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心の健康を守るやさしい第一歩

働く人の心を守る:職場でつくるメンタルヘルスの土台

第2回では、日常の中でのセルフケアについてお伝えしました。

第3回となる今回は、視点を少し広げて「職場におけるメンタルヘルス」について考えていきます。

私たちは、一日の多くを職場で過ごします。

その環境が心に大きな影響を与えるのは、言うまでもありません。

だからこそ、働く場所でどのように心を守るかは、とても大切なテーマです。

企業には「心を守る責任」がある

実は、企業には従業員の心の健康を守る責務があります。

これは単なる“優しさ”ではなく、労働安全衛生法に基づく義務です。

働く環境が整っていないと、従業員の心はどんどん疲れてしまいます。

その結果、欠勤が増えたり、離職につながったり、同僚の負担が重くなったり。

企業全体にとっても大きな損失になります。

心の健康は、コストではなく“投資”。

企業が従業員を大切にすれば、従業員もまた企業の成長を支えてくれます。

この「お互いさま」の循環が、健全な職場を作る土台になります。

産業医という存在

従業員が50人以上いる職場では、産業医の選任が義務づけられています。

産業医は、従業員の健康を守る“職場の医師”のような存在です。

産業医には、

・メンタルヘルスの相談

・働き方や職場環境の改善アドバイス

・必要に応じた専門医受診の勧奨

など、心の不調に関わるサポートをお願いできます。

「産業医に相談…しにくいなぁ」というお声を聞いたことがあります。
実際には、風邪を早めに治すように、心の不調も早めの相談が効果的です。

小さな不調のうちに相談することで、悪化を防ぎやすくなります。

職場全体でつくる「心の安全地帯」

企業がメンタルヘルスに取り組むうえで最も大切なのは、「職場全体での取り組み」です。

例えば、

・メンタルヘルス研修の実施

・ストレス管理セミナーの開催

・相談窓口の案内や利用しやすい仕組みづくり

などがあります。

ただし、システムがあっても、実際に「相談しやすい雰囲気」がなければ機能しません。

「困ったら言ってね」と言われていても、その声かけが形だけであれば、人は本音を伝えにくいものです。

日常的な挨拶や声かけ、ちょっとした雑談。こうした“人と人の小さな関わり”が積み重なることで、「ここなら話しても大丈夫かもしれない」と感じられる土壌が育ちます。

心理的安全性のある職場は、生産性が高く、離職率が低いという傾向もあります。

心の安全地帯があるからこそ、人はのびのびと力を発揮できるのだと思います。

ストレスチェックを味方に

2015年から、従業員50人以上の事業場では「ストレスチェック」が義務化されました。

これは従業員自身が自分のストレス状態を把握し、企業側も職場の傾向を知るための大切な仕組みです。
※まだ50人以上の括りですが、数年以内に全ての事業場(50人未満も含む)に義務化されることが決定しています。

ストレスチェックを受けると、

「なんとなく調子が悪い」という曖昧な感覚が、

数値や項目として可視化されます。

結果が良くなかったとしても、それ自体が問題ではありません。

大切なのは、

・自分の状態を知ること

・必要に応じて医師の面談につなげること

です。

「心の定期点検」として活用してみてください。

休職と復職を支える仕組み

心の不調で休職したあと、職場に戻るまでにはさまざまな不安を抱える方が多くいます。

「また調子が悪くなったらどうしよう」

「同僚からどう見られるだろう」

「以前の働き方に戻れるかな」

こうした不安に寄り添うために、企業には段階的な復職支援の仕組みが求められます。

例えば、

・短時間勤務からスタートする

・業務内容を調整する

・定期的に面談を行う

など、復帰後のフォローが欠かせません。

休職は大事なメンテナンスの時間。心が疲れた時に休むことは、身体が疲れたときと同じく自然なことです。

そして、戻る時には、職場が“迎え入れる準備”を整えておくことが大切です。

本人だけでなく、周囲が安心して働ける環境が整っていることで、再発防止にもつながります。

第3回では、職場でのメンタルヘルス対策や、企業に求められる取り組みを紹介しました。

次の第4回では、さらに個人の視点に戻って「自分の心の状態を知る方法」「専門家への相談」「相談する意味」について取り上げます。

自分の心の声に気づくためのヒントを、分かりやすくお伝えしていきます。

今日も、あなたの心がリラックスした日でありますように。

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marco

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