【成人発達理論をラボる】体験学習で読み解く成人発達理論わたしこそ入門シリーズ5
今回は、これから各シリーズの枠組みのお話の締めです。
成人発達理論を組織で活かすための実践とこれから
最後は、こんなテーマのラボラトリーで締めくくろうかな、と。 ↑
実践すると、別に書きたい方向性が出てくるかもしれませんが、最初にある程度プランを立てておかないと動けないので。。。。(言い訳かな?)
段階に応じた体験学習の例として、
・段階2には手順確認の実地演習、
・段階3には関係構築を目的としたグループワーク、
・段階4にはシステム思考を伴うケース分析、
・段階5には複数視点を統合するアクションラーニング
が適しているのではないでしょうか。
これらの演習は、各段階の認知特性と適切にマッチするように設計。
ワークショップの設計では、
参加者の発達段階を把握し、段階に合った学習目標を設定することが不可欠です。
体験学習のサイクルに沿った体験をデザインし、内省とフィードバックの時間を十分確保します。
評価方法や倫理的配慮も事前に決めておくことで、学びの質が高まります。
なお、発達段階を上げることを目的とした介入については、慎重な配慮が必要だと思います。
キーガン自身も、発達を無理に促すことには慎重な立場をとっています。
研修では「現在の段階での複雑性への対処能力を高める」「次の段階への移行を支援する環境を整える」ことを目的とし、段階の上昇そのものを直接的な目標とはしないことが倫理的に適切です。
成人発達理論の測定については、いくつかの方法があります。
キーガン理論の標準的な測定法は主体-客体面接法と呼ばれる半構造化インタビューのようです。
これは訓練を受けた評価者が逐語録を分析して段階を判定するもの。豊かな情報を得られる反面、実施には専門的訓練とコストが必要のようです。
そのため、実務での活用を目指した簡便な尺度開発の試みも進んでいますが、
測定の精度と実用性のバランスをどう取るかが現在の課題と言うことです。
また、インテグラル理論のように複数の視点を統合する枠組みと比較すると、キーガンのモデルは発達段階に特化した利点があります。
批判としては、段階の普遍性や文化差、測定の曖昧さなどが挙げられています。
日本で適用する場合は、集団調和を重視する文化のために行動が内面を正確に反映しないことがあり、単純な尺度の適用には注意が必要とのことです。
参照する対象が複数あります・・・。
企業で理論を活用する際には、リーダーの発達段階に合わせて育成ゴールや介入方法を調整することが重要のようです。初級リーダーには役割遂行と協働の基礎、中級以上のリーダーには複雑性に対応する判断力を育てるプログラム。異なる段階のメンバーを混ぜたアクションラーニングも効果的かもしれません。
研修の効果測定でも、実装の改善に役立つ対象がありますし、導入の課題には、費用対効果の説明や管理職の理解不足がありますが、小規模パイロットを通じて成果を可視化し、経営層の支持を得ることで解決できる道はあります。
学びを深めるための資料として、キーガンの著作や体験学習の古典的文献、などが役立つと思います。入門書で概念を押さえ、
実践書で演習設計を学び、
学術論文で測定や批判的視点を補う
この3つで理解が一層深まると考えています。
六ヶ月カリキュラムを作って、細分化してパイロットをかけるのもありですね。
成人発達理論は学習設計やリーダー育成に大きな示唆を与えますが、測定の限界や文化差などの課題もありそうです。
持続的な学びのためには、段階に合わせた介入、定期的な評価、職場での繰り返し試行が不可欠です。研究と実務の往復を続けながら、組織に定着させていくサポートは欠かせないと思いました。
社会的にも複雑性が高まる中、多様な利害調整を行う力が求められている今。
成人発達理論は教育政策や企業の育成戦略にも影響を与え続けるのではないでしょうか。
短期講座やオンラインセミナーなどの小規模なパイロット研修を実施しながら、小さく始めて改善を繰り返してみる必要がありそうです。
壮大なテーマですが、2026年はこのテーマで行ってみようと思っています。








