リソースの棚卸しという視点
― 「持っているのに使っていない力」に気づく ―
ここまで、リソースの捉え方と、その活かし方について見てきました。
では、実際にリソースをどう扱えばよいのでしょうか。
その一つの方法が「リソースの棚卸し」です。
リソースの棚卸し
棚卸しというと、何かを一覧にする作業のように聞こえるかもしれません。
ただ、ここでいう棚卸しは、単なる整理ではありません。
これまでの経験を振り返り、
「何があったか」だけでなく、
「そこから何を得ているのか」を見ていくプロセスです。
たとえば、あるプロジェクトで苦労した経験。
当時は大変だった記憶しか残っていないかもしれません。
けれど、よく見てみると、その中で調整力を身につけていたり、判断の基準が育っていたりします。
あるいは、人との関係で悩んだ経験。
その経験があるからこそ、今は相手の立場を想像できるようになっているかもしれません。
このように、リソースは「出来事そのもの」ではなく、
その出来事を通じて自分の中に残ったものです。
どのような経験から来たのか
そしてもう一つ大切なのは、
リソースは必ずしも「快い経験」からだけ生まれるわけではない、という点です。
むしろ、少し不快だった経験や、うまくいかなかった出来事の中にこそ、
後から振り返ると大きな意味を持つものが含まれていることがあります。
だからこそ、棚卸しの際には、
「成功したこと」だけでなく、
「引っかかっていること」にも目を向けてみるのがおすすめです。
リーダーとしては、この棚卸しを個人任せにしないことも重要です。
1対1の対話の中で、
「その経験から何を学んだと思いますか」
「今の仕事にどうつながっていますか」
といった問いを投げかけることで、メンバー自身が気づきを深めていきます。
人は、持っているリソースをすべて使っているわけではありません。
むしろ、「使っていないリソース」の方が多いこともあります。
それに気づくことができると、
自分の見え方が変わり、行動の選択肢も増えていきます。
リソースの棚卸しは、過去を振り返る作業でありながら、
未来の行動を変えるためのプロセスでもあります。
🔻YouTubeでもお話をさせていただきました
時々立ち止まってみる
忙しい日々の中では、つい先へ先へと進みたくなります。
ただ、ときどき立ち止まり、
「自分は何を積み重ねてきたのか」を見てみることも、
次の一歩を考えるうえで、意外と役に立つものです。








