。

実際に、ある企業のリーダーが「若手がすぐ辞めるのは根性がないからだ」と嘆いていました。
しかし、若手とじっくり対話してみたところ、主な理由は「将来のキャリアパスが見えない不安」だったのです。
思い込みでは決して見えなかった現実が、そこにありました。

そして、最後に大切なのは、「オープンクエスチョンで聞く」こと。

オープンクエスチョン

例えば
×「どう思った?」
→〇「このプロジェクトについて、どんなふうに感じた?」

×「なぜできないの?」
→〇「進めるうえで、どんな課題を感じている?」

こんなふうに、相手の言葉を引き出す問いかけを意識するだけで、思わぬ本音や課題が見えてくることがあります。

無意識にしてしまうこと

私たちの思考は、無意識に「推測」と「省略」で効率化しようとします。
でも、人との関係においては、その省略が誤解を生み、関係を遠ざけてしまうこともあるのです。

だからこそ、大切なのは
「自分の解釈は仮説に過ぎない」
「仮説を検証するために、対話をする」
この小さな意識の持ち方。

たったそれだけでも、職場の空気は少しずつ変わっていきます。

今日、あなたがもしチームメンバーに声をかける場面があったら、思い出してみてください。
「相手の気持ちは、聞かなければわからない。」
そして、勇気を出して、聞いてみてください。
きっと、思いもよらない発見があるはずです。

この記事を書いた人

marco

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