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チームワークの高め方 第2回

チームワークを高める5つの実践アプローチ

〜小さな行動が、チームの空気を変えていく〜

「うちのチーム、どうも噛み合っていない気がする」
そんな声を耳にすることがあります。

人間関係が悪いわけではないのに、連携がずれていたり、情報共有が抜けていたり。
それは、チームの“関係の筋肉”が少しこわばっている状態なのかもしれません。

今回は、その筋肉をほぐすようにチームをしなやかにしていく5つのアプローチをご紹介します。どれも特別なことではなく、日常の中で少し意識を変えるだけで実践できるものだと思います。

■ アプローチ1
定期的なミーティングを「つながりの場」にする

定例ミーティングというと、「報告会」という印象を持たれる方も多いのではないでしょうか。けれど、良いチームはミーティングを“報告の場”ではなく“関係を整える場”にしているように思います。

たとえば、冒頭の5分で「最近うれしかったこと」を話すだけでも、
チームの空気はやわらぎます。

また、議題を共有する際には
「何を決めるための会なのか」を明確にしておくことが大切です。

ゴールがはっきりすると発言が具体的になり、
会議が“つながりを生む時間”に変わっていくと感じます。

■ アプローチ2
チームビルディング活動で“関係の温度”を上げる

仕事の枠を超えて交流することは、
チームに想像以上の効果をもたらすと考えています。

たとえば、
脱出ゲームやボードゲームのように協力しながら進める活動、
またはちょっとしたランチ会など。

「誰が正しいか」ではなく「どう協力するか」が問われる場では、
互いの人柄や強みが自然に見えてきます。

私の研修でも、最初はぎこちなかったメンバーが
ゲームをきっかけに笑い合い、
その後の会議で発言が増える場面を何度も見てきました。

こうした場づくりは、関係の温度を上げるだけでなく、
「助け合うって楽しい」という実感をチームに残すように思います。

■ アプローチ3
環境を整え、役割を明確にする

チームのトラブルの多くは、「誰が何をするのか」が曖昧なときに起こりやすいと感じます。逆に言えば、役割が明確であれば関係はスムーズになるものです。

「誰がリーダーか」よりも、
「誰がどの部分を担っているか」を共有しておくことが大切です。
プロジェクトの初期段階で
全員で“役割マップ”を描いてみるのも効果的だと思います。

また、物理的な環境整備も欠かせません。
資料がバラバラ、情報が点在、チャットが埋もれている
そんな状態では信頼も生まれにくいものです。

「見える化」し、整えることが、
チームの関係を支える基本ではないでしょうか。

■ アプローチ4
ツールを活用して“つながる力”を高める

オンラインのやり取りが増えた今、
コミュニケーションツールの使い方がチームワークを左右すると感じます。


チャットツールは「報告」だけでなく、
「感謝」や「雑談」にも使ってみると良いと思います。

「○○さんのおかげで助かりました」
そんな一言があるだけで、
空気がやわらぎ、距離がぐっと縮まります。

また、タスク管理ツールで進捗を共有すれば、
「誰が今どこまで進んでいるか」が見えるようになります。
ツールは、冷たくするためのものではなく、
むしろ“人のあたたかさを伝える手段”になり得るのではないでしょうか。

■ アプローチ5
ポジティブなフィードバック文化を育てる

フィードバックという言葉を聞くと、
「改善点を伝えるもの」と思われがちですが、
本来は「気づきを共有し、成長を支援する会話」だと考えています。

中でも大切なのは、ポジティブなフィードバックです。
「ありがとう」
「助かりました」
「説明がわかりやすかったです」
そんな一言を伝え合うチームは、信頼関係が深まり、安心感が広がります。

ポイントは、事実を添えて伝えること。
「よかったよ」ではなく、
「あのとき○○に気づいてくれたのが助かりました」と具体的に伝えることで、
相手の行動が“再現可能な成功体験”として残るのだと思います。

■ チームの成長は、日常の積み重ねから

5つのアプローチに共通しているのは、
どれも日常の中でできることだという点です。
特別な研修を待つのではなく、
今日の昼休み、明日の会議から始められるものばかりだと思います。

チームワークは、筋トレのようなものかもしれません。
一度やって終わりではなく、少しずつ鍛え、しなやかにしていく。
その積み重ねが、やがて強くて温かいチームを育てていくのだと感じます。

次回は、チームワークを「楽しみながら」高める方法について。
ゲームやアクティビティを通して、協力の楽しさを体感するアプローチを取り上げます。
一見“遊び”のように見えて、
実はチームの本音を引き出す大切なヒントが隠れていると思います。

この記事を書いた人

marco

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