
〜部下指導で避けるべき5つの落とし穴〜
指導しの失敗からの学び方部下を指導する立場になると、思った以上に「正解」が見えにくいと感じることはありませんか?
管理者の人の多くは「これでいいのかな…」と迷いながら試行錯誤しているようです。
今日は、部下指導の落とし穴を「Part1」としていくつかご紹介します。
落とし穴1:一方的な指示の問題
私が最初にやってしまったのは、一方的に指示を出してしまうこと。
「こうやってください」「これを今週中にお願いします」と伝えるだけで、それを受け取る相手がどう感じているかまで気が回らなかった…
わたしの「一方的に指示を出しただけ」経験。
結果、後輩から「結局、これをやれば(やりさえすれば)いいんですね?」と言われたり「終わりました」と成果物を提出されるだけだったり…ブツ切れ仕事になってしまう感じでした。
ずいぶん後になって気づいたのですが、指示は“命令”ではなく、“ゴールを共有するための対話”。例えば「今期の目標はこうだから、この業務が大切なんだ」と背景を説明するだけで、後輩の動きが変わってきました。「もしかして、”納得感”があるか・ないか、かな?」と思いました。後輩の立場に立ってみると、「なぜこれが必要なのか」を理解することが成果を出す近道だったりするのではないか、と。
コミュニケーション不足がもたらす影響
忙しい時ほど、つい「必要最低限の会話だけで済ませる」動きをしてしまいがち。でも、コミュニケーション不足は誤解や不安を生みます。
自分が指示を受けた時、こんなことがありました。
背景を聞かずに与えられたタスクを終えて上司に報告にいった時、「なんだよコレ、誰にでもできるじゃん」と言われたことがありました。「え?言われた通りにやったのにどういうことだろう?」とその時は不満な気持ちが出たわけですが、上司にとっては「指示したことだけを作業した」ことに対して期待外れだったようです。
つまり、こちらが期待していることと、相手が理解していることにズレがあった。
これを防ぐには、依頼するタスクの目的や背景なども含めて伝えること、受け取ることが必要だと得心しました。相手の状況を把握することもできますから、お互いに安心感も生まれます。
効果的なフィードバックの重要性
そして、もう一つ大きな落とし穴が「フィードバックの仕方」だと思いました。
わたしは、「よかったよ」「ここは直したほうがいいね」と結果だけを受け取っていて、それが普通だと思っていました。でも、同僚の男性は違っていました。いろいろ任されるようになって、どんどんスキルが上がっているように思えました。その時に、上司はその同僚には、どこが、なぜ良いのか・修正する場合は何を直したらいいか、上司として何を期待しているか、の情報を伝えていることに気づきました。
同じ上司のもとで働いていましたが、かけられるメッセージによってわたしと同僚には大きな開きが出ていました。わたしの場合は、“評価されただけ”で終わってしまっていたのです。嬉しかったけど、「終わっていた」。
そんな自分の経験を思い出しました。
最近は、良い点も課題も“具体的な理由”や”目的”と一緒に伝えるようにしています。例えば「この資料は見やすかったよ。特にポイントを3つに絞ったのがよかったね」とか、「この仕組みが完成すると、お客様の作業停滞の課題が解決できて、喜んでいただけるよ。そういった意味でもニーズをもう一度見直して、相手の視点で説明があると、さらに説得力が増しそうだね」というように。相手も次に生かしやすくなります。
さらに、フィードバックはタイミングも大切。1週間後より、その場で伝えたほうが記憶も鮮明ですし、改善のスピードも上がります。
本当の支援とは、一緒に成長すること
指導は“教えること”ではなく、“一緒に成長すること”だと私は感じています。
指示だけでなく背景を共有する、コミュニケーションを大切にする、そして具体的でタイムリーなフィードバックをする。この3つを意識するだけで、相手との関係性も仕事の成果も変わっていくのではないでしょうか。
