経験を「知恵」に変える技術①
「経験しただけ」で終わらせないために
経験学習を阻む認知的障壁😱
人間が経験から学ぶプロセスを阻害する最大の要因は、脳の生存戦略として組み込まれた「認知バイアス」と言われています。
私たちの脳は、膨大な情報を処理する際にエネルギーを節約するため、無意識のうちにショートカット(直感や先入観)を利用します。
これが、経験の客観的な解釈を歪め、学習の機会を奪うことになる・・・というわけなのですね。
認知バイアスは、身近な場面で、例えばこのように現れます。
確証バイアス
まくいかなかったのに「やっぱり相手が悪い」と、都合のよい証拠だけ集めてしまう
後知恵バイアス
「ほらね、こうなると思ってた」と言いながら、実は次の対策は変わっていない
正常性バイアス
「まあ大丈夫でしょう」と先送りし、気づいたら手遅れに近づいている
虚記憶(虚偽記憶)
「前も同じことがあった」と思って判断したが、実は細部が違っていた
こういったバイアスは、私たちが自らの経験をふりかえる際、無意識のうちに「自己を正当化する物語」へと書き換えてしまう「もと」になっています。
別名「防衛的な推論」。これこそが、経験を成長に結びつけることを妨げる最大の壁のように思います。
熟練した無能(Skilled Incompetence)という病理😱
ハーバード大学のクリス・アージリス教授が提唱した「熟練した無能」という概念は、経験が必ずしもプラスに働かないことを示す洞察です。
これは、組織内の不和や対立を避けるために、当たり障りのないコミュニケーションや、問題の本質をあえて回避する行動を、極めて「熟練」したレベルで実践している状態を指しています(わたしも思い当たる節が・・・😰)。
たとえば
■本当は違和感があるのに、会議で「特にありません」と言ってしまう
■改善点が見えているのに、「一旦このままで」で流してしまう
■トラブルの原因に触れると角が立つので、表面的な対策だけ繰り返す
こうした状態では、個人は摩擦を起こさないスキルを磨いているように見えても、組織としての学習が停止し、本質的な課題解決が相当難しくなってきます。いや、無理と言っても良いのではないでしょうか。
アージリスは、特に高い教育を受けたプロフェッショナルほど、自らの有能さを証明しようとするあまり、自らの行動を批判的に検証すること(ダブルループ学習)が難しくなると指摘しています。
彼らは「何が起きたか」という外面的な問題解決(シングルループ学習)には長けているが、「なぜ自分はそのような行動をとったのか」という自身の価値観や行動原理そのものを問い直すことができない、というものです・・・少々冷や汗が出てきます(自己省察により)。
経験を「知恵」に変えるためには、こうした認知的バイアスや防衛的な行動パターンを自覚して、意図的に打破するためのフレームワークが必要だと思います。
そしてそれが、わたしにとってコルブの提唱する経験学習モデルなのです!
わかりやすくてとても活用しやすい!








