情報を取り扱うことについて書いてみます。
担当するチームを持っている管理者の方に、参考になるのではないかな、と思います。
仕事をする時、
「たくさんの情報を集めて検討しなさい」
なんてよく耳にします。
情報は、
複数あればその数だけ視点が持てますし、
コンテンツに偏りが出にくくなります。
つまり、より妥当な判断をすることができる
というわけです。
情報が複数あってこそ、
比較や検討などの作業を行えます。
それに、比較検討作業を通して、自ずと「俯瞰」してその対象を見ることもできます。
他方で、一種類の情報だけでは、
複数の視点を持ったとしても対象はひとつであるため、
検討に限りがあるでしょう。
そもそも「どうして一種類だけで検討しようと思うのか」と個人的には突っ込みたくなるわけですが・・・。
さてここで、
実際にあった事例を一つご紹介します。
とても優秀な人が
リーダーに抜擢されました。
いろんなことを考え、
善し悪しを決め、チームの活動をコントロールしようとしました。
しかし、
人はそれぞれみんな違いますから
チームメンバーの中には、
概ね同意できたとしても、微妙に合致しない意見を持っていたり、
全く違う意見を持っている、という人もいました。
こうした状況の中、
優秀なリーダーは、
自分の優秀さを信じて(意識して信じていたのではないと思いますが)、
自分がテキパキと行った判断に則ってメンバーを動かそうとしたため、
メンバーは、ひとりやめ ふたりやめ・・・
やがて、チームとして機能できない集まりになってしまいました。
リーダーは、いくつかの情報を集めて検討したようでしたが、
視点が一つだったからでしょうか、
判断内容はチームに受け入れられなかったようです。
あまりにもたくさんの人が意思決定に加わると、
判断には時間がかかってしょうがありませんが、
一人で決めるのではなく、
複数の人で検討をしたり、
ある程度は一人で決めても、最終的にはみんなの意見を聞いてみる、など
工夫があると良いですね。
こうした話題を、管理者コーチングで扱ったことがあります。
その後、管理者は、
1、まずはみんなの意見を聞いて、それを検討してリーダーが判断し、みんなに根拠を添えて説明する
2、ある程度自分が検討した上で方向性を決め、みんなに説明をした上で合意を求める
という2種類のやり方を試し、
2の方がチームに受け入れられやすいことがわかったので、
それからは2のやり方ですすめることが多くなりました。
管理者としても、ストレスがずいぶん軽減されてやりやすくなったと話していました。